学習発表会のメリット、デメリットについて考える
こんにちは。とっておキッズのヨシダです。
先週は、新しいアカウントで初めての投稿!と張り切っていたのですが、その副作用か(?)、バッチリ風邪を引いて数日間ぐうたらしていました。
教員時代(特にコロナ禍前)は、「具合が悪い時は熱を測るな、子どもが帰ったら測ってもいい」と冗談めかして言われたことを思い出します。「今日体調悪いんで定時で帰ります」という言葉、今まで何回も聞いてきたセリフですが、よく考えたら異常ですよね。笑 体調悪い日は無理せず朝から一日休みましょうね。せめて時間休取りましょうね。移るし…。
「そんなんゆーても教員は休みづらいんじゃ問題」については、またどこかの機会でお話ししますね。
さて、本題ですが、今回のテーマは「学習発表会のメリット、デメリット」です。以下、いつも通りの見通し(目次)です。読了の目安は7分です。
前任校の学習発表会を見て
先日、前任校の学習発表会にお邪魔しに行きました。
異動してから今までコロナ禍ということもあり、学習発表会の一般公開はしていなかったのですが、今年から解禁になったため、旧職員数名でお邪魔することに。久しぶりに会う子どもたちの成長した姿に感無量でした。背が伸びたり、声変わりをしていたりと、物理的な(?)成長だけでなく、担当するセリフの量が増えていたり、一対一で教員がつかなくても一人で舞台に立つことができていたり…内面の成長もかなり感じられる発表でした。
教え子たちだけでなく、保護者さん、同僚・先輩の先生方と会うことができ、「先生〜!」と声をかけていただいたことも嬉しかったです。自分も頑張ろう!とたくさんパワーをもらった一日でした。
学習発表会のメリット
というわけで、学習発表会のメリットは先述の通り、
・大人(特に保護者)が子どもの成長を感じられる良い機会であること
そして、
・成功体験が自信となり、子どもの自己肯定感や向上心につながること
が二大巨頭と言ってもいいのではないでしょうか。
他には学年の友達と一緒に、学級の垣根を超えて関わることができるというのもメリットですね。次年度以降クラス編成が変わっても、「学習発表会で一緒に〇〇やったよね。」と、写真などで思い出を共有することもできます。
また、学習発表会を一般公開しているのであれば、地域の人や卒業生も見に来ることができ、交流の場にもなりますよね。この記事では主に小学部のことを書いていますが、中学部や高等部など、作業班で製品販売をしている場合、地域の方と直接触れ合える良い機会の1つでもありますね。
さて、これだけ学習発表会アゲの感じで本題に入りますが、今回のテーマは「学習発表会のメリット、デメリット」なので、デメリットについても書かねばなりません。
その前に、非常勤講師として初めて勤務した特別支援学校のことについて少しお話しします。
学習発表会をやらない学校もある
その学校の方針は、「運動会も学習発表会もやらない」「その代わりに、保護者はいつでも授業を参観することができる」というものでした。
運動会や学習発表会をやらない理由は、「大きな行事があるシーズンは、練習などが入るためいつもと違うスケジュールになり、子どもにとって負担だから」「また、教員の負担も大きいから」だったと記憶しています(もしかしたら他にも理由があったかもしれませんが)。
自身の子供時代の経験から、運動会も学習発表会も「やるのが当たり前」だと思っていたので、「そういう学校もあるのか!」と目から鱗だったのを覚えています。
学習発表会のデメリット
今書いたように、学習発表会のデメリットといえば「子どもにとっても教師にとっても負担が大きい」、これに尽きます。
特別支援学校に通う子どもたちの中には、「決まったスケジュール」「いつもと同じ」が心地よい子が比較的多く、学習発表会シーズンのドタバタスケジュールが辛い子がいます。保護者さんからの「この時期は毎年荒れるんですよね」という声も、何度も聞いたことがあります。特別な衣装を着るのが嫌な子もいれば、体育館のステージが嫌な子もいます。そんな子たちのために、できるだけ「いつも通り」に近い衣装にしたり、少しずつステージに上がる練習をしたりします。子どもたちは学習発表会を通して「嫌だけど頑張る」という経験を積む、とも言えますね。これは子どもの心理的な成長を考えると、メリットと言えるのかもしれません。でも勿論「嫌だけど頑張る」ことはストレスなので、頑張った分どこかで荒れるのは当たり前なのかなとも思います。
教員にとってもやはり負担の大きい行事の1つです。正直、行事の中でトップレベルの負担かもしれません。そのせいかは分かりませんが、学習発表会の時期は風邪を引く先生が続出します。笑
段ボールを持ち寄り、組み合わせて布ガムやPPテープで補強し、絵を描いた模造紙を貼って建物やドアなどの大道具を作る。型紙を作って不織布を切り、フェルトを切って貼り、20人分の衣装をつくる。模造紙をつなぎ合わせて大きい1枚にし、背景となる絵を描く…などなど、教師は本当にマルチプレイヤーだなと思う瞬間です。もちろん子どもも準備に関わりますが、制作の難易度や準備にかけられる時間を考えると大人にしかできないこともあるため、低学年ほど大人の負担が大きいような気がします。
そもそも学習発表会は何のためにやるのか
メリット、デメリットを踏まえたところで、そもそも学習発表会は何のためにやるの?ということに触れていきます。
学習発表会は、特別活動の中の「文化的行事」にあたりますよね。安心と信頼の学習指導要領に目標と内容が書いてありますので、引用します。
要約すると、
・学年の友達と一緒に活動(発表)することで集団意識をもたせる/高める
がメインの目標で、その中で特に
・学校生活に秩序と変化を与える
・学習の成果を発表し、その向上の意欲をさらに高める
ことが学習発表会(文化的行事)ということですね。
つまり、学習発表会は
「所属意識、集団意識を高めるためにやっている」
「学校生活に秩序と変化を与えるためにやっている」
「向上心を高めるためにやっている」
ということになります。
1つ目と3つ目が学習発表会のメリット、2つ目の「学校生活に秩序と変化を…」の、「変化」の部分がある種のデメリットという感じでしょうかね。
今後の学習発表会のあり方について
今回の記事では、学習発表会のメリット・デメリットと、学習発表会の目的について考えました。今後、学習発表会はどのようにあるべきでしょうか。
「所属意識や集団意識を高められる活動」「学習の成果を発表でき、認められる場」が他にある場合、学習指導要領に書いてある目標や内容を達成していると考えられますので、学習発表会を「やらない」という選択肢もあります。代わりの場をどう用意するかによっては、子どもや教員の負担が大幅に減ることが期待されます。
また、学習発表会のやり方についても考える必要があると思います。私自身そうでしたが、「年に一度の学習発表会だから」「保護者が観に来るから」と、多少無理をしても頑張りたくなるところではあります。しかし、学習発表会の目的は先に書いた通りで、全ては子どものためにやっていることです。子どもにも教師にも負担になりすぎない、特別支援ナイズドされた丁度いい落とし所を見つけることも大切なのではないかなと思います。
例えば、練習の頻度を詰めすぎない。発表内容は子どもたちが普段の学習で取り入れている、無理のないものにする。大道具や小道具、衣装を1から作るのではなく簡素化する。保護者さんに協力してもらえるところはお願いする。背景の幕は細かい部分まで手描きするのではなく、印刷や簡易的なものにする(個人的にはロールポリがおすすめです。青と緑のロールポリを買って、切って貼るだけで空と山ができます)…など、今さっと考えただけでもいくつか出てきます。
先生方もぜひ「負担の少ない学習発表会」について、思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「うちの学校ではこうしてる」「学習発表会の負担を減らすためにこんなアイデアあります」など、ぜひコメントしていただければ幸いです!特に、学習発表会をやらない学校の先生、代わりに何かやっていることがありましたら是非知りたいです!コメントよろしくお願いします😊