パラサイト 半地下の家族 感想
初投稿なので自分の事をと思ったんですけど、はっきり記憶してるうちに書いてしまおうということで、今話題の映画、「パラサイト 半地下の家族」について書いていこうと思います。(評価というよりはただの映画好きの感想と簡単な説明なので色々大目に見て頂ければ幸いです!)
この映画は日本で公開される前から映画好きの間でめちゃくちゃ話題になっていました。
先行して観られた方の感想をネタバレを避けながら見てたわけですが、皆口を揃えて「すごい」「やばい」「とにかく観て」という感じで他の映画には無い異様さを感じてました。ポスターからしても一見普通に見えてなんだか不気味ですよね。
でもこのポスター、映画を観た後に見ると「なるほど!」と思うところもあるし、観たからこそ不気味に見えてくる所もあって、ぞわっとします。
ちなみにこのポスター以外にも国によって色々な表現でパラサイトという映画を表していますが、どれもかなり見てて面白いデザインとなっているのでご興味のある方は検索してみてください!
個人的感想
「疲れた」
映画が終わった最初に抱いた感想です。
この映画確かにすごいです。やばいです。でも観終わってすぐの感想は「疲れた」でした。
とにかく体力というか生気というか「持ってかれる」んです。後半に進むにつれ徐々に徐々に...
でも決して悪い意味ではなくて、それぐらい「すごい」「やばい」映画だったのだと思います。
観終わった後スッキリしたり面白かった!と単純に喜べないのがパラサイトという映画でした。
タイトルの意味も開始30分ぐらいから察せられますが、その時抱いた印象と観終わった後に抱いた印象、全然違います。
大まかな感想はこんな感じです。ここからは各場面についてお話ししていこうと思いますので、
まだ映画観ていない方は閲覧を控えてください!
◾️様々なものから読み取れる対比
日本ではあまり馴染みのない、「半地下」で4人で暮らす家族。全員働ける年齢ではあるもののまともな職につくことができず、内職をこなしなんとか生活をしています。4人でぎゅうぎゅうに座るリビング、食卓に虫、外は常に喧騒。まさにギリギリで生きている状態です。
それに比べ、主な舞台となる豪邸は有名建築家が立てた美しい家、IT企業の社長である夫、人を疑うことを知らない優しい妻、可愛い娘、才能溢れる息子、と絵に描いたような幸せな一家です。
映画ではそんな真逆の家族を現すように、明るい・暗い、高い・低いというような様々な要素で富裕層と貧困層を現していたように思います。
豪邸のシーンは住宅系のプロモーションでもおかしくないくらい絵としてかなり綺麗でした。
だからこそ半地下や地下シーンの暗さ、汚らしさとの対比がはっきりしてました。
◾️笑い要素もあるから救われる
後半ガクンと暗い雰囲気に落ちていきますが、終始暗いわけでなく笑わせてもくれるのです。
半地下に暮らす彼らの暮らしは決していいものではありませんが、コミカルに描かれていてマイナスの気持ちはあまり沸いてきませんでした。
半地下の家族が豪邸で働く様々な職業の人間に化け、気持ちのいいぐらいすんなり事が運ぶ様は喜劇のようでもありました。
豪邸から逃げ果せるシーンや「おばけ」が出てくるシーンも笑いが起こってました。
◾️真っ逆さまに転落
物語自体もそうですが、この作品に出てくる全ての家族が最初より悪い状態で終わりを迎えます。
寄生した側もされた側も共倒れです。物語がトントン拍子に進み、クスリと笑う余裕すらある前半部分から少しづつ暗雲立ち込め、気がついた時にはもう嵐の中です。
それを1番印象づけたのは、キャンプに出かけた金持ち一家の家で我が物顔で食べ散らかし、飲み散らかす場面。豪邸にはかなり大きな窓が存在していて綺麗にされた庭と爽やかに晴れた空を見渡すことができました。が、そのシーンでは今までと打って変わって大雨。満喫する一家とは対照的に荒々しい天気となりました。
ついに何かが起こるんだという不気味さが演出されていました。
◾️半地下VS地下
嵐の中とうとうやつが訪ねてきます。
この人だっけ?と疑うほど印象が変わった豪邸で働いていた元家政婦。ここからはしばらく心がざわつき、無意識に息を止めてしまうような演出が続きました。
家に忘れ物をしたという元家政婦を気味悪がりながらも家に招き入れ...ここからが物語の核となる秘密ですね。
いないと思いますが、観てない方は今すぐ引き返してくださいね。
豪邸の地下には見知らぬ男。なんと元家政婦の旦那でした。主人公一家以外にも「寄生」していた家族がいたのです。自分のうちの地下に知らない人が長年住んでいたなんて、考えるだけでゾッとしますね。
お互い寄生者同士である事を認識し、争いが勃発。ここで元家政婦の命を奪うきっかけを作ってしまうのでした。
◾️希望があるようでないラスト
そんな事など何も知らない富裕層一家。息子の誕生日パーティを開催し、同じ様に華やかな生活を送っているであろう人々がお祝いにやってきます。
キラキラ光る彼らとは裏腹に半地下一家は不安や悩みを抱えながらパーティーの準備に取り掛かります。
そんな中彼らの足元では寄生していたもの同士争いが再発します。
地下の男は妻を殺した一家を恨み、復讐をしに地上へ。ここで初めて豪邸暮らし、半地下暮らし、地下暮らしの3組が同じ舞台に出てきます。
そこからはもう一瞬でした。ぐるぐるぐるぐる、あとは落ちてゆくだけです。煌びやかに飾られた会場は血に染まり汚されていきます。
半地下の息子は頭を殴られ気絶、妹はナイフで刺されその後死に至ります。
父親が地下の男を刺し、事態が収拾するかと思いきや、IT社長を殺しにかかってしまうのです。
◾️半地下の大黒柱と豪邸の大黒柱
2つの家庭の差として欠かせないのが2人の父親だったのではないでしょうか?甲斐性はないけど家族の事は何よりも大事な半地下の父親。甲斐性はバツグンだが、家の事は人任せの豪邸の父親。
「でも愛してるんですよね?奥さんのこと」
半地下の父親が豪邸の父親にそう問いかけるシーンが2度ほどあり、そのどちらにも、ややあって「もちろん」と答えています。
少なくとも半地下の父親は疑いというか疑問を持っていたのだと思います。養えているけど距離のある家族、カツカツの生活だけどみんなで食卓を囲む家族。「家族」というものの幸せのあり方について問うシーンであったのかなと思います。
そして最後に殺してしまう訳ですが、大きなきっかけは臭いでした。
半地下の父親から香る匂いを、生乾き、地下鉄、好き放題言ってました。
最終的には地下男の臭いを嫌がるシーンでプツリとキレていたので、自分が悪く言われたことに対してではなく、貧困層に対する差別・侮蔑の様なものと捉えたのではないかと私は思いました。
◾️彼らのその後
殺人を犯してしまった父親は行方知れずとなり、長い年月を経て日常に戻っていく半地下に住む息子。何気なくあの家に向かうとチカチカと光る電気。家の主が変わったこともわかります。
モールス信号を解読し父親が地下に潜んでいることを知り、お金持ちになって家を買い、父親を救う...という妄想でこの物語は終わります。
その夢はきっと叶わないのだろう、私はそう思いました。
◾️【余談】個人的推しポイント
何より私がグッときたポイントはパク・ソダムさん演じる妹、キム・ギジョンのキャラクター性。
心を奪われた人はたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?
タバコを吸う様が絵になり過ぎていてとにかくカッコいい。序盤で偽造書類作ってた時もそうだし、家が浸水した時のトイレの上でタバコ吸うシーンは彼女らしくて素敵でした。
桃に息を吹きかけるシーンの美しさたるや...
地下の男に刺された時もケーキを顔面にただきつけつつ、悪態つきながら倒れたのもかっこよすぎて、一生ついていきたい気持ちです。
◾️最後に
何を訴えかける映画かと考えると、見る人や感情移入するキャラクターによっても違う気がしました。私としては、半地下一家より豪邸一家の方がその後が心配なのです。
大黒柱を失い、騙されやすい奥様は子供2人を抱えて行きていけるのでしょうか?多感なお年頃の娘は自分の好きな人の父親が自分の父親を殺した事をどう思うでしょう?またしてもトラウマを植え付けられてしまった弟は今度はどんな問題を抱えたしまうのでしょう?
この一家きっと、前のような暮らしは出来ないと思うのです。
拙い文章ですが、ここまで読んでいただきありがとうございます!
また映画や漫画、デザインについてもお話ししていく予定ですので、見つけたら読んで頂けると嬉しいです。今年の目標として1ヶ月に1記事と決めてるので頑張ります!(自己満足)
ではまた!
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