フィンランド留学記#14 最悪についてなかった日
留学中、「あの日は本当にアンラッキーだったな」と思い出す日が1日だけある。その日のことは、なんでかはっきり覚えている。
2016年1月27日。
わたしはその日の18時頃から、イベントに参加する予定があった。平和を願って、街中をキャンドルを持ちながら歩く、という内容だったと思う。イベントに参加する前に、洗濯を済ませて、軽く夜ご飯を食べておかなきゃ、と思っていた。
そして悲劇が始まる。
悲劇① 洗濯機を勝手に使われる
当時わたしが住んでいた寮は、100人以上でたった3台の洗濯機を共有していた。そのため、洗濯をしたいときは、ウェブサイトから洗濯機を予約しておく必要があった。
わたしは、外出に十分間に合う時間(たしか、15時くらい)の洗濯機を予約していた。ところが、服を持ってランドリールームへ降りていくと、誰かがわたしの予約した洗濯機2を使っているではないですか!
使っていたのはチェコ人のクラスメイトだった。「わたしが予約してる」と主張しても、「絶対予約しているのはわたし。あなたは間違ってる」と一歩も引かない。争ってもむだだとあきらめて、部屋に戻り、ウェブサイトから別の空き時間を探すことにした。幸い、15:30か16:00で予約することができたけれど、もうこの時点で外出時間のぎりぎりまで洗濯をすることが確定してしまった。
その後、チェコ人から「ごめん明日だった間違えてた!わたしの明日の枠使っていいよ」というメッセージが入る。時すでに遅し。
悲劇② 豚肉を半生で食べちゃう
洗濯機を回している時間にてきぱきと料理をし、有効に時間を使わなければイベントには間に合わない。慌てて豚肉と野菜の炒め物を作って食べていたが、食べている途中で豚肉が半生なことに気づく。気づいてからはもう一度加熱したが、そのときすでに大部分を食べてしまっていた。残りの豚肉を口にいれながら、googleでひたすら「豚肉 半生 大丈夫」を検索し続ける。日本のような先進国では、新鮮な豚肉なら、多少生でも人は死なないとの記述を見つけて、フィンランドでもきっと大丈夫だろうとちょっと安心する。(※豚は怖いので、しっかり加熱してくださいね)
悲劇③ 鍵を部屋のなかに忘れる
半生の豚肉のことで頭がいっぱいになりながら、急いで洗濯物を取り込み、イベントの集合場所に向かう。途中で、鍵を寮の部屋に置いたまま、出てきてしまったことに気がついた。部屋のドアはオートロックで、寮を管理している団体から合鍵を借りる以外に開ける方法はない。夕方、もちろんその団体は営業時間を終了している。フィンランド人Eに鍵を忘れたから今日だけ泊めてとお願いして、イベント中は焦る気持ちをおさえて平和を願った。
悲劇④ 街中で号泣する
Eは泊めてくれたものの、急なお願いだったこともあって、ちょっとイラッとしていたのだろう。タイミング的にも蜜月関係が終わりかけていた頃だった。
翌朝、街の外れにある寮の管理団体に合鍵をもらいにいくとき、一緒に来てくれたのだが、わたしが道を間違えてしまった。そのとき、Eが舌打ちをした。わたしは舌打ちが怖くて苦手なので、「道間違えたくらいで舌打ちしなくてもいいじゃん!怖いじゃん!!」と日本語で怒りながら号泣してしまった。
外国語で怒りながら泣く、外国人を連れて歩くのは相当目立ったと思う。Eも「泣かなくてもいいじゃん!ごめんね!?」と焦っていて、急な客人を泊めてくれたのに悪いことをしたなと反省してます。
こうやって書き起こしてみると、つくづくアンラッキーだったことを実感して面白い。1年留学期間があるうちの、1日くらいはアンラッキーな日があっても、なんとか許せるかもしれない。