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20210812ワークショップ①砂連尾

開催日時:2021年8月12日 13:30~15:30
場所:グレイスヴィルまいづる-東京(Zoomオンライン)
内容:
1.ストレッチ
2.砂連尾さんのポーズを各人絵に描く。
3.砂連尾さんの指先の円の動きを各人絵に描く。
4.砂連尾さんの指の動きをまねて紙に描く。みんなで一枚の紙に描きこむ。一人1分で絵をまわしていく。
5.4で描いた絵のタイトルをみんなにきいていく。

***
砂連尾 理(ダンサー・振付師)

 この日のとつとつダンスワークショップでは、参加者に私の手の動きを画面越しに真似てもらいました。その際、参加者にはペンを持ってもらい用意した紙に私の動きをなぞるように線を描いてもらいました。さらに、その紙を参加者同士で渡しながら、一つの絵にしていきました。

 とつとつダンスワークショップがオンラインワークショップに切り替わり、参加者の老人たちが画面越しの私の動きを真似ることを随分と行ってくれるようになっています。

 この日も、私の動きを真似て動くということは大丈夫でしたし、紙に何かを描くということも出来はしました。ただ、真似ることと同時にそれを紙に描くというのがちょっと難しかったようです。

 まあ、改めて考えみると、真似るという行為と、何か描くという行為を同時進行するのは、老人でなくても確かに難しい作業かもしれません。誰でも動いている時に目の前に紙を差し出されると、動いている動作が一度中断され、そこに“何かを描く”というもう一つ別の意識が働いてしまいます。

 動きとは別に絵を描くという行為が新たに始まってしまうのは当然の反応だと思います。動くことと描くことの同時進行は難しい、そんな当たり前のことが今回のワークから分かりました。

 ただ、このワークをこのままやめてしまうのは、何だかもったいない気がしてしまいます。そこにもう少し工夫を加えれば、“動いていたら絵が生まれたダンス”が出来ないだろうか。むしろそんな思いがムクムクと膨らんできたので、来月も引き続きこの課題をチームとつとつで取り組むことにしました。

 さて、今回もこのレポートを書くにあたり豊平さんが録画・編集してくれていたワークの模様を映像で振り返りました。その記録映像から、グレイスヴィルまいづるのスタッフがワークショップの様子を3台のカメラを使用し送ってくれるといった工夫をしていることがよくわかります。

 それだけではありません。現地の会場では私の様子を映すテレビを2台用意し、それぞれの前で参加者が私の動きや言葉をゆとりを持ってワークに参加出来るような状況を作ってくれていることに改めて気づかされます。

 記録映像を見返すと、ワーク時には気づけなかった会場の参加者のそれぞれの様子がみえてきます。

 私の動きを毎回ひたすら真似してくれているKさん。

 その隣でKさんと同じように動いてくれているYさんの存在。

 画面を一生懸命に見ながら私の動きや顔を描いてくれていたNさん。

 黙々と紙に向かって手を動かしているKさん。

 ただただ画面の私を見てくれているAさん。

 三者三様の参加者の様子を見ながら、それぞれの存在の在り方の豊かさ、その豊かな在り方をきちんと届けようとしてくれているグレースの細やかな工夫もこのワークショップを成立させている大きな力だなとつくづく感じたのでした。


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