55.最強オカン伝説③(札幌雪祭り編)
「もう一回雪まつり見たいわー」
そうオカンが言うので、2019年の雪まつり期間中に来札してもらいました。
2019年の雪まつりは、連日最低気温がマイナス10℃を下回る寒い寒い雪まつりでした。
2019年2月4日の夜、メインとなる大通り会場を案内しました。
その日もマイナス10℃に迫る寒い寒い夜でした。
夜なのでオカンと二人だけで観覧するつもりだったのですが、当時6歳の娘も観に行きたいと言うので3人で行きました。
僕は娘とはぐれないように気をつけながら、一眼レフカメラで大雪像を撮っていました。
一方、おかんはタブレット端末で大雪像を撮影していました。
4つくらい大雪像を見終えた時に、僕も、娘も、オカンが側にいないことに気づきました。
撮影に夢中になってはぐれたに違いないと思いました。
すぐに電話してみましたが、繋がりませんでした。
きっとオカンは僕らを探しているに違いないから、下手に動くよりその場にいた方が良いと思い、携帯を気にかけながら10分くらいその場にいました。
オカンは現れないし、折り返しの電話もありませんでした。
娘が寒さで震えだしたので、前に進むことにしました。
きっと最後の大雪像を見終えるまでに折り返しの電話があるだろうと思って。
ところが、電話はありませんでした。
再度電話をしてみましたが、やはり繋がりません。
もう一度雪まつりを見たいと切望して来札していたので、携帯の着信にも気づかず夢中になって雪像を観賞しているのだろうと思いました。
娘が寒さに耐えられるのも限界に近付いていると感じ、先に帰ることにしました。
自宅の玄関を開けると2階のリビングから
「おかえりー」
が聞こえて来ました。
一人ではなく、二人分の。
階段を駆け上がると、こたつでプリンを食べるオカンがそこにいました。
オカン:えらいゆっくりやったねー
僕:いや、ちゃうやろ!
はぐれたオカンを捜しとったんやっちゅうねん!
はぐれたらそれぞれで帰るって打ち合わせしてへんぞ!
なんで先帰ってんねん!
って言うか、着信何回もあったやろ!?
オカン:あったなー
僕:あったなーちゃうやろ!
捜してるって思わんか、普通!
折り返せよ!
オカン:それはしっつれいしました
年を重ねるごとにオカンの行動が読めなくなってきました。
そんなオカンとまた旅に出るのですが。
何かが起きるかもしれません・・・
(つづく)
次のはなし
56.思い出深いお客様③
https://note.com/totoro0129/n/n600f7f76a2a6
<0.プロローグと目次>
https://note.com/totoro0129/n/n02a6e2bda09f
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