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Totopia Breweryの事、再開します。
再開
しばらくの間お休みしてた「文字をに起こす」という作業をまた再開することにしました。
これまではブルワリーが始まる前の大体4年間はこうやって頭の中の事や出来事を毎月ZINEという形で冊子にして、デザインを付けて文字にしていました。再開するにあたり一つ悩んだことは、どうやってこの文字をリリースさせるかです。要するにこれまで通り、冊子で配布していくか、もしくはこのnoteとかに書いていくか。それぞれ長所短所があったりするんでどっちいっても正解と不正解かとは思います。
今ここで読んでもらってるのでnoteにしたという事です。
理由は三つあります。
一つ目はZINEは共作であったという事です。僕が文字を書いて、妻がデザインをする。世の中にあるほとんどの創作物はこのデザインなしでは誰の手にも取ってもらう事はないと思っています。
デザインをしていた妻が今はビールのデザインでほぼ毎日創作し続けている為、物理的にそこに時間が割けなくなりました。
二つ目はタイムラグです。ほぼ毎週ビールをリリースする中で自分の事を文字に起こすのにZINEで冊子を作っていてはビールのリリースと大きなタイムラグが起きてしまうのです。
三つ目の最後はシンプルですが、コミニケーションが取りたいと思った事です。
これまでのZINEではちょっと文通っぽいというか(それがよかったのですが)、アウトプットした後は次のアウトプットに移行してる感覚があって、そこをもう少し立ち止まる瞬間があってもいいなと、そこに肝があったりしそうな感じがあります。
とはいっても何よりビール飲みながら読むみたいなついでぐらいがちょうどよいです。それがもしTotopiaのビールだったら少しだけ味以外の楽しみも感じてもらえるとおもいます。それではお久しぶりです。
宜しくお願いします。
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-選択-
ブルワリーが始まったここ1年ぐらいは目まぐるしく毎日が過ぎていって、特にちょうど1年前あたりは昨日のアイデアを明後日にはぶち壊すような日々で、自分たちがどういう道を進んでいけばいいのかもよくわからない状態にありました。
きっと多分多くのブルワリーがぶつかる所かと思いますが、限られた時間と人と資金の中でどこまでを必要としてどこまでを先延ばしにしていくかの選択の連続です。そしてこの選択の数々がそのブルワリーの方向性やスタイルをかたどっていくんだと思います。要するに自分達のイメージをそのまま手に取ってくれる人達に理解してもらうことは、特にこの始まりの瞬間はなかなか難しいと感じます。
きっと世界観とはそういうものだと思ってます。
作るものではなく、そうなるもの。それは瞬間瞬間の選択がそうさせるのかなと。
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僕らがいる愛知県にも今年6〜8件ほど新しいブルワリーが始まります。そのほとんどがブルーパブスタイルで300L前後の小規模タンクを使って様々なビールを醸造します。そこでは料理も提供されて、美味しい料理とそこで醸造されたビールを楽しむ事ができてこれまでにこのエリアではなかった体験ができる場が増えるという事です。
おそらくこの体験こそがブルーパブのコアな部分で、ビールの世界に限らずとも「ここで作ってます」というキラーフレーズは代々絶大な影響力を発揮してきたと思う。何より彼らのストロングポイントは、最初(入店)から最後(退店)までを自分達でデザインできるところにあると思います。
どういう内装で、どういう料理を、どんな音楽と、どんなスタッフがまでを一貫してプロデュースできる。このブルーパブで飲むビールの体験を最大限まで押し上げる事ができます。
そして僕らはというと1200Lのタンクでビールのほとんどは酒屋、ボトルショップ、そして飲食店へ出荷され、ブルーパブとは違いプロデュースができるポイントが少しだけ少ないという事です。だからこそ自分達のビールにはより強いインパクトが必要で、さらにはこの業界に関わる多くの人たちとの相関関係の下、Totopiaのビールが世に存在しているという事。この辺りは追って少しずつお話していければと思っています。
しかしながら、自分達でハンドルする事にこだわればこだわるほど広がる世界の大きさに限界が出てきます。それはわりと早くそこにぶつかります。ここは僕らは輸入をする事で学んだ事の一つです。
多くの人に知ってもらうという事は、同時に多くの人に伝えてもらうという事でもあるのでした。そこの経験が今の1200Lという規模を決定させた一つの理由です。
たったの1年前までは見渡せなかった右も左も前も後ろも今は少しだけ見渡せるようになって、選択の純度も高まってきたように思います。
では。