#44 動画は「3H」戦略で販促に使おう
仕事で動画制作の依頼が増えています。
中でも商品PR動画、求人動画が多い印象です。皆さんも実感として、動画を目にする機会が増えてきていると感じていませんか。つまり動画で販促を行う機会が増えてきているんです。
Youtubeの本動画前に流れるTrueview動画などの所謂インストリーム広告であったり、電車の中で流れるトレイン広告であったり、日々動画を目にする媒体は様々です。お店の店頭や展示会で流す動画も、メディアプレーヤーの小型化などによって気軽に導入できるようになっています。Trueview動画は最初の6秒再生しなければスキップできませんが、それを逆手にとり、今では6秒で終わる「バンパー動画」なる動画も登場しています。
動画の3H戦略とは
これほどまでのたくさんの動画を、分類する方法も多くありますが、ここで動画を3つに分ける1つの考え方を紹介したいと思います。それは「3H」と呼ばれる、「HERO型動画」、「HUB型動画」、「HELP型動画」の3つに分ける戦略的考え方です。
この3つの動画は段階に分けられて、それぞれ作る目的が違います。
「HERO型動画」は潜在顧客をターゲットとして、まずその商品・サービスを知ってもらうために、話題性の高いコンテンツを作り拡散させるのが目的の動画です。よく動画等のコンテンツが「バズる」と言ったりしますが、TVで取り上げられたり、SNSで拡散されることも目的にしています。なので別名「バズ動画」とも言われます。TVCM用の映像の大半もこの動画に分類されます。
「HUB型動画」は見込み客をターゲットとして、商品・サービスの理解&共感を向上させて、見込み客をファン化、リピーター化するのが目的の動画です。ホームセンターのカインズが「CAINZ DIY STYLE」と銘打ち制作してるDIY動画が一番分かりやすい例です。一動画1分もないですが、様々なDIY事例を動画でたくさんアップしてあり、しかも全てカインズ内で手に入る材料で作成することが可能です。DIY好きな人なら、たくさんあるうちの一動画を見ると、続けて何本も見たくなります。そしてひとつでも実際にカインズに足を運び動画の通りに作ることができたら、それはユーザーの成功体験となり、カインズへのファン化、リピーター化が進むようになっています。
「HELP型動画」はリピーターになってくれたユーザーのニーズにピンポイントで必要なものを提供して、「顧客」となってもらうのが目的の動画です。自社サイトにおいて、商品を買ってくれたお客様向けに、取扱説明の動画をアップする企業が増えていますが、これも「HELP型動画」に分類されます。説明書のような「文字」や、電話での問合せに対する「言葉」だけでは、伝わらないニュアンスも動画なら伝えることができます。
動画を作るときは、まずこの3Hのうち、現在どの段階なのか把握しておくことが必要です。売り出したい商品・サービスが、世間に全く知られていないのか、世間の認知度は高いけど売れていないのか、あるいは結構売れて いるのでファンの更なる固定化を図りたいのか…。その段階で、作る動画の内容、動画を流す場所、配信時期等が変わってきます。
5G時代がせまっているからこそ
これから5G(※)が実際に世の中へどんどん広がっていく未来。今より誰でもどこでも動画配信ができるようになっていけば、さらに動画が重要視される時代になっていきます。「誰でも」と言いましたが、世の中に素人コンテンツが増えるほど、プロが作る動画は「これでもか」とクオリティにこだわらなければなりません。ましてそれが販促動画なら、人に見てもらえる魅力がないと大量の動画コンテンツに埋もれてしまいます。
動画は人の感情に訴えかけて、深いエンゲージメント(企業とユーザーのつながりの強さ)を実現するのに長けています。企画屋としては、動画のメリットを最大限に活かすためのコンテンツを考えていかなければなりません。
幸いにして、学生時代に自主制作映画や漫画を制作していた経験を活かして、絵コンテ作成ができるので、今後も動画制作に力をいれて行きたいです。
※5Gとは何ぞや」については、下記の過去エントリをどうぞ。
追記:
今回のイラストは個人的によく考えることを描いてみました。よくテレビで4Kや8KテレビのCMを見ますが、CMに出てくるテレビの画面の映像は、別に普通のテレビで見てもすごくキレイな映像なのが分かります。なら、例えばNHKが8K放送の番組を作ったら、それを8Kテレビに映して、それを4Kや8Kじゃないカメラで撮って、普通にNHKやEテレで放送したら、普段の番組より映像がキレイになるんじゃないかと思うんだけど違うのかなぁ?