本の好み
だいぶ前、友達に「江國香織とかすき。ハラハラしないから」といったら、ひどく驚かれたことがある。
友達いわく「ハラハラするから面白いんでしょ」とのことだ。江國香織がだめなわけじゃないけど、やっぱり物語はハラハラドキドキするから面白いらしい。
でもわたし、ただでさえ日々をお金だったり人間関係だったりにハラハラドキドキさせられているのに、どうして物語の中でもハラハラドキドキせなあかんのだ、と思う。主人公が勘違いしてから回って皆の前で恥じかいてとかもうだめだ。わたしもみじめな気持ちになって消えたくなる。主人公の失敗とか怖くてなるべく見たくない。
江國香織とか、よしもとばななとか、いわゆる現代を書く人たちって、どこか文体が淡々としているから、安心して読める。勿論盛り上がりどころはあるし、展開にびっくりしたりもするけど、読み終わった後に疲れる、ということがない。
漫画もおなじ。弱虫ペダルとか大好きだけど、ハラハラするからめっちゃ元気のあるときにしか読めない。でもペダルはまだ青春!って感じだからいいけど、ウシジマくんとか読んだ暁にはもうだめだ。元気が無いときに読んだら益々自分の今後のことが悲観的に思えるし、元気のあるときに読んだらそれはそれで「せっかく元気だったのにウシジマくんに全部持ってかれた……」ってなる。
だから私は一生西森博之作品と付き合っていきたい。ギャグマンガだし大体悪い奴をボコって終わるからスッキリする。でも多分ハラハラはそんなにしない。とても安心して読める。
お姉ちゃんに死ぬほど読んで欲しいけど、でもお姉ちゃんネカフェでウシジマくん一気読みするタイプだから、多分読んでくれないんだろうなぁ。
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