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優しさに包まれる建築
6月某日、旧帝国ホテルの建築デザイナー、フランク・ロイド・ライトの建築『自由学園 明日館』を見学した際の日記です。
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洋風建築に松
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子供たちに良いものを、という、優しく温かい気持ちが溢れた建築でした。私は今まで、フランク・ロイド・ライトのザ・アールデコなデザインに、爽やかさや冷たさを感じていました。でも、実際に行ってみたら、とても温かい建物でした。壁の黄みベージュがそうさせてるのか、電球の丸みか、庇の低さか、柔らかい大谷石の加工のせいか……
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優しさと温もりに溢れていて、羽仁ご夫妻の思想通り、『学校』よりも『家庭』寄り、けれど他人との共存生活をする場所、というちょっと特殊な空間を見事に支える建築でした。私が通っていた園舎もほのかに感じ、懐かしかったです。古い園舎だったので、もしかしたら参考にしてたかも知れません。
思想を支える建築ってこういうことか、と全身で感じました。
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学園を見学しながら、私の腕からは来る前に付けた、NOSEshopのオリジナル香水、KO-GUのインセンスの香りがしていました。優しく、全てを包みこんでくれるような、暖かな香りです。そして、この香りも私の通っていた園舎を思い出します。
建物からも、腕からも優しさが溢れ出ていて、多幸感でいっぱいになりました。
KO-GUインセンスを迎えるまでを書いた記事です。
素敵な建築物は今までも見て来たし、"本物"の威力や迫力を素人ながらに感じて来ましたが、こんなにも子供たちへの愛情が伝わる暖かな建物は初めてでした。フランク・ロイド・ライトは羽仁ご夫妻の思想に共感して、帝国ホテル建築中という忙しさの最中でも引き受けたとのこと。ご夫妻の目指す方向性に、優れた建築家が加わると、建物がこんなにも強い支えとなるのかとため息が出ました。
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豪快で野性味を感じる勢いのある生け方と
建物とのバランスの取り方が格好いい
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日本の女性ジャーナリストの先駆け、羽仁もと子さん
noteでは何度か話に出していますが、私は黒柳徹子さんのファンです。『窓ぎわのトットちゃん』は人生で一番読んだ本になります。徹子さんが通った、とても自由な学校のトモエ学園も、同じように子供たちへの愛情に溢れた学校で、今回の自由学園を見学して重なるところを感じました。戦争がなかったら、この様な個人の個性を伸ばす学校がもっと広まっていたかも知れないと思うと、本当に口惜しいです。
自由学園とトモエ学園の違うところというと、自由学園は女子教育のため、という思想からスタートしています。女性が生きていくために、自分が自分の人生の経営者となるための教育をしていたのだそう。
例えば、ガスについて授業するときは、ガスはそもそも何処からやってきて、輸送費にいくら掛かって、どのようにしてガス管が家まで引かれていて、何にどれ程使い、いくら掛かるのかを計算する。ラジオの仕組みを習ったら自分たちで組み立てて、ラジオ作る。など、身回りのことから科学、家計など、生活と紐付けて授業していたとのこと。
子供向けと謳われてるものは数あれど、本当に子供の為を思って作られてる物って少なくて、けれど、探せばあるのだと勇気づけられました。子供にこそ、良い物を。それが当たり前の世の中になって欲しいと願いながら、学園を後にしました。
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