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僕らは「良い親」になることをやめた。
※この文章は7000字で、約10分〜15分で読み終わります。もし時間がないなど一気読みが難しい方少しずつでも。目次の見出しをクリックすると続きから読めますので、ぜひご活用ください。
「才能」を見つけるのは親の仕事?
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令和3年9月25日13:29。
僕ら夫婦にとってこの世で一番愛おしくなる人が誕生した。
今その子は、“一瞬”で2歳になった。
その間の子育ては、想像以上に忙しかった。
自分の時間がこんなにないなんて。
朝起きて一番にすることは息子のオムツ替えること。
そこからは「あれ?僕らいつタイムマシンに乗ったっけ?」というくらい、一瞬で時が過ぎる。
「おなかすいたー!」とパジャマを引っ張られながら作るママの朝ご飯。歩き回る息子を頑張って座らせて食べさせる。
子どもに呼ばれ、その都度手を拭いて、また戻っての食器洗い。子どもと遊びながらの洗濯干し。掃除機を奪われ、「お手伝いありがとう」と言いながらもなかなか進まない掃除。
あれ?もうお昼ご飯?
お昼はうどんなどの一品料理。
食べたら、お昼寝の寝かしつけ。
起きて少し遊んだら、夕ごはん。さっきお昼ご飯食べたよね?その間におやつも食べてたよね?
時の早さに少し混乱しつつも、そんなこと考えてる暇もなくお風呂。「風邪ひくよ!」と逃げ回る息子を捕まえてはドライヤーをかける。
お布団で絵本を読んで、子どもよりも先に眠くなり、
結果一緒に寝ちゃう。
あぁ、子どもが寝てから
のんびり好きなYouTube観ようと思ったのに。
そうやって今日も一日が終わる。
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何はともあれ、無事一日一日過ごせてはいるけれど
毎日が早すぎて、もう1週間経った?1ヶ月?◯歳になっちゃった!と、ふと焦るときがある。
日々忙し過ぎて普段はそんなこと考えていないけど
すごくたまにしか思わないけど、スッと立ち止まったときに頭に浮かぶ。
「あれ?僕らは親として息子に何かしてあげれてるかな?」
子どもが一人遊びをしているときに
一瞬スマホを開きインスタのストーリーズをみる。
「今日はアンパンマンミュージアム!」という文字と一緒にママ友とその子ども。
「子どもの誕生日ディズニーきた!」とママインフルエンサー。
どこにも連れて行かなくてごめんね、と胸が少し痛くなる。
特に最近は
「子育てに役立つ声掛け5選!」とか
「おうち知育はコレがおすすめ!」とか
「子どもの才能は3歳までで決まる!」とか
頼んでもない投稿をインスタがおすすめしてくる。
やめてくれ!
でも本当は知ってる。
自分がついそういう投稿をクリックしてしまっているからインスタは興味があると思ってオススメしてくるんだって。
普段は秒で過ぎていく日々を言い訳に、気付かないことにしていた。でもインスタがそんな僕らを見逃さず指摘してくる。
僕らは子どもの将来の土台になることを何も出来ていないかもしれないということを。
何かしてあげたいのに、ダメな親だと落ち込んだ。
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じゃあ、子どもに何をしてあげよう?3歳までに才能が決まるって本当?今2歳4ヶ月。もう遅いのかな?
ネットでいろいろ調べてはみたものの
フラッシュカードやる?クラシック音楽を聴かせる?
知育おもちゃをたくさん買ってあげる?
とりあえず音楽聴かせてみたり、ネットで知育おもちゃ買ってみたりしたけれど、効果があるのかもよく分からない。
そしてやっぱり忙しい子育ての毎日。
音楽を聴かせることさえ頭から抜けて、
「あ、今日音楽聴かせるの忘れた」「あの知育おもちゃはどこにいったっけ?まっいっか」。いつの間にかいつもの生活に戻ってしまった。
子どもの為なのに続かない自分に嫌気がさす。
SNSでは他のママたちがすごい知育をどんどん紹介していて、自分はダメな親だとさらに落ち込んだ。
もし私がこの子の為に何も出来ていないせいで
勉強が苦手になってテストの点数が悪くなったり、
受験失敗したり、いい会社入れなかったり、将来しんどい思いをしたらどうしよう。
何かしてあげようと思う自分。
でも実際何も出来ていない自分。
そしてどんどん時間が過ぎていく焦り。
あぁ、しんど。
「僕ららしい育児」をする決意。
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そんなときパパである僕は
仕事の一環で世界中の子育て本を読むようになった。
世界一幸せなデンマークの子育て本。
ユニセフの調査で世界で一幸せな子どもと発表されたオランダの子育て本。
イギリスの心理療法士が書いたベストセラー本。
幅広くいろんな本を手に取った。
それらには
今の僕らに欠けていた大切な事が書かれていた。
凝り固まっていた僕の“子育ての常識”を壊してくれた。
そのことを僕は妻のきょきょさんに伝えた。
きょきょさんも真剣に受け止めていた。
そして2人で決めた。
「知育とか才能とかそういうの考えるのやめよう」
3歳までに才能が決まる?
脳は6歳までに90%、12歳までに100%完成する?
そんなこと気にしないことに決めた。
するとめちゃくちゃ気持ちが軽くなった。
そして、子育てが楽しくなった。子どもとの時間がより愛おしくなった。
何もしていない自分への罪悪感?プレッシャー?
そんなものいつの間にかなくなっていた。
あの人はもう娘に英語を聴かせてる。
あの人は息子にもう足し算教えてる。
あの子はもうピアノが弾ける。
あの子はもう絵本を一人で読んでる。
そんなこと我が子には関係ない。
僕らは、「僕ららしい育児」をすることに決めた。
この文章の感想をいただきました。
ありがとうございます。
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