最高の喜び 17 全く不本意!
サァ、始まりましたあたしとげんちゃんの結婚式。
仲人は、あたしの伯父夫婦。
母の姉夫婦です。
幼い頃から、よく遊びに行った伯父家。
よく覚えてる記憶がある。
幼稚園の頃、その時淡路島の洲本に住んでいた伯父の所へ遊びに行った時
家の近くに、大きなコンクリートの円筒の溜池があり、妹と二人、その横で、玩具のスコップと、バケツで、お砂遊びしてた。
ふと、溜池を覗くと、水面に金魚が泳いでるのが見える。
わっ、まぁちゃん(双子の妹の名前).金魚や!
あっ、ホンマ!
捕まえよか?
うんうん、捕まえて!
コンクリートのヘリに身体を乗せて、グイッと手を伸ばして、スコップで、すくおうとしたら、スィッと、金魚は逃げていく。
あー、あかんなー、もっと手を伸ばしたらいけるんちゃう?
まぁちゃん、あたしの手を繋いどいて!
はぁーい!
身体を乗り出して、スコップを精一杯伸ばして、片方の手を握ってもらってたけど、多分、あたしの体重を支えきれなくなったんやろな、
あっと言う間に、その溜池の中に吸い込まれるように落ちた。
あたしの記憶では、一度、底まで落ちて、上を見上げたら、キラキラと、水面が綺麗で、水の中にから、ぼんやりと妹の姿が見えて
あそこに行かなくっちゃ!と思った事と、何故か、息が出来ない筈なのに、全く苦しくなかった事を、よく覚えてる。
底をポーンと蹴ったら、妹が、うまいことあたしの手を掴んでくれた。
2人で力を合わせて、なんとか溜池から出る事が出来たけど、新しい白のブラウスに、細かーいちっこい虫が、ビッシリ付いていて、
あー、お母ちゃんに怒られる!
これしか頭になく、夕方まで2人で一匹づつ取ってたけど、中々上手くいかずに、2人してシクシク泣き始め、その時、その伯父に発見された。大きな看板の後ろで泣いてた。見つからないように。
大丈夫か!!
お母ちゃんに怒られる。
怒られへん、怒られへん!良かった無事やってんな。えっ、濡れてるやんか、まさか、あそこに落ちたんか!
うん、ごめんなさい。
そう言いながら泣いてた。
家に帰り着くと、うちの母も、伯母も伯父も、必死に探してたらしく。
母は叱らなかった。
水死事故になる所だったと、泣いていた。
建設省に勤めていた伯父は直ぐに、すべての溜池にネットを張り、事故防止をしたらしい。
3mの深さの溜池、助かったのは奇跡的やと、
死なずにいて良かった、良かったと、伯父はあたし達を、抱き締めてくれてた。
その伯父が、仲人さん!
(話し長っ!)
朝から緊張していた伯父は、教会に来る前に、気持ちを落ち着かせる為、途中で、伯母がゆうには、かなりの量お酒を飲んできたらしく、いくら飲んでも酔わへんなーと。
いやいや、すっかり出来上がっとるよ!
ってか、ベロベロやん!か!
そこから、御陽気の仲人の伯父は
まず、
①前回書いた「かっこわるぅーー!」と、花嫁と花婿への第一声!
②お酒などを持ってきてくれる中居さんのお尻を触りまくる。
③げんちゃんの友人のスピーチの途中、大声で、「いつまでやってんのん!」と叫ぶ。
④げんちゃんのお父さんへ、「もっと、金出したれや!」の暴言
スピーチで、違う伯父が
大輪の花が咲きました‼️きっと、花嫁の父も、あの世から喜んでいる事でしょう!
との嬉しい言葉も、あたしの中では、空回りをし、
あたしの隣の伯母は、下を向いて、目を瞑ってるし、
おばちゃん!!止めてや、おっちゃんを!
なんとかしてや!頼む!あなたしかおれへんやん!
と、ただただ、心の中で叫んでた。
何度も隣の伯母の顔見ても、下向いて目を瞑ってる。
大好きな伯父……。なはず?やのに。
高島田のせいか?このせいか?
ズキズキと、頭痛が始まり、その他の流れはあんまし、っと言うか、覚えていたくないという思いか、覚えてない。
最後、金屏の前で、皆さんを見送る際、
げんちゃんのお兄さんと、伯父が、掴み合いの喧嘩になりそうになり。
もうもう!!
なにもかも!
わやくちゃやっ!
プロの人に撮って頂いた結婚式を、2度と見ることはない。
新婚旅行から、帰って来た2人を待ち受けていたのは、母の落ち込みが、激しく
どうしたん?母さん!
聞くと、仲人夫婦から、あんなに迷惑かけたから、もうこれから付き合いは出来ないと、申し出があったらしく、
悪いけど、げんちゃんと、ようちゃんで、取り成してもらえへんやろ?か?
全く全く不本意です!
あたしらに謝りに来るべき所やろ!
普通、そうやん。やのに、
げんちゃん、流石でした。
分かりました、お母さん、2人で行ってきます
と、なんでやねん!と、心の中で思いながら
2人して、新婚旅行のお土産を持って、取り成しに行ったのは、言うまでもありません。
マジに不本意な、結婚式やった
何もかも!無茶苦茶や!
前途多難ヤーー〜!なー。
フゥ、ほんまにお金つこて、気ーつこて!
疲れました。
長い話、読んで頂きありがとうございました。