最高の喜び 9 そりゃそうやん!
今考えると、げんちゃんに、ちゃんと結婚する事を約束した記憶はないんやけど、あの、パチンっと、パズルのワンピースをはめてもらって以来、阿吽の呼吸みたく、心がピタッと、なってた。
母に
「母さん、あたし決めてん。げんちゃんと結婚するわ!」
「そうか、げんちゃんやったら大丈夫やろな、せやけどな、ようちゃん、若いうちはええけど、歳離れてるぶん、ようちゃんが50歳の時やったら、まだげんちゃん42歳や、そこだけ母さん気になるけどな。」
「他の女の人に?って事言うてるん?」
「………。」
「そりゃ、わからんわ。あるとも、ないとも。せやけどさ、そんなん言うたらあたしより年上の人でも、する人はするし、せーへん人は、って事やもん。そんな先のこと、考えてへん。そこらへんのこと、あたしさ、全く気になれへんねん、なんでかわからんけど。もし、って時はその時にはその時の絵を描いてくわ。
結婚自体をせーへんとおもてたのに、結婚したい人が出来ただけでも、凄いことやん(笑)」
「せやな。」
と、あっさりと、納得してくれた母
「で、いつ頃結婚しよとおもてんのん?私の段取りもあるし。」
「いつってまだ決めてへん。段取りって?なに?」
「だって結婚となったら、ここを出ていくやろ?その段取りや。」
「あっそうか!と言うところやけど、あんな、ここで母さんと3人で住む事にしてん。かめへん?迷惑かけんように頑張るから。」
「えっ!……。」
「あ...あかん...のん?迷惑?」
母、しばらく黙って下を向いてた。
あちゃーー、あかんのか?母を置いて出られへんとおもてたのは、あたしの勘違いやったんか。あたしがそうしたいと思ってただけなんか。
そして、下向いてた母が、顔を上げると、目にいっぱい涙たまっててん。
「出て行かへんのん!ここで一緒に.....暮らせんのん....。ありがとう、ようちゃん、いつか出ていくと覚悟せなとおもてたけど、そう、一緒に暮らせんのん。」
あーーーよかった❗️
ミッションクリア〜や!
2人で泣きながら笑った。
父は小学生の時から入退院繰り返してて、明日の米にも困ることもあったよなー。
父が入院してた時、ずっと付き添いしてた母は自分のご飯のお金がなくて、食事の時間の時は、病室を出て、洗濯しに行ったり、父に心配かけんようにしてた事しってたよー。
親戚のおばちゃんのとこへお金借りに行ってたのも、大きくなってから知ったりもしてた。
付き添い以外は朝の早よから、夜遅くまで、土日も仕事行ってたよなー。
ありがとう、母さん。
ここから、あたしとげんちゃん、ずっと母さんの側におるから、3人で暮らそ!
そう思うだけで、涙が止まらんなった。
母が嬉しそうにしてるだけで、幸せやった。
げんちゃんにも、ホンマにありがとうって。
全部をあたしの丸ごと全部を、引き受けてくれるげんちゃんには、感謝しかないなーーと、心からそう思ってん。
さて、これから、難関突破せなあかん!
あの厳格なげんちゃんのお父さんの説得や!
せやけどさ、まだげんちゃん、九州には言うてへんねんやろな?
「あ、もしもし、げんちゃん、今電話しようとおもててん。あんな、聞きたいんやけど、結婚の事、九州のお父さんとお母さんに話した?」
「うん、話したよ。」
あら!早!!
「それで、明日日曜日やから、明日出れる?」
「うん、大丈夫。映画?買い物?」
「違うねん、明日、従兄弟とご飯一緒に食べなあかんなった。」
「ふぅーん、ええよ別に、急にどしたん?」
「唯一、大阪で働いてる従兄弟やねん。でな、気分悪くせんといてな、親父がな、その女の人に会ってきてくれと、頼まれたらしくてな。」
アーー、そう言うことか。
そう来るよな、そりゃそうやん。
キタキタ!!っておもた。
「全然かめへんよ。気分悪くなんかなれへんよ。(笑)当たり前やん、心配しはるの当然やし、それにあたし、わかる!大阪で年上の女に上手いこと言われて、騙されてる!かもって。
入社したばっかりの息子やもん、不安やって!」
「わし、騙されてない!!!」
「知っとるよ!あんなに求婚されまくってんから!(笑)」
あたしが笑うと、げんちゃんますますムキになってたけど、あたしは、笑わないと明日の食事会?面談?面接?とにかく、ドキドキしそうやった。
でもな、もう決めたし、覚悟したから
ドーーンとこい!
ホンマ?大分緊張するけど、明日!
まず第一歩を踏み出すんだー〜!
げんちゃん、頑張ろ。
こっちは大丈夫やから。
女は度胸!男は愛機!やで!
ではでは