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【ブレスラチェイン】デドダム確定サーチで新たな次元へ。次環境のTier1か。

 こんにちは。とと (@to_to_0121) です。最近は中途半端なビートデッキがファイアーバードの下位互換に成り下がる苦しみを背負いながらファンデッキを日々研究しています。ただ、本日の紹介デッキはかなりガチです。

 本日紹介するのは王道篇第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」で強化される【ブレスラチェイン】。ファイアーバードの台頭で立ち位置が悪かったこのデッキ、なんと新弾の強化により相性関係がひっくり返りました。


デッキリスト

動き方の解説

ブレスラチェインとは?

 まずは基本のおさらいです。【ブレスラチェイン】というデッキ名は、もともとウスラトンカチさんが考えたものでした。

 条件達成時の<ブレインスラッシュ>を<ザーディクリカ>の効果で次々と打つことで、最終的には<神の試練>のよるフィニッシュを目指すデッキです。

 その後、<ナウオアネバー><神の試練>といった主要パーツの殿堂入りを経て一度は環境から姿を消しました。もとのザーディクリカ型をリペアした構築もときどき入賞していましたが、今年の4月にもう一つのブレスラチェインが姿を現しました。それが【サイクリカ型ブレスラチェイン】です。

フィニッシュルート

 このデッキはループはしません。そのため、コンボが始動してからは常にアドリブで行動する必要があります。といっても、基本はとても単純です。
 ブレインスラッシュを次々と打つ行為のことを「チェイン」と呼んで解説していきます。

 チェイン始動条件 : 水闇条件を達成した状態で<ブレインスラッシュ>を打つ。

 盤面に水と闇のカードをそろえる必要があります。<デドダム>を置いてから始動するか、<Disアイチョイス>の効果で唱えることでそのまま始動するかの2パターンが基本です。

 チェイン継続条件 : <ブレインスラッシュ>の効果で<サイクリカ>または<マーシャルクロウラー>を蘇生する。

 <サイクリカ>は墓地から、<マーシャルクロウラー>は手札から<ブレインスラッシュ>を打つことができます。<サイクリカ>で打った<ブレインスラッシュ>は手札に戻ってくるので、<サイクリカ><マーシャルクロウラー>を交互に出すことができます。

 また、<マーシャルクロウラー>は手札および回収した盾から好きな数のS・トリガーが打てるカードです。<ブレインスラッシュ>が複数枚あればすべて打つことができます。

 フィニッシュ条件 : <アレフティナ>が盤面にいる状態で<マーシャルクロウラー>の効果を起動し、盾を10枚以上にする。

 <アレフティナ>は常在効果なので、<マーシャルクロウラー>の効果で一瞬盾が10枚以上になれば、その瞬間勝利します。<アレフティナ>を出してから<マーシャルクロウラー>を出す必要がある都合、<マーシャルクロウラー>の効果で<ブレインスラッシュ>を一度に複数枚唱えた上で、<アレフティナ>ともう1体の<マーシャルクロウラー>を出し直すような動きをする場合が多いです。

これまでの構築との差異

 新弾で追加されたのは、<ヨビニオン・マルル><スカイソード>の2種類です。この2種類により今まで不可能だったことがいくつも可能になりました。

ヨビニオン・マルル

 ヨビニオン能力によってデッキから出てくるのは、確定で<デドダム>になります。2コストブーストからこのカードに繋げるルートが増えたことで、4ターン目までに6マナを貯めつつ盤面に水と闇をそろえる安定性が大幅に増しました。

 しかしキル速度以上に実感として強いのが、相手からのハンデスやメタによる妨害に強くなったということです。<ヨビニオン・マルル>が通ると<デドダム>と自身の効果で手札を増やすことができます。これにより<ブレインスラッシュ>と<サイクリカ><マーシャルクロウラー>だけでなく、<5000VT>を余裕をもって抱えることができます。

今までも<デドダム>を経由すれば可能でしたが、それが4枚増えた (しかも<デドダム>を直接出すより強い) のは非常に大きいです。

 <5000VT>を抱えられていない状況でも、2枚目の<デドダム><ヨビニオン・マルル>から探しに行けるケースが多いのも強みです。<ヨビニオン・マルル>1枚で、(効果で出る<デドダム>と併せて) 山を4枚見れるため、探しに行く能力が高いのはもちろんですが、盤面に2体出しつつアンタップで1マナ伸びるので、<5000VT>の召喚コストを実質+1するだけで<ヨビニオン・マルル>をプレイできる計算になる点も、非常に相性がよいです。

 ハンデスに関しては、今警戒すべきは<ハンプティ・ルピア>によるピーピングハンデス。

 今までのブレスラチェインでは、特にデドダムが絡まない場合「<ブレインスラッシュ>または<Disアイチョイス>」と「<サイクリカ>または<マーシャルクロウラー>」を抱えるので手一杯だったので、<ハンプティ・ルピア>で「<ブレインスラッシュ>または<Disアイチョイス>」の方を抜かれると非常に厳しかったのですが、デドダムのプレイが安定することでこの問題を大きく改善できました。特に<ヨビニオン・マルル>を先攻3ターン目にプレイした場合は手札が4枚残るので、キーカードのほかに<5000VT>や後続の<デドダム><ヨビニオン・マルル>を抱えることまでできることがあり、非常に安定した勝利を得ることができます。

スカイソード

 2コストブーストから動く基盤を採用する場合、「自然カードの枚数」「単色カードの枚数」が非常にシビアになってしまうという問題点があります。特に【ブレスラチェイン】では<デドダム><Disアイチョイス><ブレインスラッシュ>が確定枠、<地龍神の魔陣>も2コストブーストの中では外せないとなると、多色がすでに16枚取られてしまいます。その上フィニッシュパーツの<マーシャルクロウラー><サイクリカ>は水文明ですから、自然文明の確保にも決して余裕があるわけではありません。つまるところ、自然単色で役割を持てるカードを欲していたのです。

 (ちなみにこれまでは渋々<ディスタスゲート>を採用していました。2コストブーストの安定性を落とす代わりに、一度タップインしても5コスト始動の目を作れるようにしていたわけです。)

光文明を5~6枚しか取れないので、手打ちもあまりできない

 そして<スカイソード>には明確にデッキ内で役割があります。それは「マナに落ちたチェインパーツ・フィニッシュパーツの踏み倒し」です。

 今まではマナゾーンに<アレフティナ>を置いても最終的に盤面に出せるよう、<ダンディ・ライフ>を採用する必要がありました。

 初動として60点くらいの役割を持つので比較的マシな部類ではあるものの、積極的に採用したいカードではありませんでした。

 反面、<スカイソード>はマナ落ちケアの役割を持ちつつ、最低限1面止める受けになりつつ、ゲーム終盤にはマナから<Disアイチョイス>を踏み倒してそのままゲームを終わらせる即死トリガーになれるという、とんでもなく強力なカードとなっています。

 ほかにも、10マナ貯めて出す、あるいは<Disアイチョイス>や<マーシャルクロウラー>から踏み倒すことで<H・アルカディアス><ガルラガンザーク>といった呪文が効かないメタクリーチャーを突破しながらそのまま勝てるなど、今までできなかったことをいくつも可能にしてくれました。

 以上の強化により、個人的にはTier1間違いないくらいのデッキパワーの獲得に成功しました。

4キル率,5キル率の変化

 旧構築では4キル率が35%~40%で統計が推移していましたが、新構築では40~45%で推移しています。4キル率は5%程度の改善にとどまっています。今回の強化は速度面より、対応力の面の改善が大きいですね。

各カードの採用枚数と理由

 採用意図が分かりにくそうなものだけピックアップしてお伝えします。

<フェアリーライフ>

 4コストの<ヨビニオン・マルル>に繋げる関係上、2コスト初動は合計8枚以上取りたかったため、4枚採用しています。その上で<フェアリーReライフ>ではなくこちらを採用したのは、チェイン中に<マーシャルクロウラー>から唱えることでマナを伸ばし、同じくチェイン中に出せる<スカイソード>の踏み倒し範囲を広げることにあります。マナに落ちた<サイクリカ><マーシャルクロウラー>を出すためには必須のテクニックです。
 また、環境的に殴るデッキがファイアーバードくらいしかおらず、そのファイアーバードにもGSが有効になるタイミングはバルピアレスクが殴る前までと非常に限定的であり、<フェアリーReライフ>側のうまみが少ないのも大きな理由です。

比較対象

<ブルーインパルス>

高いけど今の環境には要るので…

 受け札としての採用はもちろんですが、盤面に出した<サイクリカ><マーシャルクロウラー><スカイソード>を手札に戻す手段を用意することで、2枚目以降が山下に固まってしまう場合の「詰み」を無くすことができます。
 自分側のチェインの安定性だけを考えるならば<サイクリカ><マーシャルクロウラー>の4枚目を入れた方がよいのですが、受け札としての役割や【ドリームメイト】対面での上面の使用を考慮し、こちらを2枚採用しています。

<フミビロム>

 このデッキは盤面に水闇を揃えなけばチェインが始動できません。そのため、<デドダム><Disアイチョイス>だけに依存すると、相手に<5000VT>を出された返しのターンは確実にチェインを始動することができません。素のパワーが6000ある<フミビロム>はその返しとして有効なカードの一つです。ジャストダイバー持ちであるため処理が難しく、盾の<ブレインスラッシュ>がほぼ確定で有効トリガーになるのも大きいです。
 特殊な除去である「相手クリーチャー1体をもう1体の下に重ねる」という能力も普段使いとして悪くなく、<complex>や<ペルフェクト>といった除去できないクリーチャーさえも処理できるのは強力です。
 <complex>系のデッキや<5000VT>を連打できるデッキ (具体的に言うと【青黒complex】) が増えるようであれば2枚積んでも悪くなさそうです。

環境デッキへの勝率と立ち回り

 各対面、先攻後攻5戦ずつの対戦結果を基にした分析になります。勝率面はあまり信頼できるとはいえませんが、大まかな有利不利や立ち回りの参考になればと思います。

【ファイアーバード】

 戦績 : 5勝5敗
 構築が2枚違いのときに15勝5敗してるので、母数を増やせば有利側に傾きそうです。
 <ポッピ冠ラッキー><ハンプティルピア>の両択を迫られるため、<5000VT>もしくはそれを探せるカードと、チェインを始動できる<ブレインスラッシュ>または<Disアイチョイス>の両方を抱えながらプレイするのが理想です。

 旧構築では<デドダム>をプレイできなければ土俵にも上がれなかったところですが、新構築では<ヨビニオン・マルル>が追加されたことでハンドキープに大きな余裕が生まれるようになりました。
 こうなると【ファイアーバード】側は<ハッタールピア>からワンショットを狙う方が勝ち筋が太いのですが、仮にそのルートを取れても盤面に<デドダム>がいれば<ブレインスラッシュ>込み13枚の受け札が立ちはだかるので、どこかで止まってチェインが通る、あるいは<5000VT>から刺し返す展開に持ち込める試合が多かったです。
 総じて有利とは思うのですが、<ハッタールピア>からのルートでそのまま負けることも全然あります。<バルピアレスク>の攻撃前に何らかのトリガーを踏めることを祈りましょう。道中で<ポッピ冠ラッキー>とともに<アシステスト・インコッピ>が並ぶと、<5000VT><スカイソード>いずれか1枚だけでは突破できなくなりかなり厳しくなることもあります。

【青黒complex】

 戦績 : 7勝3敗
 <フミビロム>の採用枚数が0枚なら五分、1枚なら有利、2枚ならほぼ負けないといった感覚です。
 基本的には相手は<シャッフ>宣言6をしながらのビートダウンを仕掛けてきますが、それを<5000VT>もしくは<スカイソード>で処理していなしていくゲームになります。


 ただし、相手側の<5000VT>によってこちらのリーサルをずらされてしまうことで殴り切られる場合があります。このような状況を打開できるのが、素のパワーが6000ある<フミビロム>というわけです。
 <5000VT>を越えての勝ちを狙う場合、<スカイソード>に頼らずに勝ち切る必要があるため、特に<アレフティナ>をマナに置くかは慎重に考えた方がいいです。

【ドリームメイト】

 戦績 : 4勝6敗 (当時構築1枚違い)
 先攻有利が特に大きいマッチアップです。<5000VT>を通すことができればほぼ勝ちなのですが、最近の【ドリームメイト】には<ベイBセガーレ>が採用されており、8マナまで伸ばすか相手の<ベイBセガーレ>の枚数以上に<5000VT>を引き込む必要があります。基本的には先攻では前者のルートを、後攻では後者のルートを狙うことになります。
 相手の盤面が並び<ブルーインパルス>の踏み倒しができれば、相手の<ベイBセガーレ>を1つ消費させることができます。こちらも意識してプレイしましょう。

 <ヴィヤンドゥ>でこちらの<デドダム>は処理されてしまう可能性があるので、手札に2枚目以降の<デドダム><ヨビニオン・マルル>もしくは<Disアイチョイス>から入れるルートの確保も大切です。

【青白天門】

 戦績 : 7勝3敗
 天門側には<H・アルカディアス><ゲンムエンペラー><ペルフェクト>という3種のロック能力持ちクリーチャーが採用されています。すべて揃うとかなり厳しいですが、1体ずつならば対処は容易です。

 <H・アルカディアス>に対しては、ジャストダイバーが切れてから<スカイソード>の効果でマナに送りつつそのまま<Disアイチョイス>を踏み倒しチェインに入るルートが最も圧力になります。そのためにはマナを10マナまで伸ばすか、手札にもう1枚の<Disアイチョイス>または<マーシャルクロウラー>を抱えることで<スカイソード>の踏み倒しから入る必要があります。ジャストダイバーが残っていて処理ができないターンのうちに<デドダム><ヨビニオン・マルル>からリソースを確保しましょう。

 <ゲンムエンペラー>はチェインそのものは咎めないため、チェイン中に<スカイソード><ブルーインパルス(下面)>を<マーシャルクロウラー>から使うことで<ゲンムエンペラー>を除去して<アレフティナ>で勝つことができます。最も拘束力は低いですが、リソースを得るためのカードは止めてくるので他のロッククリーチャーと一緒に並ぶと厄介です。

 <ペルフェクト>に対しては、一応<フミビロム>で除去できるものの、基本的には<アレフティナ>を出して一度ターンを返し、次のターンに<マーシャルクロウラー>を出してEXWINを狙うのが有効です。既存の【青白天門】側に入るカードで<アレフティナ>を除去する手段は<ブルーインパルス(下面)>と<カンビアーレ>によるタップキルくらいしかなく、後者は採用されても1枚程度なので、<アレフティナ>を置いておく裏目はかなり少ないです。

 ちなみに、<アレフティナ>が残った状態でターンが返れば、3種すべてのロック能力持ちクリーチャーがいても<スカイソード>で<ゲンムエンペラー>を除去しながら<マーシャルクロウラー>を出すとゲームに勝ちます。
 ターンを跨いだEXWINを狙う場合、当然手札と盾が合計10枚必要になるため、リソース管理 (特にマナにカードを埋め過ぎないようにする) には気を配りましょう。

終わりに

 新弾を経て新たな次元に到達した【ブレスラチェイン】。メタを超える力が高くカード単位での対策が難しいことと、4キルによる上振れが悪くない精度で行えることから、Tier1に行っても何ら不思議ではないデッキだと思っています。皆さんも是非触ってみてください。

 ところでこのデッキ、<ブラックビッグバン>のような雑なLO対策が入っていません。山が3枚以下でアレフティナがマナにも墓地にも無い状況だと、アレフティナを出せずにターンを返す羽目になってしまいます。どうしようもないパターンはありますが、細かいプレイングで可能な限りケアしていくことが必要になってきます。
 有料パートでは、そんなケアの仕方に関する練習問題を2問用意させていただきました。よろしければ最後までお付き合いください。

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