新クトゥルフ神話TRPG 『悪霊の家』 追加テキスト
こんばんは。鶏(Kei)と申します。
去年の12月頃から詩を毎日投稿しているものです。
このようなブログ形式の記事はあげたことがなく、そのうち自己紹介もしようと思いつつ半年以上経ってしまいました。
今回は、最近興味を持った新クトゥルフ神話TRPGについての記事です。
リプレイ動画から興味を持ち、直ぐにルールブックを買い、ようやく最近友達と初プレイすることができました。PLを一度も経験せずにKPをやりましたが、誘った友達にも楽しんでもらえました。
TRPGについての詳しい説明はまたの機会にと言うことで、
今回は、新クトゥルフ神話TRPG クイックスタート・ルールに載っている「悪霊の家」というシナリオを現代日本設定にするため、少しオリジナルの文章を書いたので、せっかくなら残しておこうと思いまして、記事にしました。
既存のプレイヤーで「悪霊の家」をやっていない人はいないでしょうが、布教の際などに是非使っていただきたいなと思います。
変更点
・分かりやすさ重視のため、コービット邸へ行くまでの探索箇所を新聞社と屋敷周辺での聞き込みに限定(それ以外の探索箇所で出るはずの情報をテキスト情報で保管した形です)
・マカリオ一家を真壁一家というようにNPCを日本人に直す。
・???(ウォルター・コービット)の日記は探索者が英語技能を持っていない場合、日本語で書かれていることにする。
・板が貼り付けられた食器棚がある物置き部屋には南京錠で鍵をかけ、その鍵は両親の寝室に置く。(重要な情報が後半に出るようにするため)
【新聞社の未発表記事】
件の屋敷に住んでいた3組の家族についてまとめられたものである。
・1990年にフランス人の一家が入居。この一家は不運が続き数年後に帰国している。
・2000年に日本人の一家が転居。程なくして主人が病魔に襲われ寝たきりに、妻の介護も虚しく2010年に他界。その後一人息子が発狂し、自殺。妻は田舎へ帰ったようだが、当時のことについては取材を拒否されている。
・2018年に真壁宗一ら四人家族が転居。家が呪われているかもしれないと知人に漏らしていた。家の異変について方々に相談していたようだが解決には向かわなかったようだ。取材が途中で打ち切られた旨で締められている。
(これ以前の入居者については調べることができていないようだ)
【真壁宗一の日記】
G年 C月 D日
記念すべきマイホーム。雰囲気のある洋館がこんなに安値で手に入るとは思わなかった。子供たちも気に入ってくれた様だ。妻はこの雰囲気をあまりよく思っていなかった様だが、最終的には値段と広さで納得してくれた。
C月 F日
物置の一つに前の住人の家財道具が詰まっていた。いや、本当に前の家族のものだろうか。だいぶ古い様にも感じる。子供たちがそこで遊ぶと危ないので鍵を設置することにした。
C月 J日
この家に越してきて1週間。木造でもないのに家鳴りがする。最初は子供たちが遊んでいる音だと思っていたが、誰もいないのに2階から物音がする。そういえばずっと夢見も悪い。ベッドが変わったからだと思っていたが、何か関係があるのかもしれない。
D月 A日
子供たちが黒い獣を見たと言っていた。今度絵に書いて見せてくれるという。まさか夢で見たあいつなのか。
H月 H日
彼には悪いことをした。まさか客人にまで襲いかかるなんて。彼は私がひどい嫌がらせをしたと誤解している。しかしまさか、あんなことは我々家族でも経験したことがない。
I月 D日
ダメだ。耐えられない。一睡もできていない。寝たらあいつがくる。しかし寝なくてもあいつはくる。たえられない。この家はのろわれている。
(以降は日記の程をなしておらず、苦しみと怨嗟が入り混じった嘆きが書き殴られている)
【真壁宗一の日記 (最後のページ)】
K月 T日
霊能力者や心理学者の類を頼ったが、ついにあの人が良くなることはなかった。私ももう限界だ。子供たちは田舎に預けることにした。しかし彼らをインチキだとは思えない。皆一様にこの呪いに理解を示していた。「魔なるものに対抗するには、こちらも魔の力を使うしかない。しかし格が違いすぎる。それこそ敵と同等の力をぶつける他ない。」最後のオカルト学者はそんなことを言っていた。が、そんなことできるはずがない。
(日記はだいぶ飛んで最後のページに一つだけ記述があった。これだけは筆跡が違い、女性を思わせる丸みを帯びた文字だ)
【???の日記】
X月 A日
ようやく念願のものを手に入れた。財も生活も幸福も、何もかもを投げ打ってしまったが致し方無い。私は何かに取り憑かれているのだろう。何の救いにもならない多幸感に満たされている。すでに最初の目的すら失ってしまったというのに。
X月 G日
甘く見ていた。ここに書かれているのは人の夢を叶える方法などではなかった。
X月 H日
素晴らしい。時間だけが足りない。それ以外は全てがここにある。
X月 L日
これまで不安と後悔は波の様に何度も訪れてきた。時間をかけて一つずつページをめくる度、私は私で無くなっていく様な感覚を味わった。いや、すでに人ですらないかもしれない。押し寄せる波よりはるかに強く、私は全能感を感じているのだ。
(ここから先の記述は虫に喰われて断片的にしか読めない 辛うじて読める記述の一部は荒れた筆致だが悍しい儀式や超常的な現象について見て取れる)
【???の日記 続き】
@月 *日
時間が足りない。この本はただ読むだけではダメだ。時間が足りない。生まれながらに人に与えられたわずかな時間では、この本の真実を理解することは到底不可能だ。やるしかない。
$月 +日
かねてより考えていた埋葬の話を教会に取り付けてきた。私の死後、この家は売りに出すことに決まっている。気取られてはいけない。
#月 =日
感づかれた。しかし今の私にとっては些末な問題だ。ただの人間などどうとでもできる。私は地下に篭り、魔導書の真理を読み解く。死して尚。
以上です。日記の日付に関しては時期の設定も自由にできるようにというだけの意味ですので、ちゃんとした数字を入れてもいいと思います。もう少しオドロオドロしくすべきだと思いましたが、シナリオ自体初心者向けのものですし、シナリオ中のフレーバーだけでだいぶ気味悪くできるのであまり凝りませんでした。
オンラインセッションでやる場合は特に、これらを文書データとして渡すことができるので、情報を見返しやすくおすすめです。
今後もたまにTRPG関連の記事を書くかもしれません。
文字起こしリプレイや、オリジナルシナリオも…
明言はしませんが。
それではこれにて。
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