2024年読書&展覧会記録その1

とたまろさんは音楽にしか興味がないとか思ってませんか?違います。

私だって他にも趣味はあります。例えば美味しいご飯を食べるとか快適なマイベッドで11時間睡眠するとか適温のお風呂に浸かりながら「あばぁぁぁぁーーーーー」と見様見真似のビブラートで絶叫するとか。

で、その流れで昔から本を読むのは好きです。(どの流れで?)
自分でも知らないうちに斜め読みを地で行くタイプの子供だったので、中学校の頃の朝礼の後の読書時間にはすごい勢いで手持ちの小説を読みまくって15分で○○ページ!とか記録に書いて「あれ?なんか私の読んだ量他の人より多くね?」と悩んで頭を抱えたりしていたくらいには斜め読みのプロフェッショナルでした。そんなプロなら名乗るな。

そして大人になった今も大体そんな感じで、特に土日は仕事がないしやることもないしで暇を持て余してるので近所の図書館で本を借りてきたり、社会人の財力に物を言わせてKindleで気になる小説を買いまくったりしてると。

それで色々読んでて楽しいな~と思いながら日々過ごしてるわけですけど、脳の容量が小さすぎて読んだ内容を片っ端から忘れていくわけですよ。これはもったいない。
それなのに子供の頃に聴いてた音楽は今でも覚えててカラオケに行っても余裕で歌えるのはどうして。ZARDもELTも喉が覚えてるのかしら。

というわけでせっかく読んだ本の内容を忘れないように備忘録として感想を残しておこうと思ったわけです。題して2024年読書記録!(そのまま)
(2024.5.23追記 読書&展覧会記録に改名。次回からは美術館とかに行った記録も残していこうかと)


来年には2025年読書記録に大変身します。トランスフォームってやつです。
ま、主に読むのは百合ラノベですけどね。では興味があればどうぞ。


VTuberの哲学 / 山野 弘樹

偶然存在を知って手に取った一冊。Vには全然詳しくないけど、これで一冊書籍が書けるってことは何かしら深みがあるに違いないと思った次第。

学の浅い身には難しいなと思う部分もありつつ、序盤の非還元主義の立場から配信者にも虚構存在のいずれにも還元されないという考え方が個人的にはわかりやすくて面白かった。

これを読んで良かったと思う点はどこかと言われると、VTuber楽曲に対する見方が少し変わったことかなと。(結局音楽の話になるのね)
VTuber自身のフィクショナルな部分に目を向けてみると案外曲の聴き方も変わるのかなと思ったり。この人のこういう設定からこういう曲が出てくるんだなーとか。気に入った曲があったら一度くらい配信を見に行ってみようかと思わせてくれた一冊でした。


静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと / 金間 大介 著

一応職場で若者と呼ばれている立場の人間なのに何故管理職向けの本を読んだし、というツッコミはご遠慮ください。というか遠慮しろ。

近年の若者の傾向を読んでいて「そうそうそれ!その通り!」と首を縦にぶんぶん振って同意するところもあれば、「昔の自分ってこうだったよな」と振り返って反省するところもあり、中々身につまされる内容……むむむ……
ちなみに私は積極的にフィードバックが欲しいタイプなので、逆にそうじゃない側の意見が読めたのも面白かった。

これを読んで良かったのは自分の今後の身の振り方を考え直すきっかけになったこと。上司が私に何を求めているのか、自分がどういう道を歩みたいのか、それをしっかり整理して意見交換を続けていかないといけない。そのための第一歩を踏み出せたのは間違いなく本書のおかげ。


ゆるコワ! ~無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる~ / 谷尾 銀 作

ここからは百合ラノベの時間です。みなさん百合作品は好きですか?
私は来世で美少女に転生して美少女と結婚したいと流れ星に願っています。もちろん現世の記憶は要りません。できれば可愛い幼馴染が欲しいです。

ゆるコワ!は元々ネット上で連載されていた(今もされている)作品の書籍化とのこと。ホラー系は苦手だけど「ゆる」「無敵」という言葉を信じて読んでみました。結果、読んでよかった。

ホラーって謎の魅力がありますよね。非日常?ドキドキ感?
それを味わおうにもホラー苦手勢は諦めるしかないんですが、これは主人公二人のサバサバしたメンタルと軽妙なやり口で臆せずすらすら読めてしまった。というかSAN値高すぎでしょ。悪霊をデスメタ扱いってなんだよ。

各章で描かれる心霊現象?にもしっかりとオカルトなりの絡繰りがあって、謎解きミステリーとしても楽しめたのが高評価。私のザコい脳ではさっぱりわからないけど主人公が謎を解いていく様は読んでて面白いんですよね。


転生少女の三ツ星レシピ ~崖っぷち食堂の副料理長、はじめました~ / 深水 紅茶 作

なんとコミカライズ化とのこと!めでたいです。
サーシャさんの知識と機転で様々なピンチをチャンスに変えていく様がなんとも痛快で楽しく読める一冊。

調理中の描写も難しくなりすぎず、料理ド素人が読んでもふむふむと頷きながら追っていける内容。それでいて完成した料理がなんとも美味しそうで!クレープなんかその場で食べたくなったわ。誰か今すぐ買ってきて。

個人的に印象に残ったのはサーシャさんの料理人としての信条。
作家の仕事への矜持みたいなものを読むのが好きなので、それゆえに葛藤する彼女の描写と導き出した結論に思わず涙腺が緩んでしまった次第。


なりすまし聖女様の人生逆転計画 / 片沼 ほとり 著

酒はよくわからんが肉は最高。私の場合はオレンジジュースかな。

なんといってもマリーヌさんの悪知恵が面白すぎた。ここぞというところで軌道修正できる発想と頭の回転の速さに毎回笑わせてもらいました。

そしてなんといっても見どころはアリシアさんとマリーヌさんの関係性。
悪友……と一言で言えば聞こえは悪いものの、実のところはなんだかんだお互いのことを大切に想っている描写が度々垣間見えるのがなんとも憎い。
新進気鋭の作家さんとのことで百合作品が出てくるかどうか楽しみ。


性悪天才幼馴染との勝負に負けて初体験を全部奪われる話 / 犬甘 あんず 作

みかみてれん先生がコメントを寄せていたので読んでみた。これは確かに激重感情ですわね……

自分自信の感情を理解し切れていないように見えるわかばさんと、感情を完璧に制御しまくってる(ように見せている)小牧さんの対照っぷりだからこそ成り立っている絶妙な関係性が魅力的でした。

この関係、そうそう簡単に維持できるものではないからこそ、その中の描写を見逃すまいと読む側も自然と集中していき、作品世界に没頭していくというフィクション体験の良い所を存分に味わえてよかった。


『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる 2 / 笹塔五郎 作

シュリネさんかっけえ!!!
以上です。

それでは流石に感想としてどうかと思うので追記。
とにかく1巻の頃からブレないシュリネさんの護衛としての矜持に背筋が伸びる。的確な判断、確実な仕事っぷり、物事への柔軟性、全てが格好良い。

2巻はそこにプラスして一筋縄ではいかない敵味方の関係性も加わってきてまあ揺れる揺れる。読む側としてはそこに振り回されつつも、やはりブレないシュリネさんの背中があるからこそ落ち着いて読み進められた節がある。

歳を取ってくるとバトルものとか苦手になってくるんだけど、それでも人斬り少女は読み返したくなる不思議な魔力があるんだよなあ。たぶんそれがシュリネさんパワーなのでしょう。

あとは和服少女の刀が性癖的に刺さったのもある。和服いいよね。
やっぱ来世転生する時は和服が似合う黒髪美少女を目指すか……


そんな感じで楽しく読めたことを忘れないように時々書き残していこうと思います。ではまた。