3日目人体最後の2問
人体 問題6 次のうち、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において、自閉スペクトラム症(ASD)と診断するための症状に含まれるものとして、正しい物を1つ選びなさい。
1 同一性への固執
2 精神運動制止
3 陰性症状
4 気分の高揚
5 幻覚
解説のようなもの
DSM-5 はアメリカ精神医学会(APA)が定めてた精神疾患のガイドラインである。現在、精神障害は多元的(ディメンション診断)が使用されており、精神疾患・パーソナリティ障害・発達障害の重症度を診断する。
今回問題になった「自閉症スペクトラム症」は、2013年に、DSMが19年ぶりに改訂された際、従来の自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害などを包括した名称である。これらの障害は相互に関係した障害であるという考えによる。
では、選択肢の中身を見ていこう。
1 同一性への固執 ⇒ これが正解。自閉症スペクトラム症の診断には4つの基準があり、それを満たすことで診断されるが、その中の「限定された反復する様式の行動、興味、活動」に示される特徴に「同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン」とある。
参考:DSM-5における自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)の診断基準
2 精神運動制止 ⇒ 「大うつ病エピソード」
3 陰性症状 ⇒ 陰性症状すなわち感情の平板化、意欲欠如は「統合失調症」
4 気分の高揚 ⇒ 「躁病エピソード」
5 幻覚 ⇒ 「統合失調症」
文中にも書いたけど 正解は 1
DSM-5に関しては出題率かかなり高くなっています。6年分の過去問を解いてみて、「これは必ずチェックだな」と思いました。問題集や解説系のサイトなどを見ると「ここはやっとけ」みたいなことが書いていますが、6年分を解いてみると、自分なりに「ここは絶対見ておこう」という箇所が見えてきます。人に言われてやるよりも、自分で納得して「ここをやろう」そう思えるのでは、実は雲泥の差があるような気がするんです。「内発的」といいましょうか…人の言うことを聞いて、間違ったら「なんだよ」となりますが、自分で納得してやったのなら、反省もできるってもんです。
さて、最後の問題行ってみましょう!
人体 問題7 リハビリテーションに関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 学校教育では行われない。
2 急性期治療を終えてから開始される。
3 補装具の処方による代償的・適応的アプローチは含まれない。
4 介護保険制度によるサービスとしては提供されない
5 将来的な筋力低下が予想される場合の予防的アプローチが含まれる。
解説のようなもの
1⇒ 特別支援学級などの教育の場面で、理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門職等による教育的リハビリテーションが実施されている。
ちなみに、WHOのリハビリテーションの定義でも、「リハビリテーションとは、医学的、社会的、教育的、職業的手段を組み合わせ、かつ相互にに調整して、訓練あるいは再訓練することによって、障がい者の機能的能力を可能な最高レベルに達せしめることであると定義している。
2⇒ 「急性期」とは、症状が急に現れる時期、病気になり始めの時期をいう。急性期治療は症状に応じて、検査や処置が必要となり、手術を行うこともある。いわゆるこれが「急性期治療」に当たる(はず)。医学的リハビリテーションはこの「急性期」にも実施される。内容としては、疾患管理に重点を置き、生活不活発病予防を中心とした訓練になる。期間は発症後2週間から2か月の発症、間もない時期になる。
脳血管障害のリハビリテーションは、急性期のできるだけ早い時期からの実施により、後遺症が軽減できる可能性も高い。
3⇒ 補装具は「身体障がい者の方の日常生活や社会生活の向上を図るために、その失われた身体機能や損傷のある身体機能を補うための用具」であり、障がい者リハビリテーションの柱の一つである代償能力獲得の重要な手段となるものです。(引用:長野県立総合リハビリテーションセンター)
4⇒ 選択肢2の解説に出てきた「急性期」の他に、医学的リハビリテーションでは「回復期」「維持期」のリハビリがある。「急性期」と「維持期」の提供は医療機関で行われ、「医療保険」が適応される。「維持期」では、回復期で獲得したADLや社会生活の維持改善を中心とした訓練が、病院及び介護老人保健施設、訪問看護ステーション(の訪問)等で行われる。医療保険の適応もあるが、介護保険の担う部分が大きい。
5⇒ 4の選択肢にもあるが、維持期に行われるリハビリテーションは「維持改善」である。予防的アプローチが含まれるのは言うまでもない。
というわけで 正解は 5
人体の構造と機能及び疾病の7問の復習をしてみました。ちなみに、私の唯一の満点科目です。でも、比較的簡単な問題だったような気もするので、満点多そうですよね。皆さんはいかがだったでしょうか?
心臓の問題は過去問6年間のどっか(後で見ます(-_-;))で出ていて、復習していたので「いえーい」という感じでした。私が読ませていただいている「社会福祉士国試 学習部屋」(回答テクニックや社会福祉士に大切な考え方など色々ためになるのでお勧めです)の記事にもありましたが、昨年からだったかな?試験委員が総入れ替えになって、問題の雰囲気が変わったのですが「過去問」をいじったり、入れ替えたりする手法が今年から見られるようになったとのことです(気になる方はサイトからどうぞ)まさに心臓問題はそれでした。過去問解くのは大事ですなー。
というわけで、一科目終了。明日からは「心理学理論と心理的支援」やっていきまーす。
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