枯れてしまわぬように
私はいつも、大事なことほどはっきりさせることから逃げて、小さな寝言みたいに濁してしまうくせがある
初ワンマンの「bloomin'」を終えてから
ひとつの目標地点を越えて
ちゃんと言葉に残そうって思ったんだけど
穴が空いたみたいに頭が動かなくて、
時間がかかっちゃった
私にとって大事なことだと思うからゆっくり書く
それまでの私の生活はずっと頭のどこかに
ライブが住んでて、不安とか楽しみとか、
解決しないものがうるさかった
解決しないものから逃げるみたいに
行き先考えず水辺に沿って歩いたりして、
でもうるさいようでどこか心地よかったと思う
直前のリハーサル、裸足で絨毯を歩いてたら
なんか自分の部屋みたいに思えてきて、
ここにいて大丈夫だって思った
足の爪には、前日
鍋をつくってもらって食べた後に
母の指に塗ったのと同じ緑色のネイルがあった
母の手は皺だらけで、そこが好きだ
会場内BGMの音が消えてからのことは
あんまりはっきりと思い出せないけど
ずっと目が合ってたと思う
ライブタイトルの「bloomin'」は、花が咲くことを意味する「blooming」からとってる
紡ぐのshortを作った時、私は音楽のことと
進路のことを行ったり来たり考えてた
小さい頃から音楽に支えられてたから、
私も音楽で誰かの支えになれたらって思った
水が流れて花が開くみたいに、私の歌が流れて生活のちいさな支えになれたら
そういう意味を込めて歌詞を書いた
だからステージから素敵な花が
たくさん見えて嬉しかったし
この景色がもっと大きくなって欲しいと思った
最後の曲を演奏しながら私は
終わってしまうのが寂しくて仕方なかった
それまでの生活を繋いでいたのが
確かにこの日だったと思った
枯れてしまわぬようにって歌いながら
自分のために言ってたような気がする
書きたいこと纏まらなくなってきたから
このくらいにするけど
やっぱりすごく特別な日だったし
来てくれた人は私の特別な人
ずっと
支えられてるのは私の方だった
ありがとう
寒くなってきたから明日は
ひとりで鍋でもしよう
湯船に浸かって追い焚きだってして
皺だらけの手にしよう
いつも真似事で
また寝言みたいな文章
それでもいいかって思ってる
今日も曲を書いて眠る、
枯れてしまわぬように
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