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新米から名匠へ!畳職人で夢を織るキャリアの始め方

日本の伝統的な畳は、その独特な美しさと技術で世界中から尊敬を集めています。畳職人は、これらの畳を製造、修理し、日本の家屋に欠かせない要素としての役割を果たしています。本記事では、未経験から畳職人を目指す方々に、この職業の魅力と必要な技術、キャリアパスについて詳しくご紹介します。

畳職人という仕事は、技術的な面だけでなく、日本の文化を守り、次世代に伝える重要な役割を持っています。畳職人になることは、日本の伝統文化を形作る責任ある役割を担うことを意味します。それでは、畳職人としてのキャリアについて、一緒に探求していきましょう。

目次
・畳職人の平均月収
・畳職人の仕事内容
・畳職人になるために必要な資格や学校
・必要な技術とその習得法
・職人としての畳職人のやりがい
・畳文化の重要性
・まとめ


【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊
・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている 前田畳店の二代目店主
・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表
・現在登録者4000人の襖系Youtuber https://youtube.com/@tatami777
・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有
・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く50歳

盛岡市で畳の事ならお任せください。ご相談は前田畳店へ。


畳職人の平均月収


畳職人としての生活は、単なる仕事を超え、日本の伝統と文化を守る熱意を持つことが求められます。しかし、この重要な職業の給与水準は、一般的には高くはありません。畳職人の月収は、その技術、経験、そして働き方によって大きく異なりますが、一般的には月収25万円から40万円程度が平均と言えるでしょう(もちろん例外あり)。

畳業界では、仕事の内容が分担されることが多く、畳屋さんの中には敷き込みを専門にする人、工場で畳を作る人、新築現場の畳の寸法を測る人など、様々な専門分野が存在します。また、全ての工程を一手に担う職人も少なくありません。


特に歩合制で仕事をする畳職人の中には、優れた技術と効率的な作業をこなすことで、月に50万円から60万円を稼ぐことができる場合もありますが、これは比較的稀なケースです。多くの職人は、その半分程度の収入で仕事をしています。

畳職人は、技術的な習熟と共に身体的な負担も大きい職業です。その割には給与が高くないというのが現実です。しかし、畳職人としての仕事は、金銭的な報酬以上の価値を見いだすことができる職業でもあります。畳を通じて日本の文化を次世代に伝え、多くの家庭に安らぎと美を提供することは、計り知れない喜びと達成感をもたらします。


畳職人の仕事内容


畳職人の仕事は、伝統的な技術と現代のニーズが交差する職人技です。この仕事は、畳の製造から設置、そして修理に至るまで、多岐にわたる工程を含みます。

  1. 畳の製造:

    • 畳職人の主な仕事は、畳の製造です。これには、畳表(たたみおもて)の選定、裁断、縫製が含まれます。畳表は畳の表面を覆う部分で、い草で作られています。職人はい草の質を見極め、適切な長さに裁断し、縫い合わせる技術が求められます。しかし最近では機械導入をしている店がほとんどなので基本的には機械縫着の製造となって手で作るより畳完成が3倍以上のスピードで楽に仕上がります。

  2. 芯材の加工:

    • 畳の芯材となる部分の加工も重要な工程です。これには、ストロー、木材、またはポリスチレンなど、様々な素材が使われます。芯材の種類によって、畳の硬さや耐久性が異なります。

  3. 畳の縁取り:

    • 畳の周囲には縁(へり)がつけられます。この縁は、畳の耐久性を高めるだけでなく、美観をもたらします。縁の材質、色、柄を選ぶセンスも畳職人の技術の一部です。

  4. 敷き込みと設置:

    • 製造された畳は、住宅や建物に合わせて敷き込まれます。正確なサイズで切り取り、空間に合わせて敷き込む技術が要求されます。

  5. 修理とメンテナンス:

    • 畳は時間と共に摩耗します。畳職人は、古くなった畳の表替えや補修を行います。また、畳の清掃やメンテナンスも重要な仕事の一つです。

畳職人の仕事は、ただ単に畳を製造することにとどまらず、畳の美しさと機能性を最大限に引き出すことにあります。また、顧客のニーズに合わせてカスタマイズする柔軟性も求められます。伝統的な技術を守りつつ、現代のライフスタイルに合わせた新しい畳の提案も、畳職人の重要な役割の一つです。


畳職人になるために必要な資格や学校


畳職人になるために特定の資格が必須とされているわけではありませんが、技術の習得と知識の深化には専門的な教育や訓練が有効です。

  1. 専門学校や職業訓練校:

    • 日本国内には、畳製造技術を学べる専門学校や職業訓練校があります。これらの学校では、畳の基本的な製造技術から、畳材料の知識、実際の畳敷き込み技術まで、幅広く学ぶことが可能です。また、畳の歴史や文化的背景についても学ぶことができ、より深い理解を得ることができます。ちなみに私は埼玉県にある畳の訓練校に3年間お世話になりました。

  2. 実務経験を積む:

    • 畳職人としての技術は、実際の現場での経験を通じて習得することが一般的です。畳店や畳製造工場での実務経験は、畳職人としての技術を磨く上で非常に重要です。先輩職人から直接技術を学ぶことができ、畳作りの実践的なノウハウを身につけることができます。

  3. 資格取得の選択:

    • 一部の資格や認定制度が畳業界には存在します。たとえば、「畳技能士」の資格は、畳製造の技術と知識を認定するもので、技能士としての資格を取得することで、職人としてのスキルや信頼性を示すことができます。畳の職業訓練校にも全寮制とそうでないものがあります。私の場合には畳の職業訓練校(全寮制)3年で二級技能士の受験資格、さらに2級を取得してから3年で一級技能士の受験資格、さらに一級技能士取得後に5年(ここは定かではない)で指導員免許の受験資格。実家などで修業の場合には1年か2年実務経験がさらにプラスだと思いました。大体ですがこんな感じと思っていただけたらよいです。


畳職人としてのキャリアを積む上で、専門的な教育や実務経験の両方が重要です。また、持続的な学びと技術の習得により、畳職人としての技術を高め、より高い品質の畳を提供することが可能になります。畳職人としての仕事は、単に技術的なスキルだけでなく、日本の伝統文化を継承し、新たな価値を創造するという面でも大きな意義を持っています。

たたみ交換費用: 相場ガイドと節約テクニック/盛岡市の前田畳店


必要な技術とその習得法


畳職人として成功するためには、特定の技術の習得が不可欠です。これらの技術は、専門的な訓練、実務経験、そして継続的な学習によって習得されます。

  1. 基本的な製造技術:

    • 畳製造には、い草の選定、裁断、縫製などの基本的な技術が必要です。これらの技術は、畳の質と耐久性を決定づけるため、高い精度と緻密な作業が求められます。

  2. 芯材の加工技術:

    • 畳の芯材加工には、素材の特性を理解し、最適な硬さや厚みを出す技術が必要です。畳の快適さと機能性を決める重要な工程です。

  3. 縁取りとデザインセンス:

    • 畳の縁取りでは、畳の耐久性を高めるとともに、デザイン面でも重要な役割を果たします。美的センスと、縁の材質や色の選定能力が求められます。

  4. 敷き込みと寸法の正確さ:

    • 正確な寸法で畳を切り取り、空間にぴったり合わせて敷き込む技術は、畳職人にとって不可欠です。これには、細かい測定と精密な作業が求められます。

  5. 修理とメンテナンス技術:

    • 畳の長期的な品質維持のためには、修理とメンテナンス技術が重要です。摩耗した畳の表替えや補修を行う能力が求められます。

畳の床作り2.の工程に関しては(床出しだいたい:とこだし)畳屋さんすべてが畳床を製造している訳ではなく床だけは材料屋さんから購入している畳屋さんが多いので、最初からやらずに畳床作り経験ゼロの職人もいます。ちなみに私はワラ畳の床出しと建材畳床の床出し経験はあります。

▼畳の縁付け【平刺し(ひらざし)】の工程


職人としての畳職人のやりがい


畳職人としての仕事は、単に技術を駆使する職業を超え、深いやりがいと満足感を提供します。この職業の醍醐味は、以下の点で特に顕著です。

  1. 伝統文化の継承者としての役割:

    • 畳は日本の伝統と文化の象徴です。畳職人は、この貴重な文化遺産を次世代に継承する重要な役割を担っています。この責任感は、日々の作業に誇りと意義をもたらします。

  2. 職人技の完成と磨き:

    • 長年にわたる経験と練習により、独自の職人技を磨き上げる過程は、畳職人にとって大きなやりがいです。自分だけの技術を持つことは、この職業の大きな魅力の一つです。

  3. 顧客からの直接的な感謝:

    • 畳を通じて顧客の生活空間を美しく、快適にすることで、直接的な感謝を受ける機会が多くあります。自分の手がけた畳が人々の生活を豊かにすることは、大きな喜びです。

  4. 創造的な表現の場:

    • 畳のデザインや材料の選択において、創造性を発揮する機会があります。トレンドに合わせた新しいデザインの提案や、独自の畳のスタイルを創り出すことは、芸術的な満足感をもたらします。

  5. 手仕事の美学:

    • 手仕事による独特の美しさと質感は、工業製品では得られない価値を持ちます。畳職人の手による一つ一つの作品には、その職人の心が込められています。

畳職人としての仕事は、技術的な挑戦と精神的な充足感の両方を提供します。長年の練習と経験によって磨かれる職人技と、日本の伝統を守り育てるという誇りが、この職業の大きなやりがいとなっています。

▼【階段ok】畳の運び方(担ぎ方)を伝授致します|岩手盛岡の前田畳店


畳文化の重要性


畳は単なる住宅の要素を超え、日本の文化と歴史の深い一部を形成しています。畳文化の重要性は、以下の点で特に顕著です。

  1. 日本の伝統と歴史の象徴:

    • 畳は数百年にわたる日本の歴史を象徴しています。伝統的な日本家屋の重要な部分であり、日本文化の独自性と美学を反映しています。

  2. ライフスタイルとしての価値:

    • 畳の上での生活は、日本特有のライフスタイルを形成します。床の間や和室など、畳が中心となる空間設計は、日本の家庭の生活様式に大きな影響を与えています。

  3. 自然素材への尊重:

    • 畳は自然素材であるい草を主要な材料として使用しています。この自然素材の使用は、環境に優しい持続可能なライフスタイルを促進し、自然との調和を重視する日本の価値観を反映しています。

  4. 心地よい空間の創造:

    • 畳は温もりと落ち着きをもたらし、日本の家屋に独特の安らぎを提供します。畳の香りや触感は、居住空間に穏やかな雰囲気を生み出します。

  5. 文化的継承と革新:

    • 畳職人による畳の製造と維持は、伝統的な技術と知識の継承に貢献しています。また、現代のニーズに合わせた畳の革新も、伝統文化の現代的な解釈として重要です。

畳文化の重要性は、その美学、歴史、そして日本の生活様式に深く根ざした価値にあります。畳職人は、この貴重な文化遺産を保護し、未来に継承するための重要な役割を担っています。


まとめ

本記事では、「畳職人/未経験からの働き方」というテーマを掘り下げ、畳職人としてのキャリアパス、必要な技術、平均年収、そしてこの職業の深いやりがいについて詳しく解説しました。畳職人とは、単に畳を作る技術者以上の存在であり、日本の伝統文化を継承し、それを次世代に伝える大切な役割を担っています。

畳職人の年収は決して高くはないものの、この仕事は文化的な価値と職人としての深い達成感を提供します。畳職人になるためには、専門的な教育と実務経験が重要であり、畳文化の継承者としての責任感と誇りを持つことが求められます。

畳職人としての仕事は、技術的な習熟と同時に、文化的な理解と創造性を要求される職業です。畳を通じて日本の伝統文化を形作り、新しい世代にそれを伝えるという使命は、この職業を特別なものにしています。

最後に、畳職人は、ただの職人ではなく、文化の継承者としての重要な役割を果たし、日本の伝統を未来に繋ぐ鍵を握っていることを忘れてはなりません。

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