見出し画像

畳交換はDIYでできる?自分でやると難しい理由と業者に頼むべきポイント

「畳の交換、ちょっとやってみたいな」と思ったことはありませんか?でも、実際にやってみると、思った以上に大変です。

道具はそろっているか、畳のサイズをどう測ればいいのか、そしてうまく取り付けられるのか…不安が次々と出てきますよね。特に、畳の縫着や素材選びには注意が必要で、うまくいかないとすぐに剥がれてしまうこともあります。

この記事では、そんな悩みを抱えている方に向けて、畳交換がDIYで本当にできるのか、その難しさを解説します。また、業者に依頼するメリットについても詳しくご紹介します。

この記事のポイント

  1. 自分で畳交換をする際に直面する道具や作業の難しさを解説。

  2. DIYで畳交換をした場合によくある失敗とその原因を紹介。

  3. 琉球畳の交換が特に難しい理由について詳しく説明。

  4. プロに畳交換を依頼するメリットと、DIYでは得られない仕上がりの違いを伝える。


▼あわせて読みたい


■自分で畳交換は難しい理由とは?道具・材料・縫着の壁

畳交換を自分で行う際に直面する具体的な難しさについて解説します。特に、必要な道具、材料選び、そして縫着作業のポイントを詳しく説明します。

・必要な道具と手間を解説

最初に結論から言うと、畳替えを一般の方がやろうと思っても、残念ながらかなり難しいと言う事になります。

畳交換を自分でやろうとすると、最初に大きな壁となるのが「畳表(ゴザ)と畳縁をどうやって畳床(台)に固定するか」という点です。

この作業、実は非常にコツが必要です。慣れが必要で、特に初めての方には難易度が高いです。畳針を使って畳床に貫通させて固定するのは、思った以上に大変で、慣れていないと針を通すことすら不可能に感じるでしょう。

そのため、必然的に「タッカー(大型のホチキス)」を使う方法が一般的な選択肢となります。

1. 畳表を畳床に固定するための縫着作業の難しさ
畳表を畳床に固定する「縫着作業」は、慣れが必要で、特に畳針を使った場合は初心者には大変難しいです。私も30年の経験がありますが、最初は針を通すことすら一苦労でした。

畳床の材質は硬いため、針を使って貫通させるにはかなりの力とコツが必要です。そのため、初めて挑戦する場合、針ではなく「タッカー」で固定するのが現実的です。この方法なら、力を入れずにしっかり固定できるため、失敗のリスクが減ります。

2. 畳縁の取り付けに必要な道具とコツ
次に重要なのが畳縁の固定です。畳縁は見た目を左右するだけでなく、畳全体の耐久性にも影響します。タッカーでしっかりと畳縁を固定しないと、次の日には縁が浮いてきてしまいます。

私も経験の浅い頃にこの部分で失敗し、すぐにやり直しをしたことがあります。特に、タッカーを打つ位置や力加減が仕上がりに大きく影響します。しっかりと固定するためには、タッカーを使いながら、強度を保つよう慎重に作業を進める必要があります。

3. 接着剤での固定は机上の空論?
また、接着剤を使って畳表や畳縁を固定するという方法もありますが、実際にはあまりお勧めできません。確かに接着剤で固定することは「できなくはない」ですが、湿気や温度の影響で接着力が弱まり、結果的に次の日には剥がれてしまうことが多いです。

特に畳は自然素材が多いため、接着剤が十分に機能しないケースがほとんどです。私自身も接着剤での固定を試したことがありますが、長持ちせず、やはりタッカーや針での固定が最も確実です。この点に関しては、机上の空論と言っても過言ではありません。

4. 時間と労力のかかる作業
畳交換をDIYで行う場合、1枚の畳を交換するだけでも時間と手間がかかります。特に、畳表の固定作業は力加減や技術が求められるため、1枚でも1日かかってしまうことがあります。

複数の畳を一度に交換する場合、さらに慎重な調整が必要で、プロでないとなかなか難しいです。

このように、道具や手間をしっかりと理解して取り組む必要があり、初めての方にとっては特に困難な作業です。畳の固定には、専用の道具と技術が必要で、安易に挑戦するよりもプロに任せる方が安心でしょう。

▼Amazonのアソシエイトとしてブログ管理者は適格販売により収入を得ています。


・材料選びの難しさと注意点

畳交換をDIYで行う際にもう一つの大きな壁となるのが、「材料をどこで手に入れるか」という点です。

畳表(ゴザ)や畳床、畳縁など、必要な材料を揃えるのは意外と難しいです。特に、一般的なホームセンターやネットショップでは売っていないことが多く、手軽に買えるものではありません。

1. 材料の仕入れ先の問題
畳の材料を仕入れるには、専門的なルートが必要です。実際に、畳材料を販売している業者には会員制のところもあり、一般の方が簡単に購入できるわけではありません。

畳職人として30年の経験がありますが、材料の質がとても重要であるため、一般にはあまり流通していないことが多いです。特に高品質な畳表や畳床は、業者専用の仕入れ先からしか手に入らない場合もあります。

2. ネットでは売っていない?
「ネットで買えばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、畳の材料は意外とネットショップにも出回っていないのが現実です。

畳表や畳床、畳縁などの専用材料は、品質が重要視されるため、ネットで安く手に入れようとしても、希望するサイズや素材が見つからないことがほとんどです。しかも、畳は大きくて重いため、送料が高額になることもあり、DIYには不向きな面があります。

3. 近所の畳屋さんにお願いするのが現実的
では、どうすればよいかというと、現実的な方法は「近所の畳屋さんにお願いして、材料を手に入れる」ことです。

畳屋さんは、普段から材料の仕入れルートを持っているため、一般の方が手に入れられない畳表や畳床を提供してくれることが多いです。実際に私のところにも、「DIYで畳を交換したいけれど、材料が手に入らない」と相談に来られる方がいます。その場合は、材料だけ提供するという形でお手伝いすることもあります。

4. 仕入れの壁をどう越えるか?
DIYで畳交換を考えている方にとって、この「材料の仕入れ」が一番の難関かもしれません。業者専用の仕入れルートにアクセスするのは難しいですし、品質の良い材料は、やはり専門の畳屋さんを通じて手に入れるのが確実です。

どうしても自分でやりたい場合は、まずは近所の畳屋さんに相談してみるのが一番現実的な方法です。場合によっては、材料提供だけでなく、交換作業の一部を手伝ってもらうこともできます。

畳の材料選びは、単に見た目や素材の好みだけでなく、仕入れ先をどうするかという問題が絡んできます。この仕入れの壁をクリアしないと、DIYで畳交換を成功させるのは非常に難しいでしょう。

▼盛岡市近郊で畳替えのご相談は前田畳店


■畳交換を自分でするのは難しい?業者に頼むべき理由とポイント

畳交換を自分でやろうとする場合の難しさや、業者に依頼することで得られるメリットについて解説します。特に、DIYではカバーできない部分や、費用対効果の面から考える業者の利点を紹介します。

・プロに頼む安心感と仕上がりの違い

畳交換をプロに依頼する最大のメリットの一つは、専門の設備を使って効率的かつ精度の高い作業ができることです。

実際、畳を完全に手作業で作っている畳店はほとんどなく、専用の機械が作業を支えています。これらの機械を使うことで、手作業では実現できない高い精度と美しい仕上がりが保証されます。

1. プロ専用の大型ミシンでの精密な作業
プロの畳店では、畳のゴザを台にしっかりと縫い付けるために「框巻き機械」という専用の大型ミシンが使われています。

この機械を使うことで、畳表(ゴザ)を畳床に均等に、しかも強力に縫い付けることが可能です。手作業では、この作業は非常に手間がかかり、力加減や均一性を保つのが難しいですが、機械を使うことで一貫した仕上がりが期待できます。DIYでは特にこの部分で失敗が多く、プロの設備の大きな利点がここにあります。

2. 畳縁を縫い付けるための『平刺し機械』と『両用機』
畳の縁を縫い付ける作業では、「平刺し機械」が使われます。この機械により、畳縁が美しく、かつ強固に固定されるため、見た目の美しさだけでなく、耐久性も向上します。

さらに、平刺し機械と「返し」の工程を一度にこなす「両用機」が導入され、作業の効率が飛躍的に向上しました。この両用機は、プロの畳店にとって重要な機械で、手作業では難しい精密な仕上げが実現可能となります。

3. 琉球畳や縁無し畳のための『ゴザ折り機』
琉球畳や縁無し畳の制作には、「ゴザ折り機」という機械が使われています。この機械は、畳表を折り込む作業を精密に行い、さらに熱を加えることで折り目をしっかり固定します。

手作業では、こうした細かい調整が非常に難しく、折り目が乱れると見た目にも悪影響を与えますが、この機械のおかげで美しい仕上がりが保証されます。特に縁無し畳は、折り目の仕上がりが重要であり、プロの機械設備があるからこそ実現できる精度です。

4. 手作業では限界がある現実
現代では、完全に手作業で畳を作っている畳店はほとんどありません。畳は、見た目以上に手間と時間がかかり、さらに精度が求められる作業です。そのため、専用の機械を使うことで効率的かつ正確な作業が可能になり、品質も高い水準で保たれます。

私も30年の経験を通して、機械を使うようになってから作業が格段に効率化し、仕上がりの精度も向上しました。DIYでは、こうした機械がないため、プロに依頼することで得られる精度や品質を再現するのは非常に難しいのが現実です。

プロの畳店では、これらの最新機械を使って効率的に美しい畳を提供しています。DIYで畳交換を行うと、どうしても手作業の限界があり、プロの機械設備には勝てません。

プロに依頼することで、こうした専用設備を活用した高品質な仕上がりを手に入れることができ、長期間快適に使える畳を手に入れることができます。


・DIYでよくある失敗とそのリスク

畳交換をDIYで行う場合、寸法や厚み、さらには畳表や畳縁の固定方法など、細かい部分に気をつけないと大きなトラブルに発展することが多いです。

特に「いち(1)カネ、に(2)ムラ」と言われるように、寸法と厚みの調整は畳の基本的な仕上がりに直結します。加えて、道具や材料の選定ミスもDIYではよく見られる失敗です。ここでは、具体的な問題点とそのリスクについて詳しく解説します。

1. 寸法の測定ミスと厚みの調整不足
畳の世界で言われる「いちカネ、にムラ」とは、寸法(カネ)と厚み(ムラ)の重要性を示しています。畳の寸法が少しでもずれると、部屋に収まらず隙間ができてしまったり、逆に大きすぎてはまらないことがあります。

さらに、畳の厚みが不均一だと、部屋全体に段差が生じ、見た目だけでなく、歩いたときの感覚も不快になります。こうした問題が発生すると、畳の寿命も短くなり、すぐに再調整が必要になる可能性があります。プロは専用の道具を使い、寸法と厚みを正確に測定し、適切に調整するため、こういったトラブルを避けることができます。

2. 畳表や畳縁の固定が不十分
もう一つよくある問題が、畳表や畳縁の固定が不十分であることです。畳表はしっかりと畳床に固定しないと、すぐにズレたり、波打ってしまいます。特に、畳表を張る際の引っ張りが甘いと、シワができ、踏むたびに畳表がたわんでしまいます。

さらに、畳縁を取り付ける際に、ホチキスやタッカーの打ち方が不十分だと、すぐに縁が浮いてきたり、剥がれてしまうことがあります。DIYでは、専用の道具を使わずに作業を進めることが多く、この結果、固定が不十分で見た目も使い心地も悪くなってしまうケースが多発します。

私が経験した中でも、DIYでやった場合は特にこういった問題が頻繁に発生し、数ヶ月も経たずに畳表が傷んでしまったり、縁が外れてしまうことがありました。

プロは専用のタッカーや針を使い、しっかりと固定するため、こうしたトラブルは起こりません。DIYでは、適切な道具を使わないと、すぐに畳が劣化するリスクがあります。

3. 道具や材料の選択ミス
DIYで畳交換をする際、もう一つ大きな問題になるのが道具や材料の選定です。前述したように、畳の材料は一般のホームセンターやネットショップでは入手しにくいものが多く、適切なものを選べないことがよくあります。

例えば、畳表や畳縁をネットで購入しても、実際に届いたものが思ったよりも小さかったり、質が低かったりして、何度もカットし直す羽目になることがあります。さらに、専用のタッカーやホチキスを使わず、普通の道具で無理に作業を進めると、すぐに固定が緩み、やり直しが必要になるケースが多いです。

私もこれまでに、道具や材料の選択ミスによる失敗例をいくつか見てきました。例えば、適切な道具を使わずに普通のホチキスで畳縁を固定した結果、すぐに外れてしまい、やり直しが必要になったケースがあります。こうしたミスは、結果的に時間や労力、そして費用がかさむ原因となるのです。

これらの失敗とリスクを避けるためには、プロに依頼するのが最も安心です。プロは、正確な寸法や厚みの測定、そして適切な道具や材料を使って、畳を長持ちさせる高品質な仕上がりを提供してくれます。DIYで挑戦する場合は、こういったリスクをしっかりと理解し、慎重に進める必要があります。

★畳交換はDIYでできる?自分でやると難しい理由と業者に頼むべきポイントの総括

この記事では、畳交換をDIYで行う際に直面する問題点やプロに依頼するメリットについてまとめました。以下、一言で伝えたいポイントを15個に整理しました。

✅ 畳交換はDIYで行うのは思った以上に難しい。
✅ 寸法(カネ)と厚み(ムラ)の調整が非常に重要。
✅ 畳表や畳縁の固定が不十分だとすぐにズレや剥がれが発生。
✅ プロは専用の道具と技術で精度の高い仕上がりを実現。
✅ DIYでは適切な道具や材料を揃えるのが難しい。
✅ DIYで失敗すると、結果的に余計な費用が発生するリスクがある。
✅ プロは効率的に短時間で畳交換を完了できる。
✅ プロの専用機械は、DIYでは再現できない美しい仕上がりを可能にする。
✅ 専用の「框巻き機械」や「両用機」で正確な作業ができる。
✅ 寸法が合わないと部屋全体のバランスが崩れる。
✅ 厚みが揃わないと、段差ができて見た目も使い心地も悪くなる。
✅ ネットやホームセンターでは必要な材料が手に入らないことが多い。
✅ プロは畳の寿命を延ばす施工を行う。
✅ 失敗しやすいDIYよりも、結果的にプロに依頼する方が安心。
✅ プロに依頼すれば、長期間快適に使える畳を手に入れられる。

▼ Amazonアソシエイトを使用しています

  

▼このブログのその他の記事


【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊 ・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている 前田畳店の二代目店主 ・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表
現在登録者6000人の襖系Youtuber ・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有 ・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く51歳

【前田畳店の紹介】
盛岡で創業60年の信頼と実績!
たたみ、ふすま、しょうじ、カベ紙、アミ戸の張替えリフォームは
畳製作技能士一級・畳訓練指導員、壁装技能士1級、2級在籍の

前田畳店・インテリアマエダ

【お問い合わせ】
岩手県盛岡市天昌寺町9-16
019-647-3555

営業時間:9時~17時
(土曜日は15時頃まで)
定休日:日曜日

m.masa.tatami@gmail.com
お急ぎの方はメールかLINEでどうぞ
★お仕事のご相談ご依頼はLINEお友達登録からがお得で便利!
初回5%OFF↓↓ 前田畳店公式LINE
https://lin.ee/iZMItdH
スマホから「アプリで開く」を押してください。

ホームページ http://www.eins.rnac.ne.jp/~maeda-t

▼リフォーム価格表はこちら

・ライブドアブログ
https://www.tota100.com

・noteブログ
https://note.com/tota100

・ブロガーブログ
https://tatami777.blogspot.com/

・インスタグラム 
https://www.instagram.com/totalinterior_m/

・ほぼ毎日更新 スタンドエフエム
https://stand.fm/channels/5ff42a521f63b1cf68803d8e

★壁紙の張り替えご検討中の方はこちら
https://o6b1m.hp.peraichi.com

★襖・障子の張り替えご検討中の方はこちら
https://6k6k5.hp.peraichi.com

▼畳替えをご検討中の方はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?