良い質問は互いに成長できる(前編)
誰しも時にわからない事象に遭遇します。
そんな時の解決方法として、
1)誰かに質問する
2)ネットや本で調べる
3)もう少し考える
4)また後で考えよう
という行動を取るのではないでしょうか?
この中で、「2)ネットや本で調べる」は、簡単に答えが出そうですぐには出ないことも多くあります。これは、調べることも技術がいるからです。これについては、また機会があれば書いてみたいと思いますが、闇雲に検索しても見つかりません。検索にフィルターをかけたり、検索ワードを工夫したりという技術が必要になってきます。
「3)もう少し考える」は、答えがわかった時の吸収力があがるというメリットはありますが、時に実は簡単なことに引っかかってしまっているだけのこともありますので、ちょっと調べ直してみたり、誰かに聞いてみるのも良いかもしれません。
「4)また後で考えよう」は一見、考えることを放棄しているようですが、一旦考える優先順位を下げただけですね。突然思いついたりすることもありますね。ただ、気になってしかないような疑問なら1)か2)の方法に進んだ方がスッキリして目の前のタスクに集中して取り組むことができますね。
さて本題の「1)誰かに質問する」について書いていきます。
ダメな質問とは?
ダメな質問と言うのは、色々あると思いますが、以下のようなものが挙げられますね。
・大雑把な質問
・丸投げな質問
・調べたらすぐに答えが出る質問
・意図が伝わらない質問
いずれの質問も「互いの時間を浪費する質問」であり、「互いに成長できない質問」です。その理由を次に例を挙げながら説明していきます。
大雑把な質問(ダメな質問1)
【質問例】
・「なんかエラーが出て動かなくなったけど、どうしたらいいですか?」
【ダメな理由】
「なんかエラーが出た」って言われても、聞かれた側からすると、「どんな時に?」「前は同じことをしても出なかったの?」「そもそもどんなエラーが出たの?」「動かないってOSが?それともソフトが?」と質問者よりも多くの質問を投げかける必要が出てきます。
つまり、相手の時間を奪う質問です。誰かに聞くのであれば、できるだけ準備することは互いに大事なことです。「互いに」というのは、質問する側にもメリットがあるということです。メリットは2つもあります。1つ目は相手にすぐに回答してもらえる確率が高まる。2つ目は自分のわからないことが整理できることです。この中で1つ目は相手のためですが、2つ目は自分のためになるのです。わからないことが整理出来たら、質問する前に答えに気づく可能性も出てきます。また答えに気づけなくても、答えを聞いた時の受け入れる準備ができるので、質問に対する整理をすることは大きなメリットがあります。
丸投げな質問(ダメな質問2)
【質問例】
・「この問題の解き方教えてもらえませんか?」
【ダメな理由】
自分で解くことを放棄していること。たとえその気はなくてもそのように捉えられるので、デメリットしかないです。
これはよくある質問サイトでも敬遠される質問です。この質問も具体性が欠けるのが一番の問題ですね。どこまでわかってどこからがわからないのか、どういうアプローチで取り組もうとしたのか、そういった情報がないと相手にもしてもらえないことがあります。それは質問した相手が冷たいわけでも、その人に嫌われているわけでもありません。ただ、答える意欲が削がれているだけです(※普段の人間関係は別の問題です)。
本当に初めて取り組むことに対してはこういう質問をしがちですが、相手が答える意欲の出る質問に変えることが大事ですね。
調べたらすぐに答えが出る質問(ダメな質問3)
【質問例】
・「Aさんの内線電話番号教えてくれませんか?」
(※これについてはいい例が思いつきませんでした)
【ダメな理由】
番号表を見ればわかることですよね。大体みんなに配布されているはずです。相手も調べる必要があるなら、余計な手間を相手に与えているだけですね。普段から配布された資料は管理しておきましょう。
ただし、これについては、普段からよく電話している相手だったら覚えている場合もあるので、相手が忙しそうでなければ、聞いても問題ないかもしれません(ただ、自分で番号表くらい管理しているほうが望ましいでしょう)
意図が伝わらない質問(ダメな質問4)
【質問例】
・「Aという処理をしてたら、Bという結果になったんですが、私はCと言う結果を期待していました。Bという結果はどうして出たのかわかりません。Aという処理が間違っていたのでしょうか?Cという結果を期待したことが間違っていたのでしょうか?」
(例が抽象的でさらにわかりづらくなってますね...)
【ダメな理由】
情報が多すぎますね。これも実は大雑把な質問と同様に質問する側の頭の整理ができていないのがダメな理由です。
今までのダメな例と違って、経過も状況も述べているようですが、聞かれた側は恐らくこんな返しをするでしょう。
「ええっと...もう一回順を追って説明してくれるかな...?」
まず、Cを期待したのにBという結果になったことについて、なぜそうなったのかが明確でないまま、処理が間違っていたのか、期待が間違っていたのかと聞かれても、そもそもAの処理自体が何をしているのかさっぱりわかりませんよね。
この場合は、質問を分解して、(1)Aの処理についての考え方が合っているのか、(2)Aの処理の中身に間違いがないのかという2つの疑問に変えます。そうしていくと、
・「Aの処理ではCを導き出すために、○○と□□いうことを行ったのですが、間違いはあるでしょうか?」
という質問に代わって質問された側は、Aの処理についての問題点を探し出すことに専念できます。そして、この場合でも質問する側も聞いて吸収する準備ができるはずです。
おさらい
ダメな質問には以下のデメリットがあります。
1.相手にされない可能性が高くなる
2.聞く準備ができていないので聞いても吸収できない可能性が高くなる
3.互いの時間を奪うだけになってしまう
デメリットをできるだけ出さないためには、以下の方法があります。
1.「やりたいこと」と「やったこと」と「わからないこと」を整理してから質問する
2.質問は1つずつ簡潔にする
よい質問について書こうと思いましたが、予想に反して長くなってしまった(2500文字以上も書いてしまった)ので、続きは後編に持ち越そうと思います。
ちなみに、トップの画像は「猫だけど質問ある?」というタイトルの写真です。(from ぱくたそ)