秋の空と不安な心~こども病院受診
二週間経ち、出勤前に検診に行きました。
大丈夫かな、多分大丈夫。でももし大丈夫じゃなかったらどうなるんだろう、先の分からない不安に包まれていました。
「赤ちゃんの頭の大きさ~ 続いてお腹まわり、最後に足の骨」
それぞれの数値から胎児の体重が計算され、おおよその週数が画面に表示されます。
先生は何度もお腹に機械を押し当てて、サイズを測りなおしました。
「やっぱり小さいな」
「二週間前は2週間分小さいようだったけど、今回は3週間遅れになってる。」
そして、エコーだから誤差はあるけど、差がどんどん開いてるようなのは気になる、と言われました。
このままだと小さく産まれる可能性があること、ここのクリニックでは、小さく産まれた赤ちゃんをみる設備が整ってないので、大きな病院で出産する必要があること、紹介状を書くので、一度そちらを病院を受診して、赤ちゃんの様子をみてもらってほしいということを言われました。
そして、
「赤ちゃんの性別は、言ったかな。まだはっきりわからないけど、」
と前置きされた後、
「多分、女の子かな」
と言ってもらいました。
この時は本当に元気に生まれてくれれば、ただそれだけでよく、性別は全く気にしていませんでした。
でも「小さい」以外の、お腹にいる子のことを知れたことがとても嬉しかった。愛おしくてたまりませんでした。
先生は気遣って、私の反応をみながら、ゆっくり丁寧に言葉を選んで話してくださり、その分余計に、このクリニックではない病院に出向くことが不安でつらかった。
私の気持ちが伝わったのか、
「こども病院で検診受けても、大したことないって言われるかもしれない。そしたら戻っておいて。小さめなのを気にしながら時間が経っていくのはよくないから、一度しっかり検査してもらおう」
と言ってくださいました。
こども病院の産科を受診するのは、ハイリスク妊婦のみです。
心配で涙が止まらな私。
親身に寄り添ってくださる先生。心から信頼していました。
クリニックからこども病院に連絡を取り、予約が取れ次第、連絡をくれることになりました。
当面の予定を伝え、クリニックをとぼとぼと後にしました。
胎動がなかなか感じられないのも、赤ちゃんが小さいからなのか、大きくなってね、大丈夫だよ。
心の中でそうつぶやき、お腹をさすりながら、電車に乗りました。
ラッシュの時間を過ぎた電車の中は閑散としていました。
澄んだ秋の空も、私の気分を晴らすことはありませんでした。
電車を降りて、職場への道を急いでいると、さっそくクリニックから電話。
「こども病院、今日予約が取れましたけど、行けますか」
「え。はい」
間髪入れず返事しました。
はやっ。早急に予約をとっていただけたことを感謝しつつ、こんなに早く受診しないといけないような状況なのかな、と一瞬不安がよぎりました。
そのまま主人にと電話して経緯を伝えると、仕事の都合をつけて自分もこども病院に行くと言ってくれました。
職場がすでに近かったので、到着すると上司にも同じことを伝え、そのまま早退させてもらうことにしました。
クリニックからの予約票を職場までファックスしてもらい、それを持って病院へ。幸い職場から電車で20分くらい。さほど遠くありません。
さっ、いくよ。
お腹に一声。颯爽と電車に乗りました。
いえ、妊婦だから、実際はひょこひょこって感じ。
娘と、お産に向けてスタート地点に立ったような日でした。
妊娠23週。この二週間後に娘が生まれるなんて。今振り返っても、感嘆。