アナログおじさんのデジ活日誌『ネットビジネス進化論』
タイトル通り、ネットビジネスの進化について、歴史を踏まえてわかりやすく解説されています。
検索、決済、コマース、ゲーム、SNS、ブロックチェーン、AIなどなど幅広く取り上げられているので、おじさん的には良い入門書だと思います。
著者曰く、ネットビジネスの進化とは「小分けにしたものを速くとつなげる」だそうで、6項目に分けて解説されています。
①権力=つながりの場所をおさえる
(ポータル/検索、ID/決済、信用経済とスモールビジネス)
②コマース=物や予約をつなげる
(C to C、B to C、B toCサービス)
③コンテンツ=情報をつなげる
(CGM、プロコンテンツ、ゲーム)
④コミュニケーション=人をつなげる
(コミュニティ、インフルエンサー)
⑤有限資産をつなげる
(ブロックチェーン、シェアリングエコノミー)
⑥B to B=仕事をつなげる
(クラウド、AI)
個人的に印象に残ったのは、各サービスやテクノロジーの解釈。
例えば、メルカリのライバルはヤフオクではなく「女性誌」。
はてなブックマークは「みんなでつくる目利きサービス」。
また、ぐるなびは元々「結婚式二次会・宴会場の斡旋会社」という歴史から「店のお客様のマッチングは得意」という、「へえ~(おじさんしかわかりませんね)」なエピソードが散りばめられています。
そして、この本は最終章だけでも読む価値があると思います。
そこで提示されているものは2つ。
1.ネットビジネスで成功するには「タイミング」が大事。
テクノロジーの進化だけを追うのではなく、それがターゲットユーザーにある程度行き渡るタイミングを見極め、そこを逃さずビジネスを仕掛けることが大切。
また、テクノロジーの成熟は、本来の意図と違った形でサービスやビジネスを実現させる場合があること。
例えば、「QRコード」は昔からあった技術ですが、ケータイのオートフォーカス機能が進化したことがきっかけで普及したそうです。
こういう意外なところでつながる事例は、これからも増えていきそうですね。
2.ネットビジネスの未来とは
①顧客の「負」をその都度解決し、点から線の付き合いへ。
②機能価値から感情価値へ
③問題解決から自己実現へ
個人的には、「ネット」ビジネスというより、世の中の「ビジネス」そのものがこの方向に向かっていくと思います。
特に、②「機能価値から感情価値」について、卒業飲み会を例に説明されてますが、利便性に加えて、感情に訴えるサービスやサプライズ演出をどれだけ盛り込めるかが鍵となります。
その時に、取得したデータをどれだけ活かすことができるか。
そして、データを元に必要な仮説を作るのは、テクノロジーではなく、間違いなく「人」でしょう。
テクノロジーに左右されるのではなく、人がやるべきことを見極め、深堀りしていくことが、実はネットビジネス成功につながるのではないかと思います。
しかし、あらためて振り返ってみると、ほんの30年くらい前は、黒電話(サザエさんのやつ)と手書きのハガキで就活をやっていたとは思えない変化です…。
ネットビジネスの進化恐るべし。