アナログおじさんのデジ活日誌『アフターデジタル』
昨年話題となった本ですが、デジ活するうえでは避けられない一冊。
中国の事例を元に、初心者でもわかりやすい内容となっています。
まずはタイトルの意味するところ
リアル(店や人など)でいつも会えるお客様が、たまにデジタルにも来てくれる状態、これが「ビフォアデジタル」。
一方、デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアルにも来てくれる状態を「アフターデジタル」と定義しています。
オンラインとオフラインの主従関係が逆転した世界といえます。
中国の事例として、平安保険のグッドドクターアプリや、ビットオート社などが紹介されています。
特に、ビットオートの「カーライフサイクルすべてに関わるプラットフォーム」ビジネスに驚きました。
・免許を取る
・車を買う、使う、売る
・保険
・洗車やメンテナンス、駐車場サービス
・ドライブ履歴アプリ
など、車に関わるすべてのタッチポイントでビジネスを展開。
「点」ではなく「線」、それもすさまじく「長い線」で顧客とつながっている。
今の日本にはない発想だと思いました。
また、「店舗の無人化」についても
日本企業にありがちな思考の悪例として
①効率とテクノロジー中心の無人化
②オンラインを活用するための逆OMO
③顧客ではなく、プロダクトを中心に考える
が挙げられています。
真の「無人化」の目的は、店舗スタッフとよりコミュニケーションを取り、人間的な温かいサービスを提供すること。
最近は日本の無人化も、人員の効率化だけでなく、買い物のストレスを取り除くためへと変化してきた気もしますが、まだまだサービス向上の域には達していないようです。
アフターデジタルでのビジネス原理として
①高頻度接点による行動データと体験品質のループを回す
②最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーションで提供する
当たり前のことにも聞こえますが、デジタルによって、この「接点」の数が激増し複雑になったこと。そして、一時の接点だったものが、おそろしく長期的になったことが大きな変化なんでしょう。
このような環境下では、日本企業の縦割り組織では周回遅れになるのも、分かる気がします。
とはいうものの、組織が変わるまで待つ訳にはいきませんので、現場レベルでは地道に横連携を取っていくことが必要と感じます。
ちょっと引っかかったのは、中国は国家が個人情報を把握している故に、デジタル化が進んでいる事実があるという点。日本ではまだまだ抵抗があると思っていました。
しかし、コロナの影響によって、日本人の意識がこれからどう変わっていくのか?
とても気になります。