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いいな、お前は
僕は昔から、友人たちによく羨ましがられる。
会うたび言われる。
「いいな、お前は」
「好きなように生きて、いいな」
「いつも自由でいいな」
「悩み事とか、ないだろ!?」
「楽しそうでいいな」
いつも僕と一緒にいる妻も言われているようだ。
「いいな、カズちゃんは」
「自由そうでいいな」
「いつも旦那と色んな所へ行けていいな」
「いつも楽しそうでいいな」
基本、妻は笑顔だ。
幸せそうだ。
僕が馬鹿なことをしない限りはw
僕たちに子供はいない。
僕が、自由と芸術を選んだからだ。
稼いだ金は、全て自分たちに投資する。
だから、物は残らない。
経験と感動と歓びが、雪のように積もって行く。
もちろん、苦痛を伴うこともある。
しかし、苦痛を苦痛と感じない。
それは即座に笑い話となり、経験という宝となって蓄積される。
好きな事をやっているからだ。
嫌なことをしていては、こうは行かないだろう。
いいな、お前は。
僕は怒る。
「子供のいる家庭を守るために、懸命に働いている自分に対して失礼だろう!」
人を羨む前に、自分を褒めてやれ!
家庭のある幸せを噛みしめろ!
一緒に家庭を守ってくれてる奥さんに感謝しろ!