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ちょっと切ない友達に向けて(神様の話)
これは、昔聞いたことのある話を、想い出しながらほぼ勝手に注釈したものです。
ロシア正教の有名な話らしいです。ほぼ当たっていると思いますw
細かなところは勝手に付け足しましたw
あなたのその優しさは、何よりも尊い。
そのあかぎれた手から落ちる滴は、ダイヤモンドより美しい。
あなたのその苦しみは、その自己犠牲は、必ず届いています。夫に、お母様に、神様に。
ただ今は、気付いていないだけなんです。
必ず気付く日が来ます。
それまで、あなたが解放されるその日まで、責めて僕の心だけでもあなたと共にいさせてください。
あなたの声は聞こえているよ。僕の心に。神様の心に。
たまには泣けばいいよ、くるみ。
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ろしあの教会の一番偉い教皇様が、とある噂を耳にしました。
ある島に三人の聖人が住んでいるというのです。
その島は何もなく、掘っ立て小屋に三人の聖人は住み、そこには枝で作った粗末な十字架があるだけです。
そんな聖人たちを周囲の人は崇めているというのです。
聖人がそんな粗末な暮らしをしている筈がない。
きらびやかな服を着た教皇様は、金で作った十字架を抱きしめて言いました。
もし聖人なら、それなりの生活をしてもらわないと・・・教会の威信にかかわる。
教皇様と偉い牧師様三人は、直に会ってみることにしました。
教皇様と偉い牧師様たちは、長い旅を終え、船に乗り、三人の聖人が暮らす島に着きました。
すると海岸に三人のみすぼらしい姿をした男たちが待っていました。
髪と髭はぼうぼう、服はぼろ布をまとっているだけです。
男たちは教皇様を見るなり跪き、感謝しました。
「こんな辺鄙な島にわざわざ来ていただいて、ありがとうございます」
「いやいや、聖人とはどんなお方だろうと思っていましたが・・・お祈りの言葉をご存知ですか?」
三人は声を揃えて詠唱しました。
「はい、知っています。神様とわしらはみんな一緒。今日も幸せ」
それを聞いた教皇様は驚きました。
「何ですか、それは? それではダメです。お祈りするには、決められた言葉があるのです。私がそれを教えて差し上げましょう」
心の広い教皇様と牧師様たちは、三人のみすぼらしい男たちに有難いお祈りの言葉を教えて上げました。
「天にまします我ならの父よ。願わくは御名(みな)をあがめさせたまえ。御国(みくに)を来たらせたまえ。みこころの天になるごとく・・・・」
三人の男たちは、真摯に耳を傾け、有難い祈りの言葉を何度も聞きました。
「お赦しくだせえ。なんせわしらは学もなく字も読めねえ。もう一度お願いします」
教皇様と偉い牧師たちは、根気強く何度も言って聞かせました。
そしてもうすぐ陽が沈むころ、やっとそらんじて唱えることが出来た男たちは、感謝しました。
「本当にありがてえ話だ。こんな偉い牧師様たちがこんな辺鄙な島まで来てくれて、お祈りを教えて下さるとは」
教皇様は鷹揚に頷き、無知な男たちに神の道を知らしめたことに満足しました。
教皇様たちを乗せたボートが見えなくなるまで、三人の男たちは砂浜に額を付けて感謝していました。
三人の姿が見えなくなった時、教皇様は偉い牧師様におっしゃいました。
「今日も良い行いが出来ましたね」
「教皇様、左様でございます。これも神のお導きかと」
「そうでしょう。神の成せる御業でしょう」
そこに遠くから何やら聞こえてきました。
三人は辺りを見渡しましたが、ここは海の上、何も見える訳がありません。
が、今来た島の方から小さな点が近寄ってきます。
三人は目を凝らしました。
するとその点は三つになり、やがてそれは人の形をなしてきました。
「!」
ボートに乗った教皇様たちは驚き、言葉を失いました。
何とその黒い点は、先ほど別れたばかりの三人の男たちだったのです。
見ると、三人は水の上を走っていました。
教皇様たちは言葉が出ませんでした。
「教皇様、すいません。わしら馬鹿だから、また忘れてしまいました。もう一度、お祈りの言葉を聞かせ下さい」
三人のボロをまとった男たちは、当たり前のように海の上に立ち、ニコニコ笑っています。
言葉を失っていた教皇様は、やっとことの事態を飲み込めたようです。
「いいえ、あなた方にお教えするお祈りの言葉などありません。あなた方には必要ないのです。どうぞ、ご自由にお祈りなさってください。あなた方の口にする言葉、その言葉全てが尊いのですから」
海の上を歩いて小さくなってゆく三人の聖人を見ながら、教皇様は跪き、涙を流しながら祈りを捧げました。
天にまします我らの父よ・・・・・
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僕は、クリスチャンで仏教徒で、時々ヒンズー教徒で道教を師事していますが、これだけは言えます。
神様は見ている・・・・と。
どうか、この知ったかぶりの話を訂正したり、正しい出典を教えるとかしないでください、神様(*´д`)