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破天荒な人々(家系)
なんだよ、このタイトルw
大黒摩季がね、書け書けってうるさいのw
破天荒の代表と言えば、先ず、僕の親父抜きには語れない。
部長になって有頂天になったうちの親父は、借金してまで部下にいい格好をして、借金苦に陥りました。
で、明日食う飯が・・・と言っている時に、満面に笑顔で帰って来て、僕と母の前に大正琴を置きました。
螺鈿細工が施されており、贅の極みと言わんばかり。
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お袋は泣いて怒って、怒り狂った親父はハンマーを取り出して大正琴を叩き割りそうになって、僕が必死で止めましたw
ぽろぽろぽろり~ん♬
「ああ、綺麗な音色」って言ってる場合かっ!
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で、次の月には、大排気量のバイクがやってきました。
ドカッティというイタリアのバイクだそうです。
近隣の窓を震わすほど、凄い排気音です。
それがドカッテイの特徴とか。
早速、後ろに載せてもらって、
「風を切っていい気持ち」って、言ってる場合か!ヽ(`Д´)ノ
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で、暫くすると、今度は何と、車がやって来たではありませんか!?!
大衆車の決定版、トヨタカローラ!!
近所でも車を所有している家は珍しく、人が集まってきました。
親父は鼻高々、僕は興味津々であちこち触りまくり。
中に乗り込み、窓を開けて
「やっぱり車は快適だね」って言ってる場合か!
で、母は、一人泣いていました(;Д;)
要するに、金の苦労を一切したことのないボンだったのです。
そう言う僕も、幼稚園の時から既にスリーピースに革靴、頭にはベレー帽をかぶっていました。
どうみたってボンじゃんww
そんな親父は、僕が学校を出て東京に行っている間に、会社を設立しました。
忘れもしません。
僕がたまたま、遠距離恋愛をしている合間に実家に帰っていた時のことです。
国民金融公庫から1000万借りてきた親父は、その大金の入った紙袋からサッと数枚取り出すと言いました。
「よし、これからうまいモノでも食いに行こか」
と・・・・・。
狂ってる!
他人から借りた金でうまいモノって!?!
僕は青ざめ、怒鳴り付けました。
でももう後の祭り。
地獄は始まっていたのです。
翌年には首が回らなくなり、親族から借金しまくり。
それでも追いつかなくなった親父は一考しました。
渋る親族から金を引っ張り出すには・・・・。
長男のせいにすればいっか!
何も知らない僕は、完全なヴィラン(悪者)になっていたのです。
その後のことは、此処に。
惜しむらくは、僕のお金が、親父のバカな大名商売に消えて行ったこと。
叔母がずっと言い続けてくれていたんです。
「トシカズ、あんたには才覚がある。あんたの為に三千万円置いておくから、大人になってから好きに使いや」
男系の家系なので従兄弟は10人以上いたのですが、叔母は僕に賭けていたのです。自分の二人の息子を差し置いて。
もちろん、その金も親父に狙われ、露と消えました。
僕を糾弾する親族会議で叔母に言われました。
「あんたには期待していたのに・・・がっかりや」
「僕は何も知らないんです・・・・」
生前の叔母と話した最後の会話です。。。。。
で、親父の最期は悲壮なモノでした。
最後を従兄弟が看取ったのですが、それからが酷かった。
僕が行った時には、身ぐるみ剥がされ、全てのモノを換金されていました。
従兄弟に・・・・。
とっちゃんと言います。実名ですwww
口から生まれたような男です。
だから親父と気が合ったんだろうけど。
オリンピックの選手のトレーナーとしても海外について行くような男だったのに・・・。
僕もかなり弁がたつ方だけど、この二人はそんなもんじゃない。
詐欺師も真っ青と言うぐらい、平気で嘘をつく(||´_ゝ`)
で、とっちゃんの兄と同い年の僕は、すこぶる仲が良かった。
その兄が僕にぼやいていました。
「また、あいつに云百万円盗られた。もうたまらんわ」
「もう放っておけよ」
「ヤクザから追われているらしい。うちの店にも来たから放って置けん」
「どうしてヤクザになんか?」
「共同事業をやってたヤクザを騙したらしい」
エエ━━━Σ(°Д°;;)━━━ッ!!
「その上、超有名芸能人の○○からも二千万円だまし取ったらしい」
エエ━━━Σ(°Д°;;)━━━ッ!!
それはテレビや新聞で騒がれ詐欺事件となり、とっちゃんは、無事、刑務所に逝きましたwww
親族は胸を撫で下ろしたそうなww
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その兄の従兄弟とは今でも仲が良く、たまに頼まれることがあります。
「このブレゲ、スイスで600万で買ってんけど、世界に5個しかないうちの一つや。プレミアが付いて、今なら一千万以上で売れるから、トシカズ、売ってくれへんか? 一千万以上で売れたら、それはお前がとっていいから」
「わあ、すご~い! 買い手を探してみるよ」
って、そうやすやすと見つからんわ!
そんな知り合い、おらんわ!ヽ(`Д´)ノ
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披露宴会場で。
「このロレックス、持ってみ。重いで」
「うっ! おもっ! 何これ!?」
「無垢の白金のベルトや、ベルトだけで云百万や」
「・・・・」
「文字盤のダイヤだけで10カラットある。値段は・・・」
「もうええ。聞きたくない」
「これ、トシカズ、付けるか? ダンベル代わりになるで」
「お前のジョーク、笑えんわ」
彼は、悪気なく、そんなことを平気で言う男です。
天然と言うか、ちょっとトロいけど、頭はいい。
彼は、高島屋の外商部の上得意で(わかる人には分かるw)、ロイヤルホテルのジムの会員で、親父から引き継いだ腕時計(時価総額億越えらしい)とワーゲンのコレクションを持っていて・・・・・。
お正月、そこに従兄弟の紅一点やす子がいた。
やす子は小さい時から僕が好きで、親族が集まると、いつも僕について回った。
「わあ、トシカズちゃん、元気!? 全然変わらないね。そうだ、トシカズちゃんになら触らせてあげる」
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白い手袋を着けて、うやうやしく箱から取り出したのは、
エルメスのバーキン。
ダイアナ妃が持ってたものと同じらしい。
「へえ、これが云百万もするの?」
「きゃあー! もっと丁寧に扱ってよ」
「たかがバックに騒ぐな」
と、ボディにパンチ。
「ぎゃー!なんてことするの!? 信じられない!」
「俺に見せる方が悪い」
「外商部に無理を言って二色揃えさせたのよ。もう手に入んないんだから」
「ヶ」
心は決して汚くはないんだ。
純粋なんだ。
でも、世間知らずなんだ。
うちの親族は・・・・wwwww
あとがき
書き出したら止まらなくなったw
ちなみに、お婆ちゃんの一族は、日本でも3本の指に入るような財閥の末裔なそうな。
家系の中には、芸術家が多いらしい。
一方、お爺ちゃんは、元武家で、代々医者だったらしい。
曽お爺ちゃんの遺影はちょんまげで、帯刀している。
城付きの医者だったそうな。
そう言えば、親族は殆どが医者。
親父だけが詐欺師、じゃなかったw、サラリーマン。
そういや、大阪ガスの研究員やってたな。
どうやら僕は財閥系の血を引いたらしい。
今じゃ、親族はみんな死んで、僕と従兄弟が最長老になっちまった。
またあっちで、親父に騙されていなけりゃいいけどw