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宇宙と繋がる
今日、仕事中、いきなり物凄い雨が降り出した。
話し声が聞こえないぐらいの本降りだった。
雨は10分ほどでやみ、暗い雲が割れて青い空が見え始めた。
そして透き通るようなまぶしい日差しが真っ直ぐ僕を貫いたその時、
頭の中に音楽が鳴り響いた。
それは突然だった。
胸に何かがググッと込み上げて泣きそうになった。
僕は雲の割れ目に見えた小さな青空を見上げた。
その瞬間、僕は宇宙と繋がったんだ。
理由などない。
何の兆しもなかった。
ただ、突然に宇宙と繋がったのだ。
無条件に感動が込み上げ、こめかみに涙が伝った。
個が消え、全体になる。
全体は個になって、僕は宇宙の一部となった。
不思議な感覚。
何で今?
何でここで?
過去に何度かこんな気持ちになったことがある。
覚えているのは、
カトマンズから歩いて丘(2000m級)に登り、真っ青な空に輝く星々を見た時。
真昼の星空。
そして、もうひとつ。
人生に望みを無くした後の銀座での個展の最終日。
いつも静かな音楽を流していた画廊のオーナーが、突然、
「宇宙のファンタジー」を流したのだ。
その瞬間、あの狭い画廊の中で、僕は不意に宇宙と繋がった。
涙が止まらない僕は、説明も出来なかった。
でもオーナーは、そんな僕を見て、何も言うな、と口元に指をあてた。
分かっていたのだと思う、僕の気持ちを。
ただ、それだけ。
人生の節々にどこからともなく流れてくる宇宙のファンタジー。
何の理由もなく、宇宙と繋がったと感じたいかれた男の話。
誰にも理解できないと思う。
yukinoさんを除いては。
でもさ、きっと誰にでも宇宙は開いていて、いつでも繋がれると思うんだ。問題は、それを感じられるかどうか、それだけだと思う。
耳を澄ませば、きっと聞こえると思う。