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いい女って
他の人の記事を読んでいて、「いい女」と言うキーワードに出会った。
で、パッと頭に浮かんだ人がいた。
遠に忘れていた人だった。
今日は、その人のことを書こうと思う。
東京に住んでいた頃、勤め先は某商社の青山ショールームだった。
芸大卒だったので、大阪から東京のデザイン企画部に回されたのだ。
初出勤の時、僕の目を引いたのは、色白で美人の事務員だった。
綺麗な富士額に大きな瞳、笑うとえくぼが出来て魅力が倍増した。
こんな美人を見るのは初めてだった。
歳は20歳ほど離れていたけど、全く気にならなかった。
聞けば、資生堂の受付嬢だったという・・・通りで。
柔らかな言葉に話し方、本好きでかなりのインテリなのに、全く感じさせなかった。
物凄く気が付いて、何より誰に対しても優しい。
僕は一目で好きになった。
当時僕には彼女が大阪にいて、恋愛感情ではなかったけれど。
企画だったので外回りは余りなく、いつもその人と一緒にいた。
専用の企画室があったけれど、ほぼショールーム横の事務室にいた。
営業が出払ったあとの会社には、僕とその美人、そしてもう一人の事務員がいた。
その人も色白で切れ長の目をした秋田美人で、齢は四つほど上。
よくしゃべる明るい人で、その人のことも嫌いではなかった。
その人との一番の思い出は、その人の胸を見たことぐらいw
サバサバとしたその人は、夏の暑い日、暑い暑いとTシャツをめくり上げ、ノーブラの胸の谷間をハンカチで拭いたのだ。
僕の目の前で!
「は⁉」
「え!?! ・・・・ギャー! 何見てんのよ⁉ 変態!」
と叫ばれたw
ノーブラなことは知っていたが、綺麗な形をしているとは知らなかった。
「それにしても綺麗な形だねえ」
はっきりモノを言う僕は、彼女に言ったw
「そうでしょ!? この形を守るために、彼にも触らせないんだから」
と、自慢気に言っていたw
三人で、とにかく話した。
くだらない話や恋愛話、そして夜の話w
二人は僕が男と言うのを忘れてたのか、平気でセックスの話をしたw
まだシャイだった24歳の僕をからかっていたのかも知れないけれど。
ある時、富士額の彼女が冗談で僕に言った。
「もう大阪の彼女は諦めて、私と付き合う?」
「うん、そうするよ」
と間髪を入れずに僕。半分本気だった。
「嘘ばっかり。こんなオバちゃんじゃ出来ないでしょ!?」
「え⁉ ○○さんなら出来ない男はいないでしょ!?」
「そんなことないわよ」
「いや、出来るね。余裕で出来るね」
「嘘ばっかり。立たないでしょ!?」
「立つね」
「じゃあ、証拠見せてよ」
机向かいに話していた僕は、立ち上がり彼女の横に立った。
そして彼女の綺麗な手を取り、股間に当てた。
「ね⁉ イケるでしょ!?」
「ホントだ! 硬くなってる!」
「じゃあ、やる⁉」
「仕事中に何言ってるの⁉ また後でね」
「じゃあ、ホテル予約しておくよ」
「今日は忙しいの。また別の日にね」
彼女とは、こんなキワドイ話をしていたw
また別の日、その日は、飲み会の流れで、寮代わりに使っている僕のマンションで飲むことになった。
先輩たちが酔いつぶれる中、僕はいい気持ちになって風呂に入った。
すると例の彼女が入って来た。
「ねえ、見せてよ」
そう言って湯船の中を覗く彼女。
「いいよ」
「わあ! 立ってるじゃない⁉」
「○○さんを見たから」
「うふふ・・・嬉しい。じゃあ、私も入ろうかな!?」
「おいでよ」
湯船に浸かっていた僕は彼女を手招いた。
「じゃあ、入ろっと」
彼女はそう言って、履いていたジーンズを下げパンティを降ろした。
驚いたことに、陰毛まで髪と同じ茶色だった。
「それ、染めてるの?」
「ううん。生まれた時からこの色よ」
「へえ、髪も染めてないんだ」
と言う話をしている所へ、先輩が乱入して来た。
「二人で何をしてんだよ⁉」
「もう、せっかく二人で入ろうと思ってたのに」
と、彼女。
「ダメでしょ、会社の寮で! 許さん」
先輩も彼女が好きだったので嫉妬したのだろう。
もう少しでいい感じになれたのに、残念。
また別の飲み会の帰り、二人で渋谷を歩いていると彼女は言った。
「ねえ、行く?」
「うん、行こう」
と、二人でラブホテルを探して歩いた。
週末はどこも満員でなかなか空いているホテルがなかった。
そうやって探しているうち、また先輩に見つかった。
「こんな所で何してるの? 危ないと思ったんだ」
わざわざ二人を探していたみたい・・・。
ああ、その邪魔さえ入らなければ、結ばれていたんだけどなあ。
会社を辞めることが決まった時、彼女は僕に言った。
「どうせ私のことなんか忘れちゃうだろうけど」
「忘れないよ」
「忘れないでね」
彼女は僕の手を取り自分の胸に当てた。
「ねえ、また揉みにおいでよ」
そう言った彼女の目に涙が浮かんでいたのを忘れられない。