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見つめ合い。

会社に一人の美人がいます。
美人故に、黙っていると凄く冷たそうで怖そうに見えます。

男たちは、遠巻きに見るぐらいで、話すことがありません。
女に抵抗のない僕とは、よく話します。

彼女には子供もいて、旦那とはうまく行っていません。
僕はそんな彼女の愚痴を聞くのが好きでした。

でも、僕は知っていました。
彼女の魅力が、見せかけよりもその優しさにあることを。

それは、10時の休憩が終わって、そろそろ仕事に戻ろうかという時でした。
ふと顔を上げると、7~8m向こうに彼女の姿が見えました。
彼女の甲高いよく通る声が聞こえ、時々、楽しそうな笑い声が聞こえます。

陽気な彼女を見ていると、思わずこちらまで楽しくなってしまいます。
僕は、そんな彼女を見ているのが好きでした。

と、不意に彼女が顔を上げ、僕と目が合いました。
いつものように手を振ってくれるのかなあと思っていたのですが、手を振ってくれそうにありません。
遠くで表情もよく分かりません。

僕たちは見つめ合いました。
長い時間、ただただ見つめ合っていました。

急に胸が苦しくなりました。
彼女も胸を押さえています。

「えっ!? なに? なになに? どうしたの?!」
恐らく彼女もそんな気持ちだったろう・・・と、思います。

それから一時間ほど後、通路で彼女と出会いました。
「おはよー」
「オハヨー。あ、髪、切ったんだね!? オデコ出してたら別人みたい」
「そう!?!」
彼女は前髪を弄りながら目を伏せました。

何なんだよ、このぎこちなさは!?!
変に意識しちゃって、話しにくい(*´Д`*)

照れるなよ!ヽ(`Д´)ノ
こっちが赤くなるわ!


で、


何なん? あの空白の見つめ合いは!?!


魔の時間?!
それとも癒しの時間?! 

誰か、教えてくれ!


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