鍵のない部屋(27歳貧乏絵描きの住処) 序章 餓死と乞食と資本論
餓死・・・ほとんどの日本人には関係ないだろうけど、
でも僕にとっては、身近だった。
二年間の商社務めを辞し、親の反対を押し切り絵画一筋で行こうとしていた頃の話。
僕は絵を描いてた。三日間、寝るのも食べる時間も惜しんで。
でも、ある時、筆が手からポロポロ落ちるようになった。
最後は、ガムテで手に縛り付けて描いてたんだけど、腕を上げられなくなって・・・。
お仕舞には、座っていることも出来なくなって、僕は畳の上に横になったんだ。
なんでだ?! どうしたんだ、俺の身体は?!
自