僕と野球と息子の日記 ⑬
小さな頃から夢見て来た甲子園。
今年は開催されなかった。
誰が悪いわけでもない。
最終目標を失った長男が心配だった。
最後の望みだった、県の独自大会は開催が決まり、なんとか最後は試合が出来ると安心した。
ずっとやって来た野球。
本当にこれが最後になる。
小学生の時から、僕らのそばにあった野球。
悔いのないよう、笑顔で終わって欲しい。
そんな事ばかり考えていた。
試合の日。早朝、僕は長男にラインを送った。
「やめそうな時もあったけど、本当によく頑張ったな。君のおかげで、俺も色々なお父さん達に会えて、楽しかった!最後、出れるかはわからないけど、出れたら自分らしく、ベンチの中では、みんなに声かけて!楽しんで!」
いつものラインなら、「り」とか笑、うぃーす、みたいなノリだし、今日もそう来ると思ってたんだけど…
「いままで支えてくれて、ここまで来れました。今日は絶対勝つけん!」
という内容が来て、涙が出てしまいました…
試合開始。
長男は出てないものの、いままでの色々な事が頭をよぎる。
勝てばもう少し見れる。
負けたら終わり。
絶対勝ってくれる。
7回に、サードの子が足を痛めてしまう。
そして、8回の守備から長男がサード…
野球の定説に、「守備が変わったとこにボールは来る」
と言う不思議な事があるけれど、
まさにその通り。
長男のとこに打球が来る。
落ち着いてサバく。
アウトを1つとる。
もう、グラウンドに立つ長男は見れないまま終わってしまう覚悟でいたから、本当に嬉しかった。
9回裏。4-4の同点。
ここを押さえれば、延長戦に入る。
しかし、あと一歩のとこで、サヨナラ負け…
長男の野球は、終わった。
野球が終わって、1か月近くたつけど、いまだに信じられない。
「明日は練習やけん!」
そんな声が聞こえて来そうな夏。
少年団からお世話になった監督、コーチ。
中学の先生。
高校の監督、コーチ、そして今まで一緒にやって来た仲間。
出会った全ての保護者の皆様。
本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
そして、昔の僕に言いたい。
「野球って、おもしれーぞ!」