「僕と野球と息子の日記」⑨
最後の県大会をかけた予選。
あと1つ勝てたら、3位で県大会に行ける、大事な試合。
みんなで、このチームで県大会へ!
その気持ちがプレーに現れたのか、なんと3対1で勝利!
そして、1番出来の良いピッチング!!
あれは嬉しかったなぁ、父兄で凄く喜んだのを覚えてる。
この後から、次男のピッチングは、劇的に変化し、練習試合でも、そう簡単に負ける事はなかった。
そして県大会。
4対2でリードして、1回戦突破か!?と思ってた時。
セカンドランナー、次男。
だが、相手の保護者から、容赦ないヤジが飛ぶ。
心折れてピッチングも乱れ、気がつけば4対9でボロ負けした。
大の大人が、子供相手にヤジるかよ。
凄く腹がたったが、監督言わく、
「そんな言葉に惑わされる心の弱さ」を指摘され、なるほど。そうか、と納得…
その県大会で準優勝したチームと、後日練習試合をした。
全快のピッチング。
6対0で圧勝。
あの時、ヤジが飛んでも、平常心でいれたなら、優勝してたのは僕らだったかもしれない。
もちろん、勝負の世界で、「たられば」は意味のない話なんだろうけど。
監督の後日談。
「県大会をかけた、あの試合から、ピッチングが良くなった。不思議だったので、本人に聞いてみたんだよ。そしたら、兄とキャッチボールして、色々な話をしました。ただ、それだけです。と。兄の影響なんだよなー、やっぱり兄弟だな」
嬉しい話だった。今までの辛さが全部吹き飛んだ。
そして、卒団の時期。
もう、全力で走り抜けた僕達は、何1つ思い残す事はなかった。
兄の時からお世話になった少年団。
本当に感謝しかなかった。
あの日、野球をして欲しくなかった僕が、野球が嫌いだった僕が、野球のおかげで親子で成長できた。
あの日の僕に言いたい事。
「野球って、おもしれーぞ!」
続きます。