「僕と野球と息子の日記」⑥
長男達は六年生になり、いよいよ親チームとして、少年野球最後の年が始まる。
ある日の練習の終わりに、背番号が配られる事になった。
六年生は14人。
長男がもらった背番号は「14」だった。
ウチのチームには、当時背番号「0」があった。
つまり、長男は五年生1人に抜かれて、背番号「14」だった。
これでいいんだ。
決して上手いわけじゃない。
病気もした。
これでいいんだ。
そう何度も何度も自分にいい聞かせた。
野球をしているのは息子なのに。
新チームはかなり強く、ほとんどの県大会に出場した。
予選から県大会。
当然、スタメンで出る事はなく、出場機会はほとんどなかった。
それでも応援に行く事。
車出しなどの当番。
試合に勝った時の親達の盛り上がり方。
辛かった。
本当に辛かった。
周りとの温度差をめちゃくちゃ感じた。
もちろん、その親達は、みんないい人だし、今でも交流がある、自分にとって大事な人達なんだけど、
当時は本当に辛かった。
シーズンが終わりに向けて進んでいく中で、
いよいよ最後の大会が始まった。
1回戦を突破し、準決勝。
大差でリードされ、もはやここまでか。
代打で長男が呼ばれる。
三球三振。
立派なフルスイングだった。
長男を誇りに思った。
負けてしまい、子供も親も、みんなで泣いた。
今までありがとう。
優しさを、強さを、長男と知り合ってくれた事を。
感謝しかなかった。
長男のスポーツ少年団は終わりをつげた。
それは、次男の始まりを告げる合図でもあった。
続きます。