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#3 神像の行進、悪魔に喰われる

数日前、濃い夢を2本立てで見ました。

1つめは、現実には知らないけれど、夢の中では知っている建物の中で、初めは上の階にいるのですが、1階に降りていってそこで眠りにつくのです。

ごんごんと何か大きな音がするので目が覚めて、何だろうと思うと真鍮の人間大の神像が、行列をなして建物の中に入ってくるのです。

彼らに見つかったら何が起こるか分かりませんから、ぼくは恐怖に息を潜めて神像の行進をじっと見守っています。神像の列はぼくのいるところを通り過ぎて2階へと、ごんごん、だんだん、音を立てながら上がっていきます。

体中が冷や汗をかくほど緊張している中で、2階には自分の奥さんがいる、どうにかしなくちゃ、と思うのですが、どうすることもできず、ただじっと身を潜めているしかないのです。

* * *

2つめの夢は、半透明で蒼っぽい色の悪魔に、顔と陰部を貪られるのです。

痛みこそないのですが、顔に喰いつかれ、全身が極度に緊張して、身動きできません。陰部も貪られ、こちらは苦しみとともに快感もあります。何とか逃れようと体を動かそうとしても、まったく体は動きません。

全身の毛が逆立つような恐怖の中で、怖れてはいけない、体から力を抜いてリラックスしなければ、と考えます。そして体の力を抜いて抵抗するのをやめると、徐々に悪魔は消えていき、夢が覚めていくのが分かり、ほっと一息ついたのです。

* * *

どちらの夢も身体感覚がはっきりとしていて、自分は夢を見ているな、という自覚や、逆に起きているとしか思えないような現実感こそないものの、明晰夢や金縛りに近い夢です。

とんでもない緊張を伴う夢なので、普通に言えば悪夢としかいいようがありませんが、2本めの最後では、自我のコントロールを手放して、無意識の層で起きている事態の進行に身を任せることで、悪夢的状況から抜け出すことができたので、いい意味で「試練の夢」を見ることができたな、と感じています。

かれこれ10年も瞑想の練習をしているので、意識の状態について「恰好いいこと」ばかり、ネット上では書いたりしていますが、こういう夢をたまに見ては、無意識の奥底にはいくらでもどろどろして濁り淀んだものが溜まっているなということを思い知らされます。

こんな経験についても、こうやった文章にして、空き瓶に詰め込んでネットの大海に放り投げてやることで、読んでくださっている皆さんの様々な想いとともに、供養し、成仏させてやれたらと思うのです。

てなことでみなさん、ナマステジーっ♬

☆サポートによる投げ銭文化が広がり、縁が巡りつながる社会となることを祈っております。

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#随想詩 #短編小説 #エッセイ #コラム #望洋亭日乗

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としべえ@ぷち作家
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