[全文無料・短詩] 詩のない詩人
詩のない詩人のしるしがひとつ
ひとりでいるのが好きだった
ひらりと跳んで遊んでた
詩のない詩人のしるしがふたつ
不確かだけが友だちで
確かにすべてを愛してた
詩のない詩人のしるしがみっつ
額にもひとつ目が開き
静かに世界を眺めてた
詩のない詩人のしるしがよっつ
世にも不思議な夢を見て
夜通し踊りを踊ってた
詩のない詩人のしるしがいつつ
いつでも口をつぐんでた
口をつぐんで歌ってた
詩のない詩人のしるしがむっつ
岸の向こうに住んでいて
無理にはこちらに来なかった
詩のない詩人のしるしがななつ
ないない尽くしの無能のくせに
なぜか楽しく生きていた
詩のない詩人のしるしがやっつ
やっぱりたまにはさみしいけれど
やんわり世間はおことわり
詩のない詩人のしるしがここのつ
この手できみの想いをつかむ
この世の果てまで連れてゆく
詩のない詩人のしるしがとう
とうとうここまでやってはきたが
いちからいつものやり直し
詩のない詩人は死なない詩人
永遠の今を泳いでる
無限のかけらと揺れている
[有料部にはあとがきを置きます。投げ銭がてら読んでいただけたら幸いです]
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