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#2 共感力の非定型的発達っていうんかな
Ψ 今日未明午前3時、うちの奥方に起こされました。
全身が痛いというので、救急車を呼ぼうと言ったら、それはいいと言う。生姜はちみつ湯を作り、足湯をし、背中、腰、足のマッサージ、そしてベッドのマットが湿気て冷えるというので大きめの毛のショールを敷く。それでどうやら寝られて、丸2日以上続いていた高熱がようやく峠を越したと、朝になって聞いてようやくほっと一息つきました。
Ψ こう書くとまるでぼくは、甲斐甲斐しく奥さんの看病をするいい夫のように思えるでしょうが、実情は全然違うので、その点について一言。
夜中に起こされていろいろやらされて、しかも様々な細かい注文があるので、「参ったなー。勘弁してほしいなー」とか思いながら、そして何とか機嫌を損ねないようにと冷や冷やしながら、どうにかこうにか自分の務めを果たしているにすぎないのです。
その上看病の合間に考えるのは「もしこのまま彼女が死んじゃうとしても、今いやいややってる気分をどこかに抱いたまま、その死が現実になったときも、下手をしたら、涙も流さずにいるかもしれないな」などと考えているのです。
こういう妙な考えが浮かぶのは、多分「共感力の非定型発達」とでもいうべき、軽度の発達障害の一種だろうと思っています。
Ψ こういう恰好のわるい話を書いていると、太宰的な露悪趣味が感じられて、あまり気持ちがよくないのですが、というか、背筋におかしな気配が走ってまったく落ち着かない気分になってしまいます。
Ψ でもこれは、決して露悪的な意図で書いているわけではなくて、なるべく素直に、ありのままの自分をとらえて、そしてそのもつれた感情というものを、人さまの目に晒すことで成仏させてやろうという、全くささやかな試みなのです。
Ψ 人に見せたくないような非道徳的な想いを、あからさまに書き立てるようなことは、普通に暮らしていられる方々にとっては、どうしても露悪的な表現に受け取られてしまうでしょうから、そういう方々にわざわざこのような文章を読んでほしいと思っているわけではありません。
Ψ 多数派が何かと優先されるの人間社会の中で、何らかの居心地の悪さを感じたことのある皆さまならば、今日書いたような「恰好のわるい話」についても、直接そういう体験はないにしろ、何となく分かる気がするな、と思ってもらえるのではないかと想像しています。
Ψ この文章が、これを読んでくださっている皆さんの中の「恰好わるい部分」の供養としていく分かでも役立ち、多少ではあってもその成仏の助けとなりましたならば、それに勝る歓びはありません。
Ψ てなわけで、今回はこんなところで。それではみなさん、ナマステジーっ♬
※ トップの写真は、昼過ぎにチャイを買って帰るとき、待ち時間に撮った小雨降る街角の風景。恰幅のいいインドのおばさまが偶然ど真ん中に入りました。
(北インド・ハリドワル 2021-08-20)
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