3.4(15/89日目) エステポナ
朝9時。
「じゃあね。またどこかで〜。」
ぼっちゃまクンはモロッコへのフェリーが発着する港町アルヘシラスに向かうため、とっとと先にチェックアウトしていった。
最後までマイペースな人だった...。
1時間後、自分もチェックアウトしてバスターミナルへ。
途中、歩道を歩いている際にで犬のう○こを踏んでしまったが端っこだけだったのでギリギリセーフ。
スペインでは犬の散歩をする人をたくさん見かけるが、犬のう○こもたくさん見かける。持ち帰るという習慣がまったくないらしい。乾燥しているからすぐに砂のようになって飛んでいってしまうのだろうか。
きれいな公園があっても必ず匂う地帯がありそれはそれはとてもがっかりするものである。
11時。長距離バスに乗車。
エステポナには2時間程で着いた。
エステポナの人口は4万人、「街」というより「町」と呼んだ方がしっくりくる。
バスターミナルと呼べるバスターミナルは存在せず、バスを降りるとバス1台が停まれるスペースと簡易的な待合室があるだけだった。辺りは車の騒音も無ければ人々の話し声も聞こえてこない。
バスを下車し待合室のシートに腰掛け、どこに向かおうかとぼっちゃまクンからもらった「地球の歩き方」を眺めていると、2歳くらいの現地の男の子が笑顔でタタタッと駆け寄ってきた。
極度の人見知りなので気付かないフリをしようと思ったが、1ミクロンも淀みのない瞳で見つめられたので笑顔を返すと、その子のおばあちゃんらしき人が後ろからやってきて自分に話しかけてきた。
もちろんスペイン語だったのでまったく何を言っているのか聞き取れなかったが、どうやら
「孫がほっぺにチューをしたいと言っているからさせてあげておくれよ。」
と言っているようだ。
推察力に秀でているわけでもなんでもなく、おばあちゃんが孫を抱き抱え自分の頬2cmのところまで孫のお顔を持ってきていたので間違いないと思った。
希望通りその子にチューをしてもらいエステポナの歓迎の儀式となった。
赤の他人、しかも違う人種の人間に警戒心を抱かない懐っこい子を見てかなり田舎まで来たんだと実感した。
こんな映画のワンシーンのような平和で幸せな出来事が起こっても良いのだろうか。エステポナ、早くもリピート決定である。
おばあちゃんと男の子と別れ、インフォメーションまで歩き安いペンションを紹介してもらった。
着いたペンションは「歩き方」にも載っていたPension San Antonio。本には2,500Ptsと書いてあったが今はシーズンオフらしく1,500Ptsにマケてくれた。
しかしグラナダで会ったデニムさんは、エステポナで3,000Ptsのホテルを1,000Ptsに値切ったと言っていたので、試しに
「5泊するから1,000Ptsに下げてくれないか?」
と頼んだところジェンダーレス風なスラッとした受付の青年が
「まぁ、、いいわよ。その代わり部屋のクリーニングはナシよ。」
と了承してくれた。大成功。
部屋に荷物を置き、エステポナの街へ繰り出す。昼食はまだだったので、ホテル近くのチャイニーズレストランに入ってみた。スープ、やきそば、肉料理のセットで800Pts。かなりのボリュームがありおいしかった。
チャイニーズレストランはどこの街に行っても必ずといっていいほど存在する。しかし現地の人からはChino=チノと呼ばれ、少し区別されているようだった。
それでも異国の地に根づいてしまう華僑の人たちのたくましさといったら。個人的には日本食が恋しくなった時に駆け込めるので有難い存在である。
食後、散歩がてら歩いてすぐのところにある海岸に行ったみた。噂に聞いていた地中海である。
日本の汚れた灰色の海とは違い真っ青で、海の色と空の色がまったく同じ青色、船がいなければ水平線がどこにあるのか分からないほどだった。
海に癒やされホテルに戻り今日は終了。
昨日の晩から前歯が少し痛み出したが旅の疲れのせいだと信じたい。
本日の出費
朝食 400Pts
昼食 800Pts
長距離バス 785Pts
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