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 使い勝手が悪い「ハザードマップ」  ~ オープンデータ+VRで「使えるツール」に仕立て上げる提案 ~

 今年の8月の台風10号には、広範囲で多くの人が「警戒レベル4『避難指示』」、「警戒レベル5『緊急安全確保』」といった緊急避難情報に翻弄された。

 正直な話、大雨の降る真夜中に突然けたたましく鳴り響くスマホからの緊急避難情報で、いったいどれほどの人が避難したのか疑問に思った人も多いだろう。

 異常気象が状態する中で、今年も含め今後ますますこのような事態が発生することは、火を見るより明らかだと思う。

 そこで、全てを他人頼みにせず、せめて防災用品や避難用品の備えをし始めたが、ニュースなどメディアからは、二言目には「ハザードマップの活用」を呼び掛けるが、実際に我が静岡市のハザードマップを見ようとすると、次のような行程を経て、例えば「静岡市洪水・土砂災害ハザードマップ」に辿り着くことが判った。

≪検索≫「ハザードマップ 静岡市」 ⇒ 「洪水ハザードマップ」表示 ⇒ ≪クリック≫ ⇒ 「静岡市防災情報マップ一覧」表示 ⇒ ≪クリック≫ ⇒ 「河川名」欄から「葵区 服織・服織西・南藁科・中藁科地区」のPDF(地図面) ≪選択&クリック≫ ⇒ 「静岡市洪水・土砂災害ハザードマップ」が表示される

 実際にハザードマップを開いてみると、そこには川沿い(ここでは「藁科川」)に、赤、青、茶色などの斜線と着色で色分けされた地図が現れ、そこに「凡例」が書き添えられている。

 その凡例により、「浸水に関する情報」、「土砂災害に関する情報」に区分され、それぞれ「最大浸水深さ」や「急傾斜の崩壊」、「土石流」に関する警戒区域などが表示されている。

 果たして、この地図を見てどのように行動すべきか的確に判断することができる一般人がどれほどいるのか疑問に思う。

 そのようなことを常々思いながらも、ただただ毒を吐いていても、その毒は回りまわって自分に降りかかるだけだと反省したが、さりとてどうすればよいのかという考えも中々思いつかない。

そうしているときに、かつて静岡県のオープンデータ利活用について関わったこともあり、最近では現実空間をレーザスキャナ等で広範囲に測量することにより「3次元点群データ」を取得・蓄積し、オープンデータ化する取組みを採り入れた「VIRTUAL SHIZUOKA構想」を県が展開していることもあり、これを活用しない手はないと閃いた。

 考えとしては、オープンデータにより得られた地図情報の上に、降雨量の変化に伴う各河川の浸水深度の変化などをVR(Virtual Reality=仮想現実)の手法により、ゴーグルやディスプレイに表示される画像により、リアリティのある浸水被害をVirtual(仮想的)に体感できるアプリを開発するということだ。

 さりとてアイディアは出ても、自分にアプリ開発の能力はないし、「今の時代、既にこのようなシステムが世の中に存在するのではないか」と思ってネットを検索したら、いきなりこんな情報が飛び込んできた。

「“3D版ハザードマップ”で日頃から防災意識を - 岡山理科大学教授が土砂災害リスクをVR化」という記事で、YouTubeで紹介されているのでご覧いただきたい。

他にも類似したものは存在するのかもしれないが、要するに、「ハザードマップの活用」をお題目のように唱えるだけでなく、ICTの活用により、現実に即した方策を提供することを行政にも求めたい。


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