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「一陽来復」

 今日12月22日は、「陰が極まって陽にかえること」、即ち冬至であり、「冬が去り、春が来ること」の意味を込めて「一陽来復」ともいわれる。
 あと2日経つとクリスマスイヴを迎えるが、「クリスマスはイエス・キリストの誕生日」とは誰言うた? それがどうも違うらしいのだ。
 そこで、これに関する文献を紐解いてみた。

 12月25日がイエスの誕生の日とする最古の記録は、4世紀のローマの「殉教者帰天日表」にあるという。しかし、地方によって1月6日に祝っているところもあったらしい。ちなみにロシア正教会は、今でも1月はじめにキリストの降誕を祝っている。
 ローマ帝国内では、太陽崇拝が広く行われ、ローマ暦では12月25日が冬至で、この日を太陽誕生の祝日として祝っていた。カトリック教会はこの祭日を取り入れ、「正義の太陽」であるキリストの誕生の日として祝うようになった。また、カトリックでは、このクリスマス(降誕祭)の4つ前の日曜日から、クリスマスの準備に入り、この期間を「待降節」と呼んでいる。
         (「待降節とクリスマス(降誕祭)とは?」から引用)

 キリスト教が世界に広まるずっと前の古代からいつの時代も人類は、冬至を境に戻ってきた太陽の光に対する感謝が捧げられていた。例えば、今でも謎の多いアイルランドのニューグレンジ古墳など、有史以前に建設された巨大遺跡は、冬至の日の出に太陽の光がちょうど意図した位置に当たるように造られているという。

 それは何も海外の話だけではなく、我が国にも古来、冬至を祝う風習が各地に残されている。その一例に伊勢神宮の「神宮祭」がある。冬至の前後2カ月間は、伊勢神宮の宇治橋と鳥居のまん中から朝日が昇り、それは神々しい光景を醸し出すそうだ。毎年冬至の日に「冬至祭」が開催されている。

 我が家でも、ここ数年恒例となった「イエス・キリストの誕生」を中心にした飾りつけが、部屋の片隅に飾られた。

 いずれにしても、明日から昼間の時間が長くなると思うと、ちょっと嬉しい気分になる。

                     2021年12月22日 冬至 by Tosh


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