今年のWWDCは、2015年または2017年のGoogleI/Oを見ているようだ、という声を海外ツイートでちらほら見かけました。

こちらが2015年の様子。Nexus 6懐かしい・・・大好きでした。

セキュリティやアシスタントのあたりでしょうか。

こちらが2017年の様子。

PIP、Instant Appsのあたりでしょうか。

うーーーん。確かにAndroidは、今回のWWDCで発表されていたことについて、先行してリリースできていました。しかしそれを活用されていたかというと、100% YESではないと思います。

ウィジェット

これはAndroidの専売特許的なところがありましたが、遂にiOSが採用しました。しかしAndroidのウィジェットは、実は衰退気味だったりしています。ウィジェットをサポートしているアプリが少なく、サポートしていても作り込みが甘かったりします。デザインであったり、操作性であったり。おそらく、ウィジェットを開発するコストが、おそらく見合わないのでしょう。また、Androidも最近はHome画面のデザイン性に拘ってますが、この化石とかしているウィジェットを放置し続ける限り、そのミッションは達成できないと思います。でも、便利なのは確かです。ですが、iOSはもっと魅力的に見えます。

Appライブラリ

こちらもAndroidの専売特許的なものでしたね。Home画面にアプリをズラズラと並べなくていい。これ、本当に理にかなっていて最高でした。また最近では、機械学習によって最近使ったアプリ、よく使うアプリ、インストールしたてのアプリをサジェストしてくれます。このあたりは、iOSは習った感じですね。しかし、アプリ一覧もやっぱりただ並んでいるだけでは、見つけるのが毎回大変。「あれ?どこだっけ?」は一週間に一回以上はしている気がします。その点、カテゴライズしてくれるiOSは賢いですね。差別化というと、AndroidはSlicesという便利なサービスを提供してますが、実際、一度も使ったことはありません。

App Clips

Android Instant Appsと類似する機能ですね。これが発表された当時は、なんて革命的なアイデアなんだ!!!と歓喜の声を上げたものです。ストレージばかり食うiOSに比べ、この頃はエコシステムによってストレージを必要としないAndroidに心をときめかせました。そしてその決定打になるようなサービスに感じられました。しかし、Instant Appsを使ったことは、1〜2回だけだったと思います。なぜそうなったかと言うと、Googleがそのサービスを利用するシーンとシナリオをデベロッパーとユーザーに用意できなかったからだと思います。その点Appleは戦略的ですね。App Clipsを、Webだけでなく、Locationという行動に紐づくトリガー、NFCやQRコードというオフラインの着地点に紐づくトリガーに関連付けました。また、独自のビジュアルコードによるブランディングと、それを見れば「使える・使ってみよう」というシナリオを作り上げました。Appleの考えるInstant Appは、アプリの中の出来事でなく、オフラインの中の出来事となるタッチポイントですね。GoogleはEddystoneという、URLを配信できるビーコンというアイテムがあるというのに、こちらもうまく活用することができませんでした。これは、完全にAppleに軍配が上がりそうですね。すでに使ってみたいとワクワクしています。

Androidが勝っているポイントはどこ?

正直、まるでオセロのように、Apple色に塗り替えられている印象があります。それでもAndroidが勝っている点はなんでしょうか?

まずは何より、メーカーとデバイスの数は多いことでしょうか。人によってスマホに求めている価値は違います。一眼並のカメラであったり、より大きな画面であったり、軽くて小さいボディだったり、何よりも最先端の技術が使えるなど、色々あります。その時その時のニーズによって変えながら、同じOSを使えることは一番のメリットでしょう。

給電方法がType-Cなのもメリットと感じています。既に、Mac、iPadはType-Cです。他のアクセサリも含め、規格が統一されていることは利便性だけでなく、サステナブルでエコだったりします。あれ?これってAppleが描いてたものではなかったかな。これはいつしか逆転したポイントですね。

Googleアシスタントの優秀さと、Google Homeデバイスたちとのシームレスさは、常に未来を感じさせてくれます。Googleレンズも素晴らしく、僕は毎日、英語の記事を読むのに活用しています。しかしこの領域は、今回のWWDCで、もう少ししたらAppleが追いつきそうな気配が漂いましたね。

カメラのシャッター音、これは重要ですね。iPhoneの「バッッシャーッ」っていう下品な音は、本当に嫌いです。こんなにもサウンドに拘るAppleが、どうしてこれだけ下品なのか。なんとかしてくれませんかねぇ。その点、Androidのシャッター音はどのメーカーも素晴らしいです。カメラのダブルクリック起動も素晴らしいです。

意外にもこれがないと困るというのが、Home画面を右にスライドしたときに出てくるニュース。これは個人の趣味嗜好に合わせて、タイムリーなニュースを届けてくれます。これが本当に優秀で。これによって趣味や仕事だけでなく、妻の趣味嗜好に関連するネタを仕入れることもできたりします(検索することが多いので)。偏りはありますが、自身の人生を豊かにするための情報収集は、新聞を読むより、Googleを読むほうが良いと感じるほどです。iOS版Googleアプリにもこの機能はありますが、醜いほどに動きが鈍いです。まるで5年前のGoogleを見ているような・・・あれ?

あとはアンビエントモードは便利です。これはどうしてiOSは採用しないのか。Apple SiliconにAlways-on processorの名前があったので、そのうち実装されるかもしれませんね。

背面の指紋認証と、指紋センサーを使ったジェスチャーはお気に入りです。ですが、Googleはこの大切な機能を捨ててしまいました。アクティブエッジは使いませんが、この指紋センサージェスチャーは四六時中使ってます。代わりにAppleは、次世代iPhoneで背面タップジェスチャーを採用するので、これはAppleに軍配が上がりそうです。


iOSとAndroidの戦いはまだまだ続きますね。しかし今年のWWDCは本当に印象的でした。そしてこの時代、この時だからこそ、強いメッセージを残すこともできたかと思います。Googleは、今年のI/Oを中止にしたことは、従業員や来場するデベロッパーの安全を守ることに成功したものの、企業として世界にメッセージを発信することと、未来を見続けさせるロマンを与えることには失敗したと思います。Androidの機能発表もまだ未定です。近々あるでしょうが、このハンディをどう巻き返すことができるのか。このまま沈黙が続くようであれば、20年代は再びAppleの時代となりそうです。

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