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アリ?ナシ?『経歴を盛る』-自衛官の再就職・転職-

この前転職関連の動画を見ていて、結構衝撃的なことがありました。

それは、『経歴は盛れ!』というものです。

例えば営業職。その配信の内容を要約すると、

『自分自身が積極的にやっていなかったとしても、新規契約先が3件取れたら「積極的に働きかけた結果、3件の新規開拓を実現した」と書きましょう!盛りましょう!』

とそのyou tuberは言っていました。

開いた口がふさがらない、とは正にこのことです…。。
この意見に八木は真っ向から『反対』です。

特に自衛官の転職・再就職においては、『大反対』です。

理由は2つあります。

一つ目が、『どうせバレて落ちる』

二つ目が、『転職先で自分が困る』

『どうせバレて落ちる』

あなたが仮に自分が部分的に関わった仕事を、あたかもあなたが全ての担当であったかのように伝えたとします。

まずこのようなエピソードに対して面接官はどのように思うでしょうか?

答えは、『疑ってかかる』です。

面接官はビジネス経験豊富な方が多いので、今までに部下のたわいもないウソや取引先とのギリギリの交渉を経験しています。

そんな経験豊富な人にエピソードを盛って話をしようものなら、すぐに根掘り葉掘り聞かれて、ウソであることがバレます。

経歴を持ったことがバレれば当然印象は最悪なので、受かるものも受からなくなります。

私自身何回か面接をしていて、経歴を盛った方にお会いしたことがあります。

ですが、職務経歴書を読めば大体「盛っているな」ということわかります。
そして実際に以下のことを聞けばだいだいウソだということがわかります。

・なぜその成果が出たのか
・なぜそれが問題だと思ったのか
・どうやって達成したのか
・その達成に際して克服したハードル

などなどを聞けば、それが盛られた経歴だということもわかります。

ということで、どうせバレるのでやめましょう。


面接官をなめてはいけない。。

『転職先で自分が困る』

自衛隊の入隊と違って、転職や再就職の面接の面接官は『直属の上司」であることが多いです。

またその上司とは長い付き合いになる可能性が高いです。

その直属の上司との面接であなたが「盛った」経歴を話したとします。

当然その盛った話が前提として仕事が進むため、あなたが実際には経験したことのない仕事が割り振られます。

そうなったとしたら、困るのはあなた自身です。

そして、その仕事に支障が出た場合、あなたの話を信用して、あなたに仕事を任せた会社側にも支障が出ます。

迷惑がかかる先は、あなたの所属部署内だけに限られるかもしれませんし、お客様に迷惑がかかる場合もあるかもしれません。

この前もこんな話を伺いました…。

「盛れ」と主張するエージェント

とある部隊で各小隊をとりまとめる総括班の班長として勤務していた幹部自衛官がいました。その部隊は隊長以下150名ほどの部隊。

そこの総括班長が転職を考えており、転職エージェントに相談したそうです。
相談する際に職務経歴書の話になり、こう言われたそうです。

「統括部署にいて、150名の隊員がいるんだから、部下150名と書いて良いですよ!盛って大丈夫です。」

その幹部自衛官は素直にそのエージェントのアドバイスにしたがって、「部下150名」と職務経歴書に書いたそうです。。

これは典型的な誤りです。

部下を直接持っている隊長と部下の状況を統括する総括班長とでは、責任の重さがまるで異なります。

これは隊長職を経験した人にしか分かりません。
私自身総括班長・隊長職両方の経験がありますが、隊員との接し方はまるで異なりますし、考えていることも異なります。

何より危惧すべきなのは、仮に総括班長が「部下150名」と記載し、それが評価されて次の職場に行った場合、150名の従業員を指導する立場になる可能性があることです。

その仕事を任されて、特に問題なくできるなら問題ありません。
ですが、そんなにうまくいかないでしょう。

そうなったら、あなたの評価そのものが下がります。

結果として困るのはあなた自身です。


困るのはあなた自身です。

以上の2つの点から、「経歴は盛るな」というのが私のスタンスです。

じゃあ実際にどうやって経歴を棚卸しすれば良いのか、ということについてはコチラの記事で書いていますので、参考にしていただければ幸いです!


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