脱がしたいより解したい
脱がしたい<解したい
皆さんの仕事で職業病ってありますか?
街で、電車で、職場でセーターを着ている素敵な女性がいます。一般的な男性ならきっと「脱がしたい」って思ったりするんじゃないでしょうか?
糸を扱う仕事をしていると、それは「解したい」になるんです。新潟弁で言うと「ほごしたい」です。
その女性が着ているセーターの糸が何なのか。。。何ゲージ?番手は?撚り数は?混率は?「その糸知りたい!!!」ってなるんです。
よく漫画やアニメであるセーターを引っ掛けてしまって、気づいた時には。。。ってやつです。(実際には編み方向が逆なのであんな綺麗に解けたりしませんけどね)
残念ながら、最近は”毛混”と呼ばれる合繊が混ざっているセーターが多いですが、もし、変わった糸のセーターを着ている時に熱い視線を感じたら、それは糸屋さんかもしれませんね。
右に捻る?左に捻る?
「この糸リプロできませんか?」
さまざまな理由でこんな宿題を貰います。そんな時は一緒に糸を解してみます。
一般的に左(Z)に撚って糸は紡出されます。単糸というやつですね。多くの場合、ニットでは単糸で使うと斜行します。なので、合わせて右(S)に撚糸します。双糸とか3子というやつですね。このバランスが取れると曲がらない編み地ができます。
なので、左に捻る事でどんな糸が合わさって構成されているのかわかります。荷札とかコヨリなんかを左に捻る人がいたら撚糸屋さんかもしれませんよ。
単糸の状態にまで解した糸は右に捻ると原料構成がわかります。それでもわからない時は、燃やしてみます。燃えた後の状態と匂いで判断します。タンパク質なのか、セルロースなのか合繊なのか。もしタバコも吸わないのにライターを持っている人がいたら紡績屋さんかもしれません。
不思議な糸を見つけたら左に右に捻ってみてくださいね。
白髪発見!!
先日、42歳になりました。この歳になると白髪がだいぶ増えました。
最近では何気なく髪に触った瞬間わかります。
「これは白髪だ!!」と。
人間の髪はだいたい50μと言われています。セーターに使うウールはだいたい20μ前後、カシミヤは15μくらいです。ウールの種類もおおよそ見当がつく位なので白髪もわかってしまうんです。
ちなみに、白髪染めの薬品を作っている会社で染色用の薬剤も作ってます。同じ毛ですもんね。
こんな人達が糸を作っています。