ニットの魅力
認められた瞬間
業界の人間に話すと嘘だと言われますが、僕の糸のプレゼンは最長で5時間かかります。
5時間で打ち切ったというのが正解で、それを聞いていたのは日本で最もニット製品を売っている人です。ニットの話になると、際限が無いのです。
もう60歳を超えていますが、今でも現役で仕事をしている編みのプロです。
そんなおじさんと先日食事をしました。
「聞いてくださいよ。僕おかしいんです。ニット着てる女性いるじゃないですか?肩甲骨からスッと落ちるあのライン見るとゾクゾクするんですよ!!」
「タカムラちゃん、バカだね〜。あのね、それ俺も同じ!!」
編みのプロに認められた瞬間です。
良いニットって?
ピンと来ないかもしれないので説明しますね。
ニット製品は裾から編み始めてネックまでひと続きなんです。カットソーだと、リブは後付けなので着用時のシルエットに大きく影響は無いですが、ニットの場合、リブの重さによってシルエットが変わってきます。極端な話、リブの長さやテンション、身頃の組織が変われば、着用時の印象が違うものになってしまいます。
それは糸も同じです。ですので、原料や撚り数、形状による糸のパワーが見た目だけでなく、シルエットにも大きく左右します。バランスが良くないとニットが成長しちゃったりします。
でも、それを確かな知識とサンプリングでコントロールできる所がニットの楽しさなんですよね。
コロナの影響でECサイトでのお買い物が増えています。今はどのサイトも採寸結果が表記されていますよね。あれは置いた状態で採寸されています。
人によって肩の大きさや裄が違うので、ニット製品は同じサイズバランスでも着た感じがイメージ通りではないかもしれません。
可能であれば、一度試着して欲しいというのが本音ですが。。。
試着なしで間違いないニットを買うコツは追々。。。