助走
物を作るには時間がかかります。当然ですが。
当然、糸を作るのにも時間がかかります。いくつかの工程がありますが、分かりやすいのが皆さんが良く紡績の動画で観る精紡機。
糸の長さの分、時間がかかります。細ければ細い程長い糸を巻き取らなければいけませんので、1分間の回転数を撚り回数で割れば、1分間に出来る糸の長さが分かります。番手をそれで割れば、1kgの糸が落ちる時間が分かりますよね?
最近はオーダー書の出荷希望日に
本日出荷お願いします。
って書いてあります。
無理です。としか言えないケースの方が多いです。
前が悪いという理由で、短納期の案件が話が多数転がってます。よく分かります。その立場にいましたからね。でもね、
はい!跳んで!!
って言われても跳べないんですよ。
それで今日のタイトル助走です。
展開時期、編み立てスタート時期、ファイナル提出日、会議日、サンプル提出日、サンプル依頼日etc.
何でもいいんです。
オーダー書ください。も大事です。言った言わないが必ずある業界ですから。
ですが、これ行きますよ!!の合図があればスタートできるんです。
実際、先程書いた工程の時間ですが、(大きな声では言えませんが)そんな大した時間では無いのです。
大事なのは、どこでどんな風に順番に並んでいるか。どの情報でその工程に入るか。
パッと思いつくだけで、1枚のセーターが作られるまでに10工程以上あります。その中にボトルネックになる工程がいくつか存在します。そこって、全く納期が読めない。けど、間違いないのは、手のかかる工程に無理なく仕事を繋いでいく事が納期短縮に最も大事な事だという事。
そこで大きく跳べるかどうか。それが納期を一気に短縮するために必要なんです。
その為の助走。
その為の情報。走るも止まるもそれにかかっています。
勢いありすぎると、ファウル(止まれない)しちゃいますからね。