ベーシックってなんぞや?
「ベーシックって聞いて何を想像しますか?」
雑誌の特集とかで「間違いないベーシックアイテム」とか、会議で「この枠はベーシックで数を積んで〜」とか聞いたりしませんか?
「ベーシック」って聞くと、丸首だったりVネックで色は白とかグレー、ネイビーを想像してると思います。
バイヤー時代、知恵問答的な感じで「ベーシックとは何ですか?」って面談の度に聞かれていました。
残念ながら、万人受けして、コーディネートに当たり障りの無く、何の癖も特徴も無いオーソドックスなアイテムは答えとしては不正解だと考えます。(一部では正解ですけども)
最強のベーシック『ウォークマン』
もしかすると若い人は知らないかもしれませんが、1979年にソニーが発売したポータブルオーディオプレーヤーです。
それまで静かな空間が必要であったのに対し、いつでもどこでも自分ひとりだけで良い音の音楽を聴くことができる。それまでの常識を覆し、新しい文化を生み出したツールというのは、物作りする我々の目標ですね。
『ウォークマン』という商品の特徴が、場所を選ばず自分ひとりの音楽を楽しめるというポータブルオーディオプレーヤーの代名詞となり、ベーシックラインとなったわけです。
ベーシック=ブランド
ブランディングという話題になると物凄く熱を持って話されるのに、いざベーシックの話となると途端にトーンが落ちるディレクターやMDをお見かけする事があります。
「この枠はベーシックなので普通なのでいいんですよ。」
こちらとしては、そのブランドの特徴的な素材を提案しているわけで話が全く噛み合わなくなります。
「ベーシック」とはブランドの持つ癖や特徴で当たり障りがあって良いものだと思います。ブランドが持つ味とか顔がそのブランドのベーシックラインなのだと。
ネック周りや袖の付け方、それこそサイズ感だったり洗いの感じだったり。前回話したリブ の大きさもそうです。
決して万人受けするものではないかもしれませんが、そのベーシックが認められた時、ブランドとして爆発的な売れ方したり噂になったりするんでしょうね。
余談ですが、意外とディレクションしている人より、現場の人の方が気付いてたりして、「あのDはここの仕様こうしておけば、だいたいOKだからwウケるw」ってデザイナーと生産が飲みながら大笑いしてました。
みなさんの「ベーシック」って何ですか?