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気持ちいい営業を受けた話

ご無沙汰しております。

先日起きた出来事を手短に書きます。

「気持ちいい営業を受けた」この一言に尽きる話です。


先日、スーツ屋さんにスーツを買いに行きました。

後日着る機会があるので、新調しにいったのです。


立ち寄ったのは渋谷のスーツチェーン店。

世の中には似たような「スーツ●●(ファクトリーとかカンパニーとかそういう)」みたいなお店がたくさんありますが、そのうちの一つです。

そこの店員さんの接客というか営業が一流でした。学びが多かったので記憶が新しいうちに書き残しておきます。

彼のどんなところに感銘を受けたか。

所作、クロージングまでの展開すべてが美しく、すべてを書き表せないが、一部印象的な部分のみ書きます。


1.自分のスタンスを表明する営業トーク
2.顧客の不安を取り除くクロージング
3.十分な製品の知識と適切な案内

この3つです。


1.自分のスタンスを表明する営業トーク

私は2種類のスーツで迷っていました。

グレーのスーツとネイビーのスーツ。

彼ははっきりと「僕ならネイビーを選びます。なぜなら~...」と、はっきりと自分自身のスタンスを私に表明をしてくれました。

グレーを否定はしなかったが、端的にネイビーを選ぶべき理由を説明する彼。

その説明に筋が通っていたこと、自分であればどうするかをはっきりと表明するその姿に、この人は信頼がおけると感じました。

中田敦彦も言っていましたね、Z世代の時代においては、表明することが信頼を勝ち取るって。(僕はY世代なんですけどね。)

この時点で、彼は僕からの信頼を得、「買うならこの人から買おう」と思わせたのです。これはすごい技術。


2.顧客の不安を取り除くクロージング

彼はクロージングも素晴らしかった。

僕が鏡の前で迷っている間は沈黙を作り、意見を求められたら適切な情報と自分自身の意見を端的に述べる。

そして、彼の勧めるネイビーのスーツを試着し、「これでいこうかな。どうしよう。」と僕が発した時に、自信満々に「それだったら間違いないです。」というシンプルなフォロー。


これは実はなかなかできない。

顧客はどんなときも「買わない理由」を探しているものです。

その日の僕もそうでした。

正直、僕はその日買う気半分、ウインドウショッピング半分のつもりだったんです。

なのに僕がその日買ってしまったのは、彼に対する信頼を持ったこともあるが、「買うことの責任の片棒を担いでくれたから」というのも要素としてある。

そんなに自信満々に勧められたら買うか...と、言い訳にできるわけです。

「いいと思ったのなら、今買ってください」とはっきり言えずに、顧客に判断を委ねてしまう営業は実は多い。

自社の製品に自信を持ち、顧客に勧めるある種の強引さが顧客に対して結果としてよい接客、よい体験になることもある。



3.十分な製品の知識と適切な案内

彼は一度も「どちらもお似合いですよ。」などの曖昧な表現を一切しなかった。

その代わりに、彼はそれぞれのスーツが持つディテールを話してくれた。

ポリエステルが混ざっている生地は耐久性がどうとか、シルエットよりも色を基準に選んだほうがいい、とか。

曖昧な表現は一つもなく、この点ではこちらが優れている、などとはっきりと差異を伝えてくれた。

これもまた、彼がプロフェッショナルであることを際立たせた。


以上ですね。

彼は営業のプロフェッショナルだった。

もう一ついうと、それを購入した後に顧客に訪れる姿をイメージさせることにも彼は長けていた。

数万円のスーツの購入体験だったが、短時間で多くの学びを得られてとても有意義な時間になった。

彼から買い物ができただけでお金を支払った価値があったように感じた。

いい営業パーソンというのは、対峙した顧客に気持ちよく金を支払わせることができ、支払った対価以上の価値を感じさせることができるものなのだと彼から学んだ。

自分も営業に携わる者として参考になり、彼のようなプロフェッショナルになりたいと感じたいい時間だった。

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