# 33 最適化後の廃棄物発生量の推計値と統計値の比較と相関の検定
#30にて、移輸入や移輸出、消費や固定資本、在庫を考慮に入れていないことに気づき、#16から計算をやり直すことについて言及しました。
計算をやり直していたのですが、最適化計算の部分で、どうしても腑に落ちない推計結果となり、困ってしまっていました。
算出式に今一度立ち返る
そこで、大本というか、廃棄物発生量を算出する算出式をもう一度、振り返ってみることにしました。
廃棄物発生量を推計する段階では、産業連関表187産業の投入と産出のみに着目し、移輸入や移輸出、消費や固定資本、在庫は一切、算出式には登場してきません。
なので、移輸入や移輸出、消費や固定資本、在庫を考慮いれないで、再度、重量単価初期値における廃棄物発生量の推計値Wxを計算し、統計値との比較及び相関をとってみます。
重量単価初期値における廃棄物発生量の推計値と統計値の比較
以下が、重量単価初期値における推計値と統計値の比較表になります。
和歌山県では製造業24業種のうち9業種が負の値をとっています。そのうち、木材、その他製造業、パルプ・紙が大きくずれています。
重量単価初期値における推計値と統計値の相関
次に、重量単価初期値における推計値と統計値の相関を示すと、以下のようになります。
相関係数は0.476となります。
続いて、以下の式の評価関数を用いて、目的関数zが最小となるような重量単価の再設定を行いました。
最適化後の廃棄物発生量の推計値と統計値の比較
最適化後の廃棄物発生量の推計値と統計値の比較は、以下の表のようになります。
最適化後の推計値と統計値の相関
また、最適化後の推計値と統計値の相関を示すと、以下のようになります。推計値が負の値をとる石油・石炭、業務用機器、輸送用機器と、統計値が0である印刷、非鉄金属、情報通信機器の6分類はグラフから除いています。
先述の6分類を除いたときの相関係数は0.974。
相関の検定
以下のサイトに、t分布表が掲載されていたので、参照しました。
また、以下のサイトを参考に、推計値と統計値の相関の検定をやってみます。
1.まずは、仮説から…。
帰無仮説:”2変量に相関関係がない。”
対立仮説:”母平均と標本平均には差がある。”
2.有意水準 α を決め、そのときの t 分布の値 k を t 分布表より得る。
上の表からX,Yの相関係数を求めます。
3.検定統計量Tを計算します。
T = 相関係数×√(データ数 - 2) / √(1 - (相関係数) ^ 2)
4.T>k で帰無仮説を棄却し、対立仮説を採用。つまり、有意水準αで2変量には相関関係があるといえます。
有意水準は、1%とします。自由度が16なので、1%水準(両側検定)のt分布の値kは、2.9208。
検定統計量T = 0.974√(18-2)/√(1-0.974^2) = 17.29。
T>kより、帰無仮説は棄却され、対立仮説を採用。つまり、有意水準1%で2変量(推計値と統計値)には相関関係があるといえます。