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#64 H23年度岩手県製造業の物質フローの推計

今回は、以下の式の評価関数を用いて、目的関数zが最小となるような重量単価の再設定を行うところからスタートです。

評価関数の式

推計には、pythonの最適化計算のライブラリPyomoを用いました。
最適化計算の一連の流れについては、以下の記事を参照してください。

最適化した重量単価におけるH23年度岩手県廃棄物発生量の推計

最適化した重量単価におけるH23年度岩手県の廃棄物発生量の推計値と統計値

推計結果を表64-1に示します。また、図64-1に、再設定した重量単価によって推計した、H23年度岩手県の製造業24分類の廃棄物発生量と実態調査報告書の値を比較したものを示します。

表64-1 最適化した重量単価におけるH23岩手県製造業の廃棄物発生量の推計結果

図64−1では、統計値が0となる2業種(石油・石炭、皮革)はグラフから除いています。

相関係数は、0.998となりました。

図64-1 最適化後の重量単価におけるH23岩手県製造業の廃棄物発生量の推計値と統計値の相関

最適化後の廃棄物発生量の推計値と統計値の相関の検定

t分布表は、以下のサイトを参考にしました。

t分布表

有意水準は、1%とします。自由度が20なので、1%水準(両側検定)のt分布の値kは、2.8453。

検定統計量T = 0.998√(22-2)/√(1-0.998^2) =70.5945

T>kより、帰無仮説は棄却され、対立仮説を採用。つまり、有意水準1%で2変量(推計値と統計値)には相関関係があるといえます。

岩手県の製造業の物質フロー(H23)

岩手県の製造業全体の物質フロー(H23)

図64-2に、H23年度岩手県の製造業の物質フローを示します。

図64−2 H23年度岩手県の製造業の物質フロー

総投入25986ktに対して、廃棄物発生量520ktであり、全体の約2%が廃棄物となっています。

H17年度では、総投入全体に対して、約1%が廃棄物となっていたので、H17年度と比較して、H23年度は廃棄物発生割合が高くなっていることが伺えます。

総投入57070ktに対して、廃棄物発生量588ktであり、全体の約1%が廃棄物となっています。

#55 H17岩手県製造業の物質フローの推計

また、総産出25130ktに対して、他産業15278kt,、移輸出5077kt、消費2163ktとなり、H23年度の岩手県の製造業は、県内の他産業に製品を多く出荷していることがわかります。

H17年度と比較すると、H23年度は移輸出の割合が減少し、県内の他産業への出荷割合が増加したことがわかります。

また、総産出56013ktに対して、他産業10664kt,、移輸出32553kt、消費1770ktとなり、岩手県の製造業は、県外に多くの物質を移輸出していることがわかります。

#55 H17岩手県製造業の物質フローの推計

H23年度岩手県製造業で廃棄物発生量の高い輸送機器、食料品、窯業・土石の物質フローを示します。

岩手県の輸送機器の物質フロー(H23)

図64-3 岩手県の輸送機器の物質フロー(H23)

H17年度の廃棄物発生量が最も高い産業は食料品でしたが、H23年度では、輸送機器の廃棄物発生量が最も高く、製造業全体の約20%を占めています。

岩手県の食料品の物質フロー(H23)

図64-4 岩手県の食料品の物質フロー(H23)

H23年度岩手県の食料品における廃棄物発生量は、製造業全体の約16%を占めています。

岩手県の窯業・土石の物質フロー(H23)

図65-5 岩手県の窯業・土石の物質フロー(H23)

H23年度岩手県の窯業・土石の廃棄物発生量は、製造業全体の約16%を占めています。

また、産出量13586ktのうち、他産業11051ktが約81%を占め、窯業・土石産業は県内の他産業へ多くの製品を出荷していることがわかります。

H17年度と比較すると、移輸出量が約1/10に減少していることがわかります。


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