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トランスジェンダー母乳妖怪事件

とある日の昼下がり。
夫とベッドでイチャイチャしていた時のこと。

嫌がる夫に頼み込んでおっぱいを堪能していたわたし。
そのうちムラムラしてきて、ちゅっちゅと乳首まで堪能しだす。

???
ん?
なんか甘い気がする…?

『もー。やめてよ〜。』

半ば呆れ気味に夫が言う。

『それにさ、最近乳首が痒いんだよね…。』

『…(無視するわたし)』

ん?やっぱり、なんか甘いぞ。
ちゅっちゅモードから急激な助産師さんモードへ変わるわたし。

夫の乳首を捻る。
3本の指で色々な方向から。

『いったい!!』

痛いだ?そんなのはお構いなしだ!!
気にせずにマッサージを続ける。

でっ出た!!
やっっっっぱり!!


母乳が出たぁぁぁァァァァァァ!!!

乳管マッサージのお陰か?
皮肉にもぴゅーぴゅー出る!!


『ねぇ!母乳だよ!!』

興奮気味に伝えるわたし。

夫は愕然としていた。
そして…泣いた。

『ねぇ?俺なんか病気??母乳…母乳…。』

夫は項垂れていた。

あー。
ごめん…。

母乳が出たことに大興奮したわたしは、夫の気持ちなどすっかりフル無視だったことを深く反省した。

調べてみると、どうやら今飲んでいるお薬の影響のようだ。

よかった、よかった。
病気じゃなさそうだし、一安心。

それでも己の身体から母乳が出ると言うショックを隠しきれない夫を尻目にわたしは喜んでいた。

不謹慎なのは分かっている。
分かっちゃいるけど、やめられないってのが人間ってものだろう。

植木等のスーダラ節が頭をよぎる。
青島幸男はやっぱりすごい。


で、分かっちゃいるけどやめられねぇわたしはしつこく夫のムネにガブリついていた。


『うっひょーー!!ドリンクバーだぁぁぁ!!』

夫に白い目で見られたのは言うまでもない。

ちなみに。
泣きながら病院で相談した夫はお薬を変えてもらって、残念すぎるがもう母乳は出ない。

わたしの夢のドリンクバー生活は終わったのだった。

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