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仕事のトラブル

前職の時のお話。

外を一日中歩き回るような仕事をしていた。
歩きだけの日もあれば、自転車を使いながらの日もある。

その日はすごく良い天気だった。

黙々と仕事をこなしていく中、どうにもこうにも異臭がする瞬間があるのだ。
とは言えここは外だ。
そりゃあ異臭がする瞬間は珍しくはないだろう。
大して気にも留めずにいたのがウンのツキだった…。

しゃがみ込んだ瞬間にその時は来た。

うっわ。くっさ!!

鼻が曲がるとはまさにこのことだ。
己の身を持って経験するとは…。

異臭の原因を恐る恐る探す。
いや、血眼になっていただろう。

うわぁぁぁぁぁ!!
やだ!!
ウ○コ踏んでんじゃん!!


しかも。
しかも。
し、か、も!!

スニーカーのくるぶし付近まで迫り上がっているじゃないか…。
ものすごい大量だ。
ものすごい勢いだ。
なんか、こう見たことあるスニーカーみたいになってる。


ナイキ エアモアアップテンポ

…。
落ち着け。NIKEじゃないぞこれは。


やだ。
いつから??
え?ねぇ?いつから居たの?

そう遠くない記憶を辿って…
思い起こせば結構序盤から異臭と遭遇していた。

朝から踏んだんだ。
わたし、朝から踏んでたんだ…。

ウ○コ!!

辛いよ…!!
ハッ。
辛がってる場合じゃない!!
自転車!!

すぐ脇に止めてあった相棒の元に駆け寄る。
お前は!!
お前だけは無事でいてくれ!!

願いも虚しく、ペダルとスタンドはウ○コに塗れていた…。

泣いた…。
ただ静かに涙を流したのは言うまでもない。

ハッとした。
泣いてる場合じゃない。
なんとかしなきゃ、マジでこの形になってしまう。
ローカットのはずのスニーカーが、ハイカットになってしまう。


自販機で水を買って人気のない場所でザバザバと流した。
前日降った大雨の名残の水溜りを大いに活用してザブザブと洗った。
ペダルとスタンドもジャンジャン流した。
自販機で大盤振る舞いをしたが、そんなのはちっぽけな話しだ。

とりあえず流したが、わたしの心の傷は流れない。

自販機で大盤振る舞いした位では流れない傷を負ったのだ。

泣きながら会社に帰り、心に強く誓った。


もう二度とウ○コは踏まない。

翌月の仕事中もまた踏んでしまうとは…
この時は知る由もなかったのだ…。

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